「映画狂」金正日に拉致された女優&監督、8年の北朝鮮生活に迫る記録映画
©2016 Hellflower Film Ltd/the British Film Institute
映画『将軍様、あなたのために映画を撮ります』が、9月から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で公開される。
同作は、韓国人女優のチェ・ウニと映画監督のシン・サンオクが1978年に北朝鮮に拉致された事件を追ったドキュメンタリー。2人は映画マニアであった金正日によって映画を撮らされるために拉致され、「申フィルム」映画撮影所総長となったサンオクは何度も亡命を図りながらも、潤沢な資金による映画製作に次第に熱中し、北朝鮮で17本の映画を製作した。
作中では、チェ・ウニの証言やその家族、当時事件を調査した香港の捜査官やアメリカ国防省関係者、CIA元職員らのインタビューを通して、1986年に亡命するまで8年間におよんだ北朝鮮での生活を明らかにしていく。ウニとサンオクが密かに録音していたという金正日の肉声テープも初公開され、「北朝鮮から国際映画祭に出せるような映画を出したい」「私が2人を我々の方へ渡ってくるようにせよと指示した」と話す声も捉えられている。
作品情報
『将軍様、あなたのために映画を撮ります』
2016年9月からユーロスペースほか全国順次公開
監督:ロス・アダム、ロバート・カンナン
出演:
チェ・ウニ
シン・サンオク
金正日
配給:彩プロ