漢字合体は、文字による侵略がキーワードだった!? 『アクエリオンロゴス』の秘話がイベントにて語られる

2015.8.7
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『アクエリオンロゴス』漢字合体は文字による侵略がキーワード!?

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 2015年7月5日(日)、阿佐ヶ谷SHIROBACOにて「サテライト★アニメナイトvol.10 ?アクエリオンロゴス放送開始スペシャル!?」が開催された。『アクエリオンロゴス』は2015年7月よりTOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ。ロボットアニメの王道と呼べる「合体」を通じ、人とその関係性を探求することをコンセプトとした『アクエリオン』シリーズ10周年を飾る第3作品目だ。

 本イベントには、監督・佐藤英一さん、アニメーションプロデューサー・渡部雄介さん、文芸設定・河合宏之さん、綺声神心音役・千菅春香さんが登場。スタッフ陣による本作の誕生秘話や、アツイ想いが語られた。会場となったSHIROBACOは声優のタマゴたちが働くカフェで、作中に登場する創声エレメント育成機関兼、カフェショップSHIROBACOのモデルとなっている。また、同カフェでは『アクエリオンロゴス』×「SHIROBACO」のコラボの一環として、特別なコラボメニューが展開中だ。本作の舞台となる阿佐ヶ谷SHIROBACOの地に集った、スタッフ陣によるトークの模様を本レポートにてお届けしよう。

 
 
●漢字合体誕生のきっかけは、いわゆる文字の侵略!?

 SHIROBACOスタッフ大坪康亮さんをMCに、佐藤監督、渡部さん、河合さんによるトークからスタート。コラボドリンクを片手に登場した面々によって、乾杯の音頭「創声合体! 叫べ、アクエリオーン!」のコールで幕を開いた。

 トークの前にまずはコラボメニューの実食! カフェ内で提供されている、「無限拳」をイメージしたウィンナー串「無限拳串」を河合さんが食すと「食べても食べてもなくならない(気持ち的に)」というコメントが飛び出し、「いや、有限だよ!」と渡部さんがツッコミをいれたかと思うと、「それは創声力が足りない!」と佐藤監督が喝を入れるという、コミカルなやり取りが展開された。スタッフ間のノリとツッコミのテンポがよく、これには観客も大笑い。


 試食もまずまずに、佐藤監督によるディープでアツい制作秘話のトークへ。本作のキーワードである「創声」から分かるように、本作の鍵は「声」。現代の阿佐ヶ谷を舞台とし、時系列としてはこれまでの「アクエリオン」シリーズとは繋がっていないという。舞台設定においては、「現代を舞台とした物語にしたい」という原作の河森正治さんの意向が汲まれている。舞台を阿佐ヶ谷に設定したのは「声」というワードを照らし合わせた結果、声優のタマゴたちが働くSHIROBACOを舞台にしようという佐藤監督の閃きがあったからだという。従来のシリーズのようにラブロマンスに寄りすぎない、声の力で未来を勝ちとっていく若者たちのドラマを描きたかったと熱弁した。

 合体においても、「漢字合体だけは入れてくれ!」という制作のコンセプトが河森さんから降りてきたとのこと。漢字というものは、偏と旁で分けるとさまざまな漢字に組み替え、合体ができるもの。例えば、日と月を合わせれば「明」という字に、日と音であれば「暗」という文字にもなる。これはなぜだろうという、河森さんの文字に対する疑問がきっかけで漢字合体のキーワードが浮かんだそうだ。さらに、PCやスマートフォンの普及に伴い、自身の手で文字を書く機会が減ったことで文字を書けなくなってきているというエピソードから、これは「文字の侵略を受けている」という発想に至ったようだ。

 この疑問と要望をひも解き、佐藤監督を始めとするスタッフ陣らで漢字合体のコンセプトを練り、文字の世界ロゴスワールドで生まれた「M.J.B.K(モジバケ)」が現実世界に干渉して異常事態が起きるという設定が生まれた、と熱を込めていた。

 漢字合体を企画から担当している河合さんは、「漢字の組み替えは苦行」と苦笑い。「どのように漢字を組み合わせていくかがキモ」だという。漢字とメカ、これをいかにミックスすればいいのかが悩みどころで、漢字を使っていかに敵を倒すかを考えるのはプロデューサーの渡部さんも難しいと本音を漏らした。また、一風変わったキャラクターの名前は、漢字合体の伏線でもある。今後どのような漢字合体が生まれるかを予想しながら視聴して欲しいと、河合さん、渡部さんは目を輝かせていた。

 制作秘話で明かされたコンセプトと照らし合わせながら、メカ、人、漢字を組み合わせることで生まれる新たなアクエリオン。シリーズでおなじみの3体合体は存在するのか、自らを救世主と宣言した灰吹陽は、なぜこのような人物となったのかなどの今後の展開については、是非自らの目で確かめていただきたい。


●千菅春香さんと綺声神心音はただならぬ縁で結ばれている!?

 後半パートでは、綺声神心音役の千菅春香さんがステージに登壇。後半パートのスタートは、エンディング曲のタイトルである「ジュ・ジュテーム、コミュニケーション!」のかわいらしいかけ声で再び乾杯をしてスタート。綺声神心音への想い、演技についてゆるゆるとトークした。

 心音役はオーディションの際に苦戦したと語る千菅さんは「受かったという連絡をもらったときは驚きました!」と当時の心境を明かした。役作りにおいては、セリフを読む上で、言葉に詰まる喋りかたはやり方によって見えかたが変わってしまうため、心音にとっては自然で、自分にとっては意図的に言葉に詰まる演技をのせられるよう意識していると話した。

 キャラクターに共感している部分としては「譲らない頑固なところ」をあげ、世界を救うという野望を抱く陽も同様に好きなキャラクター。普段の自分も世界を変える!という大きなことを考えていて「見ていてスッキリ爽快。共感することが多いです(笑)」と笑顔ながらに陽の志に惹かれていることを暴露した。

 トーク中には、千菅さんよりMC大坪さんに(陽の救世主発言について)「普段からしていればキャラが立ちますよ!」という無茶振りが行われ、第1話の陽のあのポーズを大坪さんが「大変申し訳ない!」と言いつつも披露する場面も。大坪さんは心無しかとても気持ちよさそうな表情を浮かべており、会場の観客たちからも大きな拍手が送られた。


 また千菅さんにとって心音との出会いと、阿佐ヶ谷という土地は、自分のこれまでの音楽活動と強く結びついているのだと振り返る。『アクエリオンロゴス』の企画を耳にする以前に、作中の心音の実家である神社(阿佐ヶ谷神明宮)と、SHIROBACOで自身のシングルのミュージックビデオ撮影を行っていて、本作の心音の設定を耳にしたときはとても驚いたとのこと。阿佐ヶ谷という地、そして心音というキャラクターにただならぬ縁を感じずにはいられなかったようだ。


●『ジュ・ジュテーム・コミュニケーション』を友達と歌い比べて!

 本作のEDといえば、千菅さんが歌う『ジュ・ジュテーム・コミュニケーション』。千菅さんの歌声にのせて、心音のかわいらしいオフショットの数々が繰り広げられる。このEDを見て、千菅さんは「すごく豊満なカットがありますよね。ちょっと恥ずかしくなります。でも、毎週のご褒美みたいでいい!」とイチオシのワンシーンを大プッシュ。今後シリアスな回があっても、あのカットや映像を見て癒されて欲しいと語った。

 

 7月22日に発売を予定している『ジュ・ジュテーム・コミュニケーション』については、「非常に独特な温度感で、温かみのあるメロディと歌詞がステキ。まさか、清竜人さんに作っていただいた曲を歌えるとは……」と喜びをあらわにした。歌う人によってイメージが左右される曲になっており、カラオケで歌う際には、友だち同士で歌って、「どこまでかわいらしさをだせるかを友達と是非やってみて欲しい。男同士でもきっと楽しいですよ」とコメントし、会場を大いに沸かせた。

 トーク後は、特製グッズ大抽選会を行い、出演者がひとことずつコメントを述べたところでイベントは閉幕へ。


□佐藤監督
 作品については見てもらえればいいと思います。若いスタッフたちで頑張って作っています。先程、大坪さんがここでセリフもなくポーズを決めていましたね。本当は大坪さんの着ている陽の制服を着てやりたいところですが……正しいバージョンをやります。「救いを求める声があるなら、俺はどんなときでも駆けつける。なぜなら俺は、救世主だから……!」(拳を握りながら陽のポーズを決める) ……じつはあのシーンは、僕がやっているところを作画マンに書いてもらったものなのです。これは、ちょっとした小ネタです(笑)。

□千菅さん
みなさん今日は本当にありがとうございました! ここSHIROBACOで『アクエリオンロゴス』のお話をできたことは貴重な時間でした。これからのアフレコも頑張って参ります。とてもアツイ作品になっていますので、よろしくお願いします!

□河合さん
感情をテーマとして扱っておりますけれども、普通のヒーローアニメとしても最後まで楽しめると思います。どうぞよろしくお願いします。

□渡部さん
『アクエリオンロゴス』1話がついに始まりまして、オンエアは年末まで続いていきます。スタッフ一同テンションを上げて日々制作しております。楽しい作品になる手応えも感じておりますので、ぜひ楽しんでいただければと思います!


 最後のシメもやっぱりあのセリフ! 「創声合体! 叫べ、アクエリオーン!」で盛況のまま、イベントの幕は閉じられた。


■TVアニメ『アクエリオンロゴス』

【放送情報】
TOKYO MX 毎週木曜日24:00~
サンテレビ 毎週木曜日26:00~
テレビ愛知 毎週木曜日26:35~
KBS京都 毎週木曜日24:00~
とちぎテレビ 毎週木曜日24:30~
群馬テレビ 毎週木曜日24:30~
BS11 毎週日曜日25:30~
AT-X 毎週金曜日24:00~
[AT-Xリピート放送]
 毎週日曜日21:00~
 毎週月曜日16:00~
 毎週木曜日 8:00~

【STAFF】
原作:河森正治・サテライト
ロゴスコンセプト:河森正治
監督:佐藤英一
助監督:筑紫大介
シリーズ構成:熊谷 純
脚本:熊谷 純、綾奈ゆにこ、望月真里子
文芸設定:河合宏之
キャラクター原案・アニメーションキャラクターデザイン/総作画監督:豆塚 隆
サブキャラクターデザイン・プロップデザイン/総作画監督:西野文那(C2C)
衣装デザイン協力:江端里沙
メインアニメーター:山門郁夫、佐藤篤志、高橋和也、小田武士(C2C)、下條祐未(C2C)
アクエリオンデザイン:ブリュネ・スタニスラス
メカニックデザイン:池田幸雄
M.J.B.Kデザイン:宮崎真一
メカプロップデザイン:高倉武史
CGプロデューサー:青谷崇司
CGディレクター:後藤浩幸
モニターグラフィックス:石川寛貢
美術設定:藤瀬智康(ヘッドワークス)
美術監督:森元 茂(アトリエローク07)
筆文字デザイン:櫻井静城
色彩設計:高木雅人、手倉森咲子(TripleA)
撮影監督:久保田 淳
編集:兼重涼子
音楽:R・O・N
音楽制作:フライングドッグ
音響監督:清水洋史
音響制作:加賀電子、東北新社
アニメーション制作:サテライト、C2C
製作:Project AQUARION LOGOS
OPテーマアーティスト:May'n
EDテーマアーティスト:千菅春香

【CAST】
灰吹 陽:島﨑信長
月銀舞亜:佐倉綾音
綺声神心音:千菅春香
空篠翼人:梅原裕一郎
土聞努虫:淺井孝行
海凪花嵐:小澤亜李
剣嵜 総:安達勇人
粗朶桜子:白石涼子
岩上ショウコ:中野さいま
剣嵜荘厳:中田譲治

【STORY】
かつて、人の声が万物の真理を呼び起こしていた時代があった。
だが、ある発明によって人類の歴史は大きな転換期を迎える。
「文字」
それは優れた伝達手段として瞬く間に普及したが、
声と真理との間に「ロゴスワールド」を誕生させてしまう。
それから数千年後――
文明の発達はロゴスワールドを肥大化させ、文字の暴走を引き起こした。
これに対抗できるのは「創声力」と呼ばれる、
真理の力を引き出せる創声部の若者たち。
阿佐ヶ谷に住む少年「灰吹陽」は、文字の暴走に遭遇し、
現実世界に波及する混乱を前にして、運命の声を発した。
「叫べ、創声合体」と……。
ロゴスワールドを鎮める唯一の存在、「アクエリオン」が誕生したとき、
文字を巡る新たな神話の1ページが幕を開ける。


>>TVアニメ『アクエリオンロゴス』公式サイト
>>TVアニメ『アクエリオンロゴス』Twitter

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