小倉久寛「舞台終わったら向かいの喫茶店もご利用を」に宮本亜門、照れ笑い ミュージカル『狸御殿』開幕

2016.8.2
レポート
舞台

ミュージカル『狸御殿』

歌舞伎俳優・尾上松也主演の和製ミュージカル『狸御殿』が8月1日(月)新橋演舞場にて初日を迎えた。

本作は、いまから20年前に宮本亜門が演出を務めた伝説の作品。タヌキの国を舞台に身分違いの恋を描いたファンタジーだ。タヌキの王子・狸吉郎を松也が演じ、平民ダヌキの娘きぬたをミュージカル初挑戦の瀧本美織が務める。

初日を目前に、同劇場にてマスコミ向けの公開稽古が行われ、その直前に宮本、松也、瀧本、そして渡辺えり、小倉久寛、赤井英和が囲み取材に応じた。

ミュージカル『狸御殿』尾上松也

取材では宮本が松也をベタぼめ。「歌もできるし、役者としても人間としても出来すぎですね。出来すぎて怖いくらい。稽古場では座長としてみんなの事を細かく観ているんです。この方の将来はすばらしいです」というと、「いやいやいや」と恐縮しまくる松也。そんな松也は20年前に大先輩・市川染五郎が演じた狸吉郎役について「王道の王子様でありつつも、どこか影のあるところがあり、僕なりに表現できたら」と気合いを入れていた。

ミュージカル『狸御殿』尾上松也

ミュージカル『狸御殿』尾上松也、瀧本美織

ミュージカル『狸御殿』尾上松也、渡辺えり

そして瀧本について、宮本は「稽古初日で号泣しちゃってね」と振り返る。亡き父の墓にしがみついて泣く場面で気持ちを入れ過ぎて大泣きになってしまったそうだ。そんな瀧本は「気合を入れて頑張りたい」と決意表明していた。

意地悪なまま母と姉たちがきぬたをいたぶります

ミュージカル『狸御殿』瀧本美織

山賊・泥右衛門役の赤井もミュージカルは初。「きぬたを助ける大事な役を演じています。皆さんの歌に稽古場から楽しませていただきましたね」と振り返る。

ミュージカル『狸御殿』赤井英和

一方、宮本曰く「ヒトの言うことを全く聞かない人たち」に当てはまる(!?)渡辺、小倉のベテランチームは会見でも自由きまま。狸吉郎の母・きららの方を演じる渡辺は「私、久しぶりに二の線の役をやらせていただいて。でもよくよく考えるとタヌキの女帝なんですよね。タヌキが人間にあこがれてこんな格好をしていると思うとおかしくておかしくて」と膝を折って笑いだす。「本番ではシリアスなところで笑わないでくださいね。稽古場でも相当笑ってたし」と松也がいじると「悲しい事を思い出してシリアスにやりますから!」といいつつも笑い続けていた。

ミュージカル『狸御殿』渡辺えり

そしてお調子者の家老役・小倉は「いろいろなものが詰まっている楽しい舞台。すべての世代の方が楽しめるのでぜひ観にきてほしい。で、舞台が終わったら向かいの喫茶店を利用して…」と新橋演舞場の真向かいにある茶房絵李花(CAFE ERICA)をPR。ここは宮本の実家としても有名な店であることから、小倉の言葉に「すみません、ありがとうございます」と苦笑する宮本だった。

ミュージカル『狸御殿』小倉久寛、尾上松也、青木さやか

さて舞台――。
柳家花緑の落語風味な進行役のもと、大掛かりでありながらも、どこか懐かしさをも感じる紙芝居風の場面転換に、島唄やオペラ、バレエ、フライングなど、見どころ聴きどころもいっぱい。あの有名なおとぎ話がベースになっていることもすぐわかるので、小さなお客様も最後まで飽きずに楽しめることだろう。

ミュージカル『狸御殿』柳家花緑

ミュージカル『狸御殿』

ミュージカル『狸御殿』瀧本美織、城南海

ミュージカル『狸御殿』翠千賀

ミュージカル『狸御殿』瀧本美織


 
公演情報
ミュージカル『狸御殿』

■日時:2016年8月1日(月)~27日(土)
■会場:新橋演舞場
■演出:宮本亜門
■出演:
尾上松也 
瀧本美織 
柳家花緑 翠 千賀 青木さやか 
赤井英和 
城 南海 土屋佑壱 大地洋輔(ダイノジ) あめくみちこ
小倉久寛
渡辺えり
■公式サイト:http://tanukigoten2016.com/

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