『Golden Circle 〜僕と桜井和寿のメロディー〜』東京公演の詳細レポとセットリスト公開
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『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
20回目の節目を迎えた寺岡呼人の主催企画『Golden Circle』。ゲストに桜井和寿を迎え、東京・大阪で行われたライブは、本日・8月2日、大阪公演で幕を下ろした。SPICEではこのタイミングで東京公演の詳細な模様をお届けするレポートと、セットリストを公開する。
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル〜僕と桜井和寿のメロディー〜』 2016.7.5 日本武道館
“あなた達、ちょっと仲が良すぎるんじゃないですか?” そう言いたくなるくらいの麗しい友情が素晴らしい音楽とともに伝わってきた夜だった。7月5日に日本武道館で行われた『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル〜僕と桜井和寿のメロディー〜』。Golden Circleは寺岡呼人が主宰する音楽イベントで、彼と交流のある様々な世代のミュージシャンが参加して2001年から行われてきた。今年は20回目ということで寺岡の盟友であるMr.Childrenの桜井和寿が全面的に参加して、東京と大阪での開催となった。その初日が武道館公演だ。
寺岡が桜井と出会ったのは1991年。まだアマチュアだったMr.Childrenのステージを見た寺岡が、自身のソロツアーに桜井を誘ったのがきっかけで交流が始まり、その年に2人の共作でMr.Children初期の名曲「星になれたら」が誕生した経緯がある。オープニングでは、寺岡が自宅で発掘したVHSを自らが編集した当時のツアー映像が流された。その懐かしの映像に続いての1曲目は松任谷由実が作曲して、松任谷、寺岡、ゆず、桜井が作詞を共作した「ミュージック」。どんなに時が経っても色褪せることのない音楽の持っている不思議なパワーがモチーフとなった歌だ。寺岡がアコギを弾きながら歌い始めて、ハンドマイクを持った桜井に歌が引き継がれていく。さらにはゲストのK(Guest Key)の歌へ。人間味あふれる演奏を展開するGC Bandのメンバーは林久悦(Dr)、林由恭(Ba)佐藤健治(Gt)、松本圭司(Key )、Kという編成。観客もハンドクラップで参加して、温かな空気が充満していく。ステージと客席、会場にいるすべての人間が音楽ファンであることを実感するような始まり方だ。
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
「25年前、我々が3歳の頃に出会って(笑)、25年経ってこうして同じメロディを奏でられるのは本当に幸せです。盟友であり、親友を紹介します。桜井和寿!」という寺岡の言葉を受けて、桜井が「『Golden Circle』、20回目なんだって。すごいよね。ちょっとしたホーム感がある」と語っていた。桜井が『Golden Circle』に参加するのは6回目。寺岡との息もぴったり合っている。事前に寺岡からネルシャツにデニムというオーダーがあったとのことだが、色使い、柄、デザイン、装飾品、靴など、シンクロ率がかなり高くて、限りなくペアルックに近い。「中年ゆずみたいだよね」と寺岡が語っていたが、それくらい、波長も合っているということだろう。出だしからアットホームないい雰囲気だ。
寺岡と桜井が共作した「これが僕らの愉快なヒューマンライフ」ではバンドサウンド全開の中で、2人が向き合ってジャンプしたり、ハモったり。「競争る為にだけ生まれてきた訳じゃねぇ」では寺岡がJUN SKY WALKER(S)時のようにベースプレイを披露。この曲でも寺岡と桜井が交互にリードを取り、楽しそうにハモる姿が印象的だった。もちろんプロフェッショナルなミュージシャンが集って、息の合った演奏を展開しているのだが、同好の士が集って楽しんでいるような部活的な空気も漂っていた。『Golden Circle』のサークルは音楽サークルのサークルにも通じそうだ。
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
続いてはソロ・コーナー。まずは寺岡から。8月3日リリースのニューアルバム『COLOR』から4曲披露された。「初めて聴く曲だと思いますが、何十回も聴いたように盛り上がれる曲だと思います」というアルバム表題曲「COLOR」はモータウン調のカラフルで楽しいナンバー。客席が七色の照明に照らされる中、寺岡のフレンドリーな歌声が会場内を笑顔にしていく。武道館のステージの後ろ側にも客席があって、サークル状になっていたのだが、寺岡はその客席を走ってまわりながらの歌。「あんまり覚えてないや」のアンサーソングとして制作したという「もったいない」、こぶしを振り上げながらの「キャッチボール」と、彼の人柄を反映するような人懐こさと温かさと真っ直ぐさが共存する歌声がダイレクトに入ってきた。桜井と共作した「蜜蜂」は寺岡のリクエストで、桜井のリードボーカルをフィーチャーしての披露。桜井のせつなさの漂う歌声がぴったり似合うラブソングだ。彼の歌声は聴き手をギュッと抱きしめていくような包容力と色気を備えている。
続いてはゲストのKのソロコーナーということで、彼が日本に来る時の思いを込めて作ったという「Beyond The Sea」が演奏された。透明感のある澄んだ歌声なのだが、柔らかいだけではない。その奥底には揺るぎない芯のようなものがある。ソウルフルな歌声に会場内の観客が聴き入っていた。桜井のお気に入りの曲であり、寺岡とKとが作詞と編曲で共作したナンバー、「dear...」も演奏された。前半は寺岡のアコギでの歌、後半はバンドも加わって、深みのある歌の世界観がさらに広がっていった。
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
「大好きな歌だから、うっとりしてた」と桜井。「K君がこの歌を歌ったら、たまんないんじゃないかな。で、2番から僕が入っていって、ちょっとずつ汚していこうかな」という桜井の提案で実現したのは、尾崎豊の「I LOVE YOU」のカバーだった。Kがピアノの印象的なメロディを奏でて歌い始めると、大きな歓声と拍手が起こった。Kのピュアな歌声が曲の密やかな雰囲気と絶妙にマッチしている。ちょっと汚れた桜井の歌声も味わいがあっていい。声質によって、歌の心象風景も微妙に変化していく。純真だった少年が社会の冷たい風に翻弄されてグレていく感覚だろうか? 寺岡と桜井の共作曲「フォーエバーヤング」はK→桜井→寺岡の順でリード・ボーカルを取っていく。ミラーボールが回転して、白い光の粒が降り注ぐ中での3人のハーモニーには“素敵”という表現がぴったりだった。寺岡と桜井とが一緒に作曲したMr.Childrenの「妄想満月」はKのハーモニカを導入部として、桜井と寺岡がアコギを弾きながら歌を披露。ジャジーなムードとフォーキーな叙情とがミックスされた独特のテイストが魅力的だ。
「すげえいい曲だよ」と桜井、「実際に聴いたらぶったまげると思います」という寺岡の言葉に続いて演奏されたのは、乃木坂46のカバー「きっかけ」だった。寺岡、桜井、K、それぞれのエネルギッシュな歌声とハーモニーとが曲の持っている生命力を際立たせていく。ダイナミックでアグレッシヴな演奏に会場が驚きつつ、盛りあがっていく。ここからはMr.Childrenの「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」と「innocent world」が演奏された。「一緒に歌うぞ〜!」と桜井。寺岡も歌、ハーモニー、ギターで参加。観客がハンドクラップして、シンガロングしている。歌によって、場内がひとつの大きな輪になっていく。これこそが『Golden Circle』。
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
「25年前に彼と一緒に車に乗って、ツアーを回って、25年たって、形を変えてGolden Circleというイベントになってますが、あの時から実は僕がやっていたのは『Golden Circle』だった気がしてます。あの時もカバーをたくさんやって大騒ぎしていました」と寺岡。本編の最後に演奏されたのは、寺岡と桜井が作詞を共作していて、寺岡の最新アルバムのボーナストラックとしても収録されている「バトン」。「『Golden Circleのテーマソングにふさわしい曲じゃないかと思います』との発言もあった。音楽のバトンを渡していくこと、音楽によってつながっていくことの尊さ、かけがえのなさが伝わってくる曲だ。2人の歌声が会場内を笑顔にしていく。ステージから客席へ、音楽というバトンはしっかり手渡されていた。寺岡と桜井は手を振り、肩を組んだままステージから去っていった。が、もちろんまだ続きはある。アンコールもサプライズと感動が詰まっていた。
「次の曲は桜井に歌ってもらいたいと思って、最初の段階でオファーしました」という寺岡からの要望で、アンコールの1曲目はさだまさしの「いのちの理由」。寺岡の歌で始まり、桜井へつないで、交互に歌う構成。Kがハーモニカを吹いている。それぞれの人間性がそのまま吹き込まれていくような歌声だ。歌詞のひと言ひと言がグッと強く届いてくるのは、歌っている彼らが言葉を噛みしめながら歌っていたからだろう。続いてはMr.Childrenの「Tomorrow never knows」へ。寺岡もKも歌っている。当然のごとく、会場内も一体となってハンドクラップして、シンガロングしている。
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
「1991年、この歌から始まりました」という言葉に続いてのラストナンバーは2人が最初に共作した曲、「星になれたら」だった。25年前に一緒に作った曲が時を経てこうして一緒に歌われるのはなんと素晴らしいことだろうか。“大きな声で笑える日がくるから”という歌詞をとびっきりの笑顔を浮かべて2人が歌っている。歌詞の一部を変えて、<この風はきっと武道館へとつながっていくから>と歌うと、大きな歓声が起こった。桜井が花道を走っている。寺岡がジャンプしている。気が付くと、またしても2人が肩を組んでいる。演奏が終わると、メンバー全員が一列に並んで肩を組んで挨拶。その後、寺岡と桜井はハグしていた。
音楽と友情って、とっても相性がいいものなのだということを再認識した夜だった。音楽は人と人とをつなぐ機能を持っている。その機能が全開になっているのがこの『Golden Circle』だ。「今日、勇気をもらったので、また次に行けたら、続けていきたいと思います」と寺岡。回を重ねる中で、さらに『Golden Circle』の輝きは増していくだろう。
レポート・文=長谷川誠
『寺岡呼人presents Golden Circle 第20回記念スペシャル ~僕と桜井和寿のメロディー~』 撮影=ほりたよしか
【東京公演】
1. ミュージック / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
2. これが僕の愉快なヒューマンライフ / 寺岡呼人+桜井和寿
3. 競争る為にだけ生まれてきた訳じゃねぇ / 寺岡呼人+桜井和寿
4. COLOR / 寺岡呼人
5. もったいない / 寺岡呼人
6. キャッチボール / 寺岡呼人
7. 蜜蜂 / 寺岡呼人+桜井和寿
8. Beyond the Sea / K
9. dear... / K+寺岡呼人
10. I LOVE YOU(尾崎豊カバー) / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
11. フォーエバーヤング / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
12. 妄想満月 / 寺岡呼人+桜井和寿
13. きっかけ(乃木坂46カバー) / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
14. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~ / 寺岡呼人+桜井和寿
15. innocent world / 寺岡呼人+桜井和寿
16. バトン / 寺岡呼人+桜井和寿
[ENCORE]
17. いのちの理由(さだまさしのカバー) / 寺岡呼人+桜井和寿
18. Tomorrow never knows / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
19. 星になれたら / 寺岡呼人+桜井和寿
【大阪公演】
1. ミュージック / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
2. これが僕の愉快なヒューマンライフ / 寺岡呼人+桜井和寿
3. 競争る為にだけ生まれてきた訳じゃねぇ / 寺岡呼人+桜井和寿
4. COLOR / 寺岡呼人
5. もったいない / 寺岡呼人
6. キャッチボール / 寺岡呼人
7. 蜜蜂 / 寺岡呼人+桜井和寿
8. Beyond the Sea / K
9. dear... / K+寺岡呼人
10. I LOVE YOU(尾崎豊カバー) / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
11. ジャコピニ彗星の日 / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
12. 妄想満月 / 寺岡呼人+桜井和寿
13. フォーエバーヤング/寺岡呼人+桜井和寿+ K
14. きっかけ(乃木坂46カバー)/寺岡呼人+桜井和寿+ K
15. シーソーゲーム ~勇敢な恋の歌~ / 寺岡呼人+桜井和寿
16. innocent world / 寺岡呼人+桜井和寿
17. バトン / 寺岡呼人+桜井和寿
[ENCORE]
18. いのちの理由(さだまさしのカバー) / 寺岡呼人+桜井和寿
19. Tomorrow never knows / 寺岡呼人+桜井和寿+ K
20. 星になれたら / 寺岡呼人+桜井和寿
『COLOR』
10月22日(土) 札幌 くう
11月12日(土) 仙台BAR TAKE
11月13日(日) 青森 ロビンズネスト ゲスト小山内創祐
11月19日(土) 東京 渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
11月23日(水・祝) 鹿児島 WICKY'S HOUSE
11月26日(土) 福岡 music bar S.O.Ra.
11月27日(日) 熊本ONE DROP Dining'studio ゲスト伊東ミキオ
11月29日(火) 松江 AZTiC canova ゲストFree Bird Club Band
12月01日(木) 高知 X-pt. ゲストあり(未定)
12月03日(土) JIRO'SギターBAR
12月06日(火) 尾道 JOHN Burger & Cafe
12月14日(水) 金沢もっきりや
12月16日(金) 名古屋 ell.SIZE
12月17日(土) 心斎橋JANUS
それ以外はトリオ編成
バンドメンバー
寺岡呼人 林久悦(Dr)、林由恭(B)、佐藤健治(Gt)
トリオ出演メンバー
林久悦(Dr)、林由恭(B)
前売¥4,500 当日¥5,000(税込・ドリンク代別)※ 3歳以上は
熊本公演 松江公演 前売¥4,000 当日¥4,500(税込み)
高知公演 前売¥3,500 当日¥4,000(税込み)
東京、大阪、名古屋公演 前売¥5,000 当日¥5,500(税込み)