尾崎英二郎が日本人役を演じる映画『リトル・ボーイ　小さなボクと戦争』舞台挨拶をレポート

8月27日（土）ヒューマントラストシネマ有楽町にて映画『リトル・ボーイ　小さなボクと戦争』が公開となり、主人公の少年に勇気を与える日本人役を演じた尾崎英二郎が来日し、初日舞台挨拶が行われた。ハリウッドで活躍する尾崎の本作へ寄せる思いがつまったイベントの内容をお伝えする。

——日本で公開初日を迎えたお気持ちをお聞かせください。

こんなにたくさんの方に集まって頂き、本当に幸せに感じています。ありがとうございます。
 

——小柄ながらも強大な敵に立ち向かうマサオ・クメ役はオーディションの際にキャラクターの設定が大きく変更されたようですが、現場の雰囲気と役に込めた思いをお聞かせください。

最初は日本人の将校役で呼ばれましたが、コールバックで2度目に呼ばれた時には全然違う台本で、15歳のマサオ・クメという役柄にかわっていました。当時、僕は40代前半だったのですが、台本で描かれていたことが素晴らしく、「この役は普段自分が俳優として、人間として考えていることそのままだ」と思い監督に直談判しました。その結果、「年齢設定を書き換える」と監督が言ってくれてこの役を演じることが決まりました。

ペッパー(リトルボーイ)役/ジェイコブ・サルヴァーティ (C)2014 Little Boy Production, LLC.All Rights Reserved.

——現場で主人公のペッパーくんとは会いましたか？

現場で引き合わせていただいて会うことがきました。マサオ・クメ役を演じていたときだったので、役の衣装を着てかつらもつけた状態でした。そうしたら、当時彼は8歳ぐらいで純粋なので「マサオ・クメ！！！」と言ってハグして大喜びしてくれました。
 

——撮影は5年前で、日本での東日本大震災と時期が重なりますがどのような思いで演じられましたか？

マサオ・クメは主人公を看過して、彼の人生をかえるような役柄です。震災が起きた2カ月後にオーディションがあり、3カ月後に出演が決まりました。アメリカにいたので「自分は無力で何もできることはない」と感じていましたが、この役に出会い、巨大なものに命をかけて挑み、襲ってくるものを押し返すことができるマサオ・クメを演じることで、日本の観客や東北の方々をきっと 勇気づけられる、励ますことができると思い全力で挑みました。
 

——最後に本日お越しいただいた皆様にひとことお願いします。

本日のために日本に戻ってきましたが、こうしてお客様に観ていただいて何かを感じていただくことで初めて映画は完成すると思っています。本日はどうもありがとうございました！

8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ユーロスペースほか全国順次公開