フレンチ・シェフ 土谷光治|こんな日本アーティストがパリで活躍中 【第10回】
フレンチ・シェフ 土谷光治
フレンチ・シェフ 土谷光治
パリで新しい文化と古い文化が入り交じって活気を帯びているエリアに、今年オープンした話題のフレンチ・レストラン『MAMAGOTO』。このレストランの共同経営者であり、シェフを勤めるのが土谷さんです。もともと東京でスタイリストなどの仕事から転身、料理の世界に入ったという珍しい経歴を持った土谷さんは2008年に渡仏。その後、パリのレストラン『Astrance』などいくつかのレストランで働いた後、『CHEZ GRAFF』でシェフを勤め、今年はじめてとなる自身の店をオープンしました。味に厳しいパリジャンをうならせるフレンチ・シェフとして活躍中の土谷さんにお話を伺ってきました。
――パリで活動されるようになったキッカケを教えてください。
日本で働いていた時、フランス人シェフが「日本のフレンチはフランスのものとは違う」と教えてくれたことがキッカケです。実際フランスに行ってみて、その違いを確かめてみようというのがフランスに来たのがはじまりです。
土谷さんのお店では、たくさんの料理を味わってもらいたいという思いから 他のフレンチと違ってメニュー数が多くなっている
――パリでシェフとして働いてみて、日本との違いは何か感じられますか。
まず食材が違いますね。日本のものと違って野菜の匂いが違ったり、乳製品がとてもおいしいということです。そして、日本との違いで面白いと思ったのが、お客さんのリアクションがダイレクトに伝わってくることです。私のことを知っているわけでもないのに、料理を食べて「おいしかった」と言うために、厨房まで足を運んでくれるお客さんも少なくありません。
また、うちのお店は常連さんが多く「次の新しいメニューはいつから?」と聞かれることも多々あります。こうしたお客さんの期待に応えるべく、ランチは毎週全て変わり、ディナーも毎週4、5品入れ替えるペースで提供しています。
土屋さんのお店『MAMAGOTO』の店内
――これからの活動予定を教えてください。
まずなにより、お店がオープンしたばかりなので、料理を作ることに集中することを大切にしています。この延長線で、今の店とはまた違ったジャンルの料理を出す姉妹店をオープンするのも面白いなと考えているところです。
インタビュー中、土谷さんの寡黙な中にもなんだかストイックさを感じさせられる雰囲気が印象的でした。彼が以前の職場で一緒だった同僚たちと共同でオープンしたレストラン『MAMAGOTO』店内は、若いエネルギーが溢れ、フレッシュでとても気持ちいい空間でした。
ホームページ:http://www.mamagoto.fr/
住所:5 Rue des Petits Hôtels 75010 Paris
営業:日曜日・月曜日休み 火曜~金曜:12〜14時半、20〜23時/土曜:12〜23時