「RIJF」4日間で25万人動員し閉幕、総出演アーティストは188組

2015.8.13
レポート
音楽

イベントの大トリを務めた10-FEET。(写真提供:rockin'on japan)

茨城・国営ひたち海浜公園にて、ロッキング・オン・ジャパンが企画制作する野外ロックフェスティバル「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」が開催された。

8月1日と2日、および8日と9日の2週にわたって行われたこのフェスティバルは、4日間合計で約25万人の観客を動員。史上最多のオーディエンスを迎え、合計188組のアーティストたちによる力強いパフォーマンスが各ステージで繰り広げられた。この記事ではイベントの後半戦である8月8日と9日の模様をレポートする。

■3日目:8月8日

GRASS STAGEのトップバッターとして登場したKREVAは「イッサイガッサイ」からライブをスタートさせ、清々しい空気を会場に送り込む。大阪での振替公演が残っているものの、47都道府県ツアーをほぼ終えてこの日のステージに立った彼は「どこが盛り上がるかじゃない。誰が、どんな人が集まっているかなんだと思います」「すべての楽しみ方、それが正解。どんな盛り上がりでもいい。みんなの正解を見せてほしい。正解を知っているのは君」と語りかけ、オーディエンスのテンションに火を点けた。

LAKE STAGEではBase Ball Bear、POLYSICS、WHITE ASHといった面々がライブを繰り広げた。POLYSICSは24曲をつないだ怒涛のメドレーを披露。終始ハイテンションなまま駆け抜ける彼らのパフォーマンスを前に、観客たちはヘトヘトになるまで踊り続けていた。またSOUND OF FORESTに登場したチームしゃちほこは、RIP SLYME「JOINT」のカバーを元気いっぱいに歌唱。フレッシュなパフォーマンスでオーディエンスを魅了した。

昼過ぎのGRASS STAGEに立ったグループ魂は、アルバム「20名」に収録されている「彦摩呂」「さかなクン」など実在の人物をテーマにした楽曲をドロップ。歌唱中に繰り出される破壊(Vo)によるモノマネや、下ネタを交えた自由なMCが会場を爆笑の渦へと誘った。同じくGRASS STAGEにて行われたABEDON+OT(fromユニコーン)のステージではABEDON(Vo, G, Key, B)のほか、奥田民生(Vo, B, Dr)、斎藤有太(Key)、八熊慎一(B, G, Dr, Vo)、木内健(G)が登場。ライブ中、ユニコーン「大迷惑」のイントロが奏でられると、オーディエンスは飛び上がって彼らの演奏を楽しんでいた。

日が傾き始めた時間帯のLAKE STAGEに人を集めたのは、細美武士(Vo, G / the HIATUS)が新たに結成したバンド・MONOEYES。「初めまして、MONOEYESと申します。俺たち『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』に出れたの初めてで」という細美のMCとは裏腹にバンドは盤石なアンサンブルを届け、オーディエンスの惜しみない拍手と歓声を誘った。

Nothing's Carved In Stone、モーモールルギャバン、BLUE ENCOUNT、 ANGRY FROG REBIRTH、DJ和といった面々が各ステージでトリを務める中、GRASS STAGEにはBUMP OF CHICKENが登場。彼らは「天体観測」からライブをスタートさせ、集まったオーディエンスを熱狂させた。さらに彼らは「ファイター」「コロニー」などを披露していく。演奏終了後、藤原基央(Vo, G)はイベントの運営者や競演者、参加者たちを称え「アーティストとみんなをつなぐ音楽に拍手を」と話してGRASS STAGEのライブを締めくくった。

■4日目:8月9日

最終日のGRASS STAGEのスタートを飾ったのはチャットモンチー。橋本絵莉子と福岡晃子の2人による奥田民生「息子」のカバーや、恒岡章(Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)、下村亮介(the chef cooks me)、北野愛子(DQS、nelca)、世武裕子の4人を加えた6人編成での「シャングリラ」など、多彩なフォーメーションで楽曲を届けた。

PARK STAGEでは女性陣がパワフルなステージを展開。中川翔子はMCで1000匹分のセミの抜け殻を頭からかぶるという破天荒なパフォーマンスで観客を驚かせた。中川に続いてPARK STAGEに登場したのは「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2015」初出演となったLiSA。彼女はかつてこのステージに赤い公園を観に来たというエピソードを交えながら「好きな音楽が溢れるこの場所でステージに立ててうれしいです」話し、渾身のパフォーマンスで会場を大いに盛り上げた。

LAKE STAGEに立ったストレイテナーは、ホリエアツシ(Vo, G, Piano)の「この夏のために書いた、反戦の曲をやります」という曲紹介から最新シングル曲「NO ~命の跡に咲いた花~」をプレイ。演奏終了後、長崎出身のホリエは「今日8月9日は、長崎の“原爆の日”です。戦争に怯えることなく真っ直ぐに、自由に夢を見て、叶える希望を持って生きていける。そしてこうやって音楽を、楽しいことを全力で楽しめる未来を作っていきましょう」と曲に込めた思いを言葉にして伝えた。

最終日の折り返しにGRASS STEGEで轟音を響かせたのは9年連続出場となる9mm Parabellum Bullet。バンドは菅原卓郎(Vo, G)によるお馴染みのかけ声「いけるか?」から「Discommunication」「Black Market Blues」といったキラーチューンを叩き込み、会場のテンションを一気に引き上げた。

日暮れ頃からは会場周辺に涼やかな風が吹き抜け、過ごしやすい気温に。名残惜しそうにしながらも帰り支度を始める観客がいる中、GRASS STAGEではthe HIATUSからバトンを受け取った10-FEETがイベントの大トリを務めるべくステージに登場した。TAKUMA(Vo, G)は「風」の弾き語りからライブをスタートさせた後、RHYMESTERをステージに呼び込み「focus (re-focus) feat. RHYMESTER」を披露。また「RIVER」の演奏中にはKj(Dragon Ash)がステージに乱入するなど、オーディエンスはフェスならではのコラボレーションを楽しんでいた。アンコールを受けて再び登場した10-FEETの3人は「京都大作戦2015」でも披露したという新曲をはじめ、「CHERRY BLOSSOM」「その向こうへ」の3曲を披露。MCでTAKUMAは「ここは引きたくない、引いたらあかんって思う所は絶対に意地でも引くな」と繰り返し観客に伝え、4日間にわたって行われたイベントをフィナーレに導いた。

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