状況劇場の伝説的な作品『腰巻お仙 振袖火事の巻』が唐ゼミ☆の手で蘇る!
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あれから半世紀たちました。 新宿中央公園で『腰巻お仙 振袖火事の巻』が唐ゼミの手で蘇ります! 1969年、東京都の不認可を押し切って、新宿中央公園で唐十郎率いる状況劇場によって強行上演。300 人を超える機動隊に取り囲まれ、唐十郎ら劇団幹部が逮捕され、社会的にも大いに物議を醸した伝説的な作品を、主に青テントで唐作品を上演している唐ゼミ☆が、この物語を再度読み解き、少年少女が織りなす「現代の神話」として上演!
【劇団唐ゼミ☆ 代表:中野敦之からのメッセージ】
47年ぶりに、新宿中央公園で『腰巻お仙 振袖火事の巻』を復活させます。
新国立劇場での『黒いチューリップ』や浅草での『下谷万年町物語』など、これまで様々な公演をしてきましたが、この演目は劇団を始めて以来の念願なのです。宿願といってもいい。唐さんのもとで初めて上演したのが、この前編である『腰巻お仙義理人情いろはにほへと篇』でしたから。ところがその後、ぜひこの演目を、と唐さんに頼んでも、一回は断られました。それから10年以上経って、去年の秋、新宿中央公園で公演をして好評を得た。だったら、もう次はこれしかないだろう。やろうやろうと燃えて、もうすぐ初日です。
唐さん率いる状況劇場が1969年の正月3日に今回と同じ場所で強行上演して機動隊300人に囲まれた初演時とは違い、今回は合法で6日間やります。だからこそ、反骨の時代を超えてなお脈打つ美学を見て欲しいですね。それは、政治的に右か左か、などと吠えている男たちをぶちのめす少女の力、女性の直感が持つ野生です。「振袖火事」と言えば「八百屋お七」を連想しますが、左翼のデモより、右翼の日本刀より、好きな男に逢いたくて江戸じゅう火の海にする少女が最強で最恐でしょう。まさに、そういう芝居です。
そう狙っていたら、舛添前都知事が辞めて小池都知事が誕生した。都庁はいまや女性のパワーで漲っていますが、裏手の公園で、それとは一味違った少女の力を見せつけたい。なにせヒロイン「お仙」は、自分の産み落とした80人の堕胎児を率いていますから、うらぶれ者やはぐれ者、この世に認めてもらえなかった者たちの源泉なんですね。そういう暗黒のパワーを、自分たちは炸裂させたい。
47年経ったいまだからこそ、唐イズムの真骨頂を知らしめたい。ときに軽妙に、ときに哀切に、ここでしか味わえない世界を振りかざします。期待してください。
〈公演情報〉
劇団唐ゼミ☆ 第26回公演
『腰巻お仙 振袖火事の巻』
作◇唐十郎
演出◇中野敦之
出演◇禿恵 重村大介 熊野晋也 津内口淑香 八重柏泰士 ワダ タワー 林麻子
米澤剛志 國元美沙希 進響平 宮居草也 田中陽介 藤田建洋 鳳恵弥(特別ゲスト)
10/7(金)~12(水)◎新宿中央公園 水の広場 特設劇場
〈お問い合わせ〉劇団唐ゼミ☆ 070-1467-9274
http://www.karazemi.com/
【あらすじ】
舞台は新宿。中学3年の円谷芳一は、幼なじみの片桐仙子に恋していた。だが、芳一の 想いをよそに、病いに倒れた養父にかわり家計を支えるべく、仙子は娼婦に身を堕として いく。何人もの子を身籠り、堕胎をくり返す仙子。自らの非力を悟った芳一は、自衛隊へ の入隊を決意する。 そして1年後。男を上げて自信満々の芳一が再会したのは、さらに変貌を遂げた仙子̶̶ 腰巻お仙だった。日本帝国の再建、極東の覇権を狙い、その先兵として堕胎児らの利用を 企むドクター袋小路の手から、お仙を奪還しようとする芳一。 男たちの死闘にゆれる乙女心は、今日も少女を振袖火事へと焚きつけるのであった。