10周年を迎える大阪のライブハウス・CLAPPERの“今まで”と“これから”を店長・福原氏が語る
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CLAPPER玄関口
どんなに有名なバンドも、ライブ活動の最初の一歩はライブハウスから始まる。現在は関西のSPICE編集をしている筆者だが、プロフィールにあるように、元々大阪のライブハウスでブッキングマネージャーとして(ライブハウスのイベント制作)10数年過ごしてきた。“ライブハウスがバンドを育てる”。バンド経験のない方にはちょっと不思議な感覚かもしれないが、毎日のようにライブを見続け、毎日のように打ち上げでアーティストのお悩み相談室のようなことをしていると、不思議と最初の1曲目でアーティストのその日の調子がわかってきたりも。そういったことを繰り返してると、ライブハウスとアーティストとの間に仕事以上の信頼関係が生まれてくるのだ。そういった関係値が、立地やキャパシティー以上に駆け出したばかりのアーティストには重要となり、そして気がつけばバンドはそのライブハウスを“ホーム”と呼ぶようになる。アーティストからホームと呼ばれるライブハウスは、アーティストのために日々いろんな企画を考え、時には一緒に企画もしたり、リハーサルから一緒にサウンドチェックをして音響や演奏面もサポートしたり、そうやって迎えた本番終わりの打ち上げでは、一日を一緒にお酒を呑みながら振り返り、そして時には一緒になって酔っぱらってハメを外す。そういった積み重ねが人に愛されるバンド生み、またライブハウスも愛されるライブハウスに成長する。
前置きが少し長くなったが、ライブハウスを離れて約9ヵ月、夏も終わりに近づいた頃、ライブハウスの人間から僕が今やっていることを聞きつけて一本の電話が鳴った。今年の10月で10周年を迎えるので、何かサポートしてくれないか、とのこと。筆者が“ライブハウスに対して何かできることはないか”と、模索していたのもあり一念発起して、ライブハウスの“最初の一歩”と“これから”という視点で、“ライブハウスの中の人”または“ライブハウスの顔”に、筆者のライブハウスでの経験を踏まえて取材をすることにした。 一回目となる今回は、きっかけを作ってくれた2016年10月で10周年を迎える、大阪はアメリカ村に位置する「CLAPPER」の店長を務める福原氏だ。
――10周年おめでとうございます! 今回は僕からいろいろと伺わせて頂きますのでよろしくお願いします。
ライブハウスで働いていた経験が豊富で、仲良くさせてもらっているK兄がインタビューしてくれるのは、やり易くてめちゃくちゃ助かります。ありがとうございます。
――こちらこそありがとうございます。では、まずCLAPPERの福原さんとは?というところから聞いていきたいのですが、音楽業界で働くことになった経緯を聞かせていただけますか?
僕は昔バンドとDJをやっていて、音楽活動をするために仕事をしていたんです。音楽活動を基準にして、コンビニ店員やファーストフード店などの時間の都合が合わせやすくて、給料がいいバイトばかりしていました。
CLAPPER 店長・福原氏
――いつ頃から音楽にまつわる仕事を始めたのですか?
20歳くらいの時に、音楽活動の幅を広げに東京に行ったんです。その時に、音楽が好きだから仕事も音楽にちなんだことがいいなと思って、東京のビンテージシンセショップで働き始めました。当時の僕は、音楽活動をしながら東京に住み続けようとしていたのですが、東京に住み始めてしばらくした時、身内にトラブルがあって諸事情により兵庫県の加古川に引っ越したんです。そこから自分の中で音楽活動というものが一旦リセットされました。
――それは何歳の時ですか?
22歳くらいの時でした。それから少しの間、「これからどうしよう?」「何をしよう?」と考えていたんですが、音楽をやってた時の友達が大阪にいたので、大阪に引っ越しました。それから大阪の友達とよく会うようになって、また音楽を始めたんです。その時は、“音楽活動のペースは前ほど詰めてやらなくていいから、自分のやりたい仕事をやろう!”と思ったんですね。当時僕は、石野卓球や田中フミヤというテクノDJがホームにしていた、今はもう閉店してしまった難波ROCKETSというライブハウスによく遊びにいっていました。当時の難波ROCKETSでは、色んなバンドがライブをしていて、夜はクラブイベントがあってバーではスタッフがお酒呑みながら仕事していて。そんな光景を見て僕は“ライブハウスの仕事ってめちゃくちゃいい仕事だな”って思ったんです。それで難波ROCKETSで働こうと思って面接を受けに行ったら、気に入ってもらえて、そこからライブハウスで仕事をするようになりました。それが25歳くらいの時なので、ライブハウスで働く人としては結構遅咲きだったんですよ。
――その頃のライブハウスでの仕事内容は?
若い人がやるとナメられがちになってしまうという理由もあり、25歳という年齢を活かして社会人の方たちのホールレンタルの担当を任されました。
――珍しいパターンですね。
そうですね。ブッキングに関しては、ブッキングマネージャーの女性がいたので、その人が月曜日から金曜日のライブイベントのブッキングしていました。それとは別で、金曜と土曜と祝日前の夜のクラブイベントのブッキングは僕がしていたんです。その時は、朝10時入りのブッキングイベントで、僕もバンドとコミュニケーションをとったりライブを観たりしながら仕事をしていました。そのイベントが終わると、そのまま自分の組んだクラブイベントを朝までして、終わったら次のライブイベントの準備をして、すでに入り口で待っているお客さんを迎えてライブイベントが始まるという繰り返しだったので、金、土、日曜日は全く寝れず大変でした。しんどかったけど、僕がやるって言って決めた仕事だし、こんなにモチベーション高くやれる仕事って今まで無かったと思ったんです。昔は気に入らないことがあったら、すぐ文句いってやめたりしていたんですけど、ライブハウスの仕事は楽しいのでずっと続けれているんですよね。
CLAPPER 店長・福原氏
――難波ROCKETS から移動してCLAPPERで働くことになった経緯は?
当時、難波ROCKETSにいた上層部の方と噛み合わないことがあったんですよ。色んな話が強引に進む事があって。その当時の状況だと僕がアーティストをブッキングしてイベントを作っても、出演してくれる人たちやお客さんに最高の場所を提供できないと思って、話をしたうえで難波ROCKETSを抜けたんです。
――なるほど。仕事をしていると、色々な葛藤フラストレーションがありますよね。
そうなんです。それで難波ROCKETSを離れてしまい、少しの間ライブハウスとは全く関係ないデザイン事務所などで仕事をしていたんですけど、それくらいから自分でライブハウスをやりたいと思い始めたんです。でも僕はその時期、貯金額が常に0円生活だったので何も出来なくて。だからまず、お金を貸してくれる人を探していたんですが、借りるにしても金利が半端じゃなくて無理だなと思っていたんですね。そんな中、難波ROCKETS時代に僕がやっていたことを評価してくれた人がいて、その人が一緒にライブハウスをやりませんか?という話を僕にしてくれたんですよ。でも、その人と話をしていくと「バンドとか適当にノルマをかけても出てくれるから、ノルマかけて集めたらいいんですよ。そうするとうまいことライブハウスを続けれますよ」みたいな事を笑いながら、その方は言うんですね。僕はそれを聞いて「めちゃくちゃ最低だな」って思ったんです。そういうもんじゃないでしょ?と思ってその話は断ったんですね。そんな出来事もあって、なにか、無理してまでライブハウスを作らなくていいかな?って思っていました。
――その時CLAPPER自体はあったのですか?
いや、無かったですね。ゼロからのスタートでした。さっきの話から少し経ってCLAPPERのオーナーから、大阪でいいバンドやこれからやるバンドを引き上げられる様なライブハウスを作りたいという話をもらったんですね。その時、そういう考えならライブハウスやってもいいかなと思ったんです。でも僕は、キャパやドリンクメニュー、スピーカーシステムはこうしたいです!って色々と細かく提案をして、この内容が通らなかったらやりたく無いくらいの感じでオーナーに話をしたんですよ。わがままとかじゃなくて、そうじゃないとやっていけないというビジョンを僕は描いていたので。結果オーナーにもそのイメージを納得してもらえたので、CLAPPERを立ち上げるということになったのです。それが2006年の10月1日です。
CLAPPER 店長・福原氏
――立ち上げ当初、CLAPPERのスタッフはどの様な体制で営業していたのですか?
僕には、“餅は餅屋”的な考え方があって。当時は深夜にクラブイベントもやっていたので、ライブスタッフとクラブスタッフで働く人を分けていたんです。他のハコでたまにあったのが、ライブスタッフがそのままクラブイベントで死んだ目をしたまま働いている、全然楽しくないけどお金にはなるからバーカウンターに立っています、みたいな顔をしているスタッフがいて。いやいや、そうじゃないだろ!と思って、ライブスタッフとクラブスタッフをバッサリ分けたんですよ。僕は、朝の4時でもバーのスタッフが手を叩いて体揺らしながら楽しんでお酒作っていたり、ライブイベントはいいライブしていたら、スタッフも手あげて盛り上げながら仕事ができるような、そんな風なライブハウスにしたかったんです。ライブイベントもクラブイベントも同じ様に楽しみながら出来る人って少ないんですよね。だから2つに分けたんです。
――CLAPPERを作った当初、こういうハコにしようというイメージありましたか?
CLAPPERはキャパシティが200人なんですが、メジャーにいく手前のアーティストがワンマンもできて、ソールドアウトした時にCLAPPERを埋めたのは凄いって思われる様なキャパのライブハウスにしようと思っていました。それだけじゃなく、ブッキングライブで始めたてのバンドが頑張って友達を呼んで20〜30人でも、テーブルセッティングの仕方で形にはなるよっていう感じのキャパなんですよね。クラブイベントでは、100人前後の人が音に没頭しながらながら踊れるちょうどいいスペースということを考えてこのキャパなんです。ライブは音楽シーンの底上げができて、クラブは世界で活躍するレベルのDJが丁度いいくらいの空間でプレイできるっていう場所にしたくて。
――なるほど。CLAPPERというカラーやブランド感をしっかり保ったプランニングをされていたわけですが、そういったことも含め順調に進んでいったのですか?
いや、なかなか進まなかったですね。スケジュールの部分で、クラブイベントは結構順調に進んでいったのですが、ライブイベントはなかなか大変でした。CLAPPERではどんなブッキングイベントを組んでもらえるのか?という情報が全く無いところから始まったし、すでに他のライブハウスにお世話になってるバンドも多かったので。
――では、軌道に乗り始めたのはいつ頃ですか?
立ち上げて4年目くらいには、ライブイベントが月20日、クラブイベントは金・土・祝前日は全部入って、ライブイベントとクラブイベント合わせて月40本くらい入っていたんですよ。でも実は、その後から今に至るまでに何回かリセットしているんですよね。
――リセットとは?
ライブもクラブもいい感じに稼働していってるなと思っていたんですけど、6年前にCLAPPERで火事が起きたんです。その火事があって、決まっていたイベントがCLAPPERで開催できなくなり、今後の復活の目処も立たずブッキングもできなくて。それで、閉めようかという話も出たんですが、当時のスタッフとバンドやクラブのDJたちが、「またやりましょうよ!」って言ってくれたんですね。それで“うん! せや! やろうっ!”って思って、みんなで一緒にその熱意をオーナーに伝えたら、オーナーも納得してくれて、「よし、やろう」って言ってくれたんですね。それで、また同じ場所で復活することができたんです。
――懐かしいですね。その話は僕らの周りでも心配する声をよく聞きました。
復活当初は、火事が起きてから復活するまでの間に出演できなかったバンドに出演してもらったりしていたのですが、それ以降は、なにもイベントが決まっていない状態だったんです。しかも、ちょうどその時くらいに風営法でクラブイベントも出来なくなったんですよ。そんな出来事が重なり、クラブイベントもできずライブイベントも埋まらなくて、どうしよう……と思っていたのですが、今までのクラッパーに出演してくれたバンドやイベンターさんが協力して力を貸してくれて、ありがたいことにスケジュールが埋まる様になってきたんです。そうなるまでにあの火事から4年くらいかかりました。それまでは、ずっと来月のスケジュールどうしよう……ってなっていましたね。
――1ヶ月先のスケジュールが決まっていないっていうのは結構焦りますよね。そこからは問題なく進んでいったのですか?
いえ、また一旦止まってしまう出来事があったんです。2年前に10月の周年イベントを組んでいて、その頃くらいから身体の調子が悪いなって感じたんですね。それで病院に検査に行ったら病気が判明して、それから入院や手術をしていたんですよ。その時、僕はもうダメだ……と思っていたので、スタッフ達に周年イベントを任せるつもりだったんです。でも、スタッフが「福原さんが帰ってくるつもりで進めますので、絶対に帰ってきてください。待っています!」と言ってくれたんです。そして今年の5月にはやっと現場に少しずつ戻ることができるようになって、今年の10周年イベントの制作も僕が携わることができました。
CLAPPER 店長・福原氏
――あの時は本当にびっくりしました。ライブハウスは超不規則な生活なので、自分の身にも置き換えて考えたりもしましたし。でも本当に良かったです。 そして、今年の周年イベントについてですが、今年の出演者はどんな繋がりがあったのでしょうか?
10月1日(土)出演のMOROHAですが、最初の出会いは、アメリカ村を歩いていたら、チプルソという仲の良いアーティストの子が坊主で背の高い人と喋っていて、その友人が僕に「MOROHAのアフロ君っていうんですよ。」って紹介してくれたんですね。そこから色々立ち話をして、「よろしくね。じゃあ呑むか!」って、そのままコンビニでお酒買って乾杯して(笑)。それから仲良くなって、店にポスターを送ってきてくれたりしてたんです。僕はそういった繋がりを大事にしたいと思っていて、ある日CLAPPERのイベントに誘ったらMOROHAが出演してくれたんですね。そういった縁もあり、“10周年イベントといえば誰だろう”と思った時に、彼らに出演してほしいと思ったんです。それでMOROHAに出演してほしい候補の日程をいくつか提案した中で、1日(土)がいいですねって話になって10周年イベントの初日に出演が決まりました。この日は、2マンライブなんですが、もう1バンドのLOSTAGEは今回が初めてのCLAPPER出演で、バンドは知っていましたが面識は無かったんです。でも、MOROHAがずっと一緒にやりたいと言っていたので、LOSTAGEというバンドのカッコ良さと、それを叶えたかったというのも両方あって色んな人の協力のもと、直接オファーしに行ったら快く出演を決めてくれたんです。10周年という節目の初日は11年目の始まりでもあるので、そういう記念すべき日をこのツーマンで迎えれるのは嬉しいですね。最高な11年目のスタートが切れるイベントができてよかったです。
――ブッキングとして、“今まで”と“これから”がきれいにハマったすごく綺麗なイベントですね。
全く縁が無いイベントが初日になるっていうことにはしたくなかったので、そういった部分では嬉しいですね。今回の10周年イベントは絶対間違いないイベントになっていると思います。10月7日(金)に関しては、K兄もよくご存知の心斎橋VARONで働いていたYOSHIOとの共同企画するんですけど、彼とは、クラブミュージックシーンとラウドロックシーンへの価値観や考え方がすごく近かったんです。そんなことを色々話しているうちに、人間的にも音楽的にも気があう部分がたくさんあったので、ずっと一緒にイベントをやろう!って話をしてたんですよ。それで、この10周年というタイミングで共同イベントをすることになりました。それからどんなイベントにしようかとお互いにアイデアを出しあって、ローホー君やmonogotz a.k.a NMDBとかTHE GAME SHOPとかも、以前CLAPPER出てくれたこともあるし、DJ BAKU君ともお互い繋がりがみえるから、そこも組み合わせるとおもしろいなっていう感じで2人で内容を決めていきました。この日の出演者は、オーバーグラウンドやアンダーグラウンド関係なく活動していて、シーンの丁度いいブレンド感がある日ですね。
CLAPPER 店長・福原氏
――彼とは僕がDROPで働いていた頃一緒に切磋琢磨していた仲だったので、辞めて今もなお繋がってくれてるのは俺からしても嬉しいですね。色々な困難もありつつ、またこうして無事10周年イベントを開催することができて本当によかったと思います。では最後に、今後また新たに15年、20年と続けていくと思うのですが、今後の自分のやりたいことなどのビジョンがあれば聞かせてもらえますか?
僕が病気になった時、思い返すとバンドの押し上げがまだ全然できてないな、と思ったんですね。それで、レーベルをしてバンドの押し上げをするというアイデアもあったんですが、やっぱりレーベルは僕には向いてないなと思ったんです。僕は現場が好きだから常に音楽の現場にいたいんですよね。そこから色々現場で出来る事を考えていて。例えば大阪以外のアーティストでも、いいライブやってるのに大阪のライブイベントにどうやって出演したらいいのかわからないバンドに、僕が直接会いに行ってライブを観てCLAPPERに呼ぶことができればいいなと思っていたり。また、そういったバンドを大阪のバンドとつなげようと思っていたり。そう考えてたら自分のハコは好きなのですが、結局自分のハコにいるばかりで、他の現場に全然出れてないなと思ったので、行動力をもっとつけようと思っています。そうやって行動範囲を広げて視野を広く持つことで、また新しい繋がりも作れると思いますし、大阪のバンド達にも地方のハコへも連れていけて、活動に広がりをもたせることが出来ると思うんです。そういうことをやっていきたいですね。あとはいつかフェスをやりたいとは思っています。出来ないかもしれないですが、それに向かって活動していく事で、その目標には限りなく近づけていけると思うんですよ。そこに向けても動いていきたいと思っています。
――身体が資本。やりたいことの為にも、みんなのためにも無理せず、引き続き頑張ってください。集大成でもあり門出でもある10周年イベントを楽しみにしてます。
インタビュー・撮影=K兄 文=けんじろ~
MOROHA × LOSTAGE 2MAN SHOW!!
日時:10月1日(土)
会場:アメリカ村CLAPPER
時間:OPEN/19:00 START/19:30
料金:前売¥3,000- (1D別)
出演者:
■MOROHA・LOSTAGE
日時:10月7日(金)
会場:アメリカ村CLAPPER
時間:OPEN/17:30 START/18:30
料金:前売¥2,000-(1D別)
出演者:
■GUEST DJ
DJ BAKU・チプルソ・ローホー・裸絵札
JUMERO (from Malaysia)・FIVE NO RISK・IRIE BOYS・ネム・THE GAME SHOP・Velvet&Vice
YANMAH (TRIPPIN FACTORY)・monogotz a.k.a NMDB・DJ LOW-GUY (アニメイズオオサカ / LOW-GUY SYNDICATE)・DIY5・カラメッラ (VARON)・KASSY (N.S.O)