野田洋次郎、「君の名は。」の主題歌は新海に触発「攻め切ってやろう!」

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2016.10.28
左から新海誠、野田洋次郎、Japan Now部門のプログラミングアドバイザー・安藤紘平。

左から新海誠、野田洋次郎、Japan Now部門のプログラミングアドバイザー・安藤紘平。

第29回東京国際映画祭のJapan Now部門出品作「君の名は。」が、本日10月27日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映され、本作の音楽を担当したRADWIMPSの野田洋次郎と監督の新海誠が登壇した。

現在公開中の映画「君の名は。」は、夢の中で中身が入れ替わる少年と少女の恋を描いた長編アニメーション作品。「前前前世」を含む本作の主題歌4曲と劇伴を手がけたRADWIMPSについて新海は「音楽だけでなく、キャラクターの言葉やモノローグは洋次郎さんに任せてしまえばいいんだと思っていました。キャラクターに言わせたい気持ちってたくさんあるけど、伝わりにくいから詩のような言葉にする必要がある。そこに関しては歌ってくれるだろうと思っていたし、もっと言うと(映画の)タイトルになる言葉も洋次郎さんの歌詞の中にあるんじゃないかと思っていた」と全幅の信頼を寄せたことを明かす。

この言葉に対し野田は「言葉の伴わない音楽を主眼に置いていました」と切り出し、「言葉が映画を邪魔してしまうんじゃないかと思いつつ、監督の意志を感じました。だから『前前前世』とかは『攻め切ってやろう!』という思いにしていただけたので励みになりました」とコメント。さらに「気持ちとしてはインストゥルメンタルの曲をやってるときのほうが楽しかったです」と心情を吐露し、新海を笑わせる場面もあった。

またこの映画について「大盛りで受け止めきれないくらいの映画にしたかった」と語った新海。彼から「だからボーカル曲も4曲あったり。音楽側にも過剰な要求がいっていたかもしれませんが……どうでしたか?」と尋ねられた野田は、「この映画からあふれ出るようなものは(制作が始まった)2年前の時点で監督から伝わってきていました。“諦めなさ”は普通の人間ではない感じ。音楽も背景も人物も声も、ひょうひょうとしながらすべての部分において諦めない。それが全部出ている映画だと思います」と賞賛した。「諦めないのは洋次郎さんも同じ。OKと言ってもやり続ける」と言い返す新海に、野田は「監督に触発されてしまいました。一緒に作っているんだという意識を持たせてくれたので余計に、監督がOKを出しても、その先に光が見えたらこっちも下がらずに行けました」と感謝を示した。

音楽ナタリー
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