シンリズム、パノパナ、PELICAN FANCLUB、ぼくりり 初共演目前、注目のニューカマー4組が座談会を決行

2016.11.4
インタビュー
音楽

『SPACE SHOWER NEW FORCE』座談会 撮影=風間大洋

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スペースシャワーが、ネクストブレイク濃厚なニューカマーをピックアップし紹介するショーケースライブ『SPACE SHOWER NEW FORCE』。11月11日にはその「vol.2」としてシンリズム、パノラマパナマタウン、PELICAN FANCLUB、ぼくのりりっくのぼうよみという4組が渋谷WWW Xに集う。SPICEではその開催を控えた10月某日、出演の4組(バンド2組からはそれぞれのフロントマン)に集まってもらい、座談会を行った。10代〜20代前半の若手ミュージシャンであるという共通項以外、バンド/ソロという活動形態も違えば音楽的嗜好やジャンルも異なる彼らだが、日々の活動で思う事や気になっている事、お互いの印象、さらには早くも打ち上げの話題まで、たっぷりと語り合ってくれた。「すでに彼らに注目しているよ」という早耳のリスナーはもちろん、初めて彼らのことを知ったという方にも、ぜひ読んでほしい。そして2016年にシーンの最前線で鳴らされている音に、触れてみてほしい。

──4人が集まるのは今日が初めてということですけど、それぞれで面識があったりします?

岩渕想太:PELICAN FANCLUBとは対バンさせてもらったことがありますね。

エンドウアンリ:その打ち上げのときに岩渕くんが話しかけにきてくれて、「友達いないよね」っていう話をして……今日です(一同笑)。

シンリズム:僕は『VIVA LA ROCK』に出させていただいたときに……あの、(名前の呼び方は)ぼくりりくんでいいの?

ぼくのりりっくのぼうよみ(以下、ぼくりり):あ、なんでも!

シンリズム:ぼくりりくんをお見かけしたんですけど、そのときは挨拶できなくて、今日初めてお話させてもらってます。

ぼくりり:僕も挨拶できなかった……!みたいな感じでした。

──取材前に行なった撮影で、ちょっと打ち解けてきた空気もありましたが。

岩渕:あと3時間ぐらいあればもうちょっと話せるようになりそうですね(笑)。

──せっかくなのでその距離を縮めていこうかなと思うんですが、まずはお互いの印象についてお聞きしていこうかなと。みなさんは、ぼくりりさんに対しての印象ってどんなものがありますか?

ぼくりり:(小声で)こわい……緊張する。

エンドウ:噂は聞いてたんですけど、初めて知ったのは『閃光ライオット』のときかな。視聴サイトみたいなところで曲を聴いたんですけど、そのなかで一番好きだったんですよ。

ぼくりり:ありがとうございます。

エンドウ:で、後日いろいろ聞いたら「すごい賢いらしいよ?」って。そこから僕のなかでは「賢い人」ですね。

ぼくりり:やばい。

岩渕:MVも自分でやったりしてますよね?

ぼくりり:ちょっとだけ。

岩渕:そのメッセージ性とかを見ていると、賢い人なんだろうなぁって。でも、Twitterとかを見ると「ウケる」とか言ってるから、どっちが本質なんだろうなって(笑)。

シンリズム:僕は同い年というのもあって、「ぼくのりりっくのぼうよみくんって知ってる?」っていうお話を、いろんな方から聞いてたんですよ。それで音源を聴いたら、ぼくりりくんが書いてる歌詞とかテーマって、僕では絶対に書けない内容で。それに、ラップだから言葉数がすごく多くなるわけじゃないですか。その歌詞を読んでも、こういうことが言いたいっていうすべてがハッキリとはわかるわけではないですけど、これはぼくりりくんにしか書けない、すごいなって思いました。

──みなさんがお話をされている間、ぼくりりさん、ずっとソワソワされてましたけど(笑)。

ぼくりり:いや、一言でパッパッパッって言ってく感じかなと思ってたら、すごい色々……ありがとうございます!

──ぼくりりさんはシンリズムさんに対してどういう印象がありますか?

ぼくりり:「楽器がたくさん弾ける」っていう情報を目にして、うらやましいなって。僕、一個もできないんですよ。何種類か自分で演奏できて、レコーディングもしてるんですよね?

シンリズム:そうですね。デモを作るときは家で弾いてるんですけど、スタジオでレコーディングするときは、やっぱり時間の問題があるじゃないですか。なので、自分でやって時間がかかるものはサポートの方にデモに近いものをお願いして、自分でできるものは比較的自分でやってます。僕の場合は作詞をするときに、メロディーに対して歌詞を乗せて行くんですけど、ぼくりりくんの場合は?

ぼくりり:同時ですね。

シンリズム:あぁ。僕、それをやったことないんですよ。

ぼくりり:時間がかかるんでやめたほうがいいです! あんまりメリットがないので(笑)。

シンリズム 撮影=風間大洋

──岩渕さんはシンリズムさんに対してどんな印象がありますか?

岩渕:僕、神戸在住で、(シンリズムは)ずっと神戸にいらっしゃったじゃないですか。

シンリズム:そうですね。今はこっち(東京)に出てきてますけど。

岩渕:それで人づてに話を結構聞いていて。音源も聴いたんですけど、僕より歳が下とは思えないぐらい緻密で、本当に音楽が組み上げられている感じがして。僕も周りからは若いとは言われていたけど、自分より若い人がこんな音楽やってるんだと思ったら、がんばんなきゃなって。

エンドウ:シンリズムさんは、曲がったことが嫌いなんだろうなぁって。

ぼくりり:あぁ。わかる。

エンドウ:だからこそ、持っている軸みたいなものがあるんだろうなぁって。あと、アーティスト写真を見たり曲を聴いたりして、賢そうだなって。CDが後ろにばーっと並んでる写真あるじゃないですか。なんか、音楽に埋もれている感じがするというか。そういうイメージが強かったです。

──岩渕さんは、PELICAN FANCLUBに対してどんな印象があります? 対バンもされているわけですけど。

岩渕:僕、元々PELICAN FANCLUBが好きで、対バンのときもPELICAN FANCLUBが出るなら出る!っていうぐらいだったんですよ。だから、話しかけに行ったときも、「好きです! 音源聴いてください!」みたいな感じだったんですけど(笑)。でも、なんかこう、狂気があるなって。音楽的にもそうだし、話していてもちょっとどこか怖いことを考えているというか。

エンドウ:いやいやいやいや(苦笑)。

──本人的にはあまり自覚はなく?

エンドウ:言われて気づく感じです。ただ、何かに対しての恨みを晴らすような気持ちでやってきたので、それが音楽に繋がってるんじゃない?って以前言われたことはありますね。

ぼくりり:MVを観させていただいたんですけど、そのときは映像の感じもあいまって、優しそうな印象があったんですけど。でも、今の話とか、実際にお話ししてみると、なんか虚空を見つめている感じがしますよね。

シンリズム:僕もぼくりりくんと同じで、MVを観させていただいた感じだと、狂気性というよりは爽やかな楽曲のイメージがありましたね。でも、ちょっとお話させてもらったりとか、僕の感想を話していただいたときの言葉が、ちょっと人とは違っている独自の感じがあったので、自分の世界がしっかりある方なのかなって思いました。

エンドウ:ありがとうございます(笑)。

──これ、照れますよね。エンドウさんが思うパノラマパナマタウンの印象というと?

エンドウ:僕らも車のなかで曲をかけるぐらいすごい好きで、よく聴いてたりするんですけど。まぁ、人間的な面でいうと、暗いですね。暗いなぁって。

岩渕:バレてる(笑)。

エンドウ:でも、音楽に説得力がすごくあったので、僕はこの人達と今後一緒にやっていきたいなって思って。そこから僕は勝手にシンパシーを感じてますね。もし、街ですれ違ったら話かけようって思うぐらいになってます。

シンリズム:僕は、音源を聴いたときに、なんとなくニューウェーブなサウンドのイメージがあって。あと、「SHINKAICHI」っていう曲があったり、MVにも三宮とか須磨の海が出てきて、ここ知ってる!っていう(笑)。そうやって地元のいたときのことを思い出したりしたことをお伝えしたんですけど、神戸出身の方かと思ったら福岡なんですよね。

岩渕:そうなんですよ。期待を裏切る形になってしまって(苦笑)。神戸にはもう4年ぐらい住んでるんですけど、愛着がすごい出てきていて……なんか、神戸って側面が2つあるんですよ。ハイセンスで上品な感じと、下町みたいな感じと。で、さっきシンリズムさんと話してたら、住んでいたところが下町のど真ん中みたいなところなんですね。

シンリズム:そうなんです。楽曲的には、周りから渋谷系とかその括りで言われたりすることはあるんですけど、ハイセンスな辺りに住んでいたわけではないんですよ。

岩渕:だからすごく乖離してるなと思って。あの都会的なニュアンスってどこから来てるのかなっていうのが気になりました。

シンリズム:僕もあんまり把握できてないんですよ。でも、遊びに行くときは三宮とかにまで出てたんで、そういうのもあるのかなって思います。

ぼくりり:(岩渕は)MVを観たときに、顔が超かっこいい!って思って。めっちゃモテるんだろうなぁって勝手にうらやましがってました(一同笑)。

岩渕:さっきからそんなんばっかなんですよ(笑)。全員で写真を撮るときも、身長の差があるから自分だけ「前に出たい!」って言い出して。

ぼくりり:ちょっと自分をよく見せていこう!と思って(一同笑)。仕事だからがんばんなきゃなって。

パノラマパナマタウン・岩渕想太 撮影=風間大洋

──今回はソロで活動をしている2人と、バンドで活動している2人が集まっているわけですが、ソロへの憧れ/バンドへの憧れってありますか?

ぼくりり:僕、ライブが終わった後に、バンドの人達がみんなでご飯に行ったりするのがうらやましいんですよ。僕はひとりで家に帰るだけだしな……って。そういうのありますよね?

シンリズム:あります(笑)。「あれ?」みたいな。打ち上げがある日もあるんですけど、無い日はやっぱり虚しくなるというか。

ぼくりり:超良いライブができた! 解散!っていう感じなんで。この胸にぽっかりと空いた穴はどうすればいいんだ……みたいな(一同笑)。

シンリズム:バンドだったら、終わった後にここのお店に行くっていうのをみんな決めて打ち上げするっていうのが、僕の予想ではあるんですけど。

ぼくりり:わかんないですもんね?(笑) そういうのしたことないから。

シンリズム:あと、楽曲を作るときも、みんなで話し合って考えたりするのが……。

ぼくりり:楽しそう……。

シンリズム:そう、楽しそうなイメージがありますね。

ぼくりり:ひとりでやってるとつらくなりません?

シンリズム:なります、なります(笑)。

ぼくりり:「なんでこんなことしてんのかなぁ」みたいな。完成したときは嬉しいんですけど。

岩渕:でも、ソロでやってる人って、自分の信念とか作りたい音楽に他の要素を混じらせたくないから、ひとりでやってるのかなっていう勝手な想像が、僕にはあるんですけど。

ぼくりり:僕は一緒にやる友達がいなくてこうなったところもあるんで……だからまぁ……。

岩渕:悲しい話になってきた(苦笑)。

エンドウ:僕はソロって単純に憧れるんですよ。一時期やってたりもしたんですけど、本当に自由に、自分の思ったままに音楽を作れるのはいいなって。バンドってやっぱり楽しいだけじゃないし、何かを形にするのは、僕としてはバンドよりもソロのほうが楽しいと思います。打ち上げは別ですけど(一同笑)。

ぼくりり:超うらやましい!

岩渕:うん。打ち上げはむっちゃ楽しい。

──じゃあ、今回のライブ後には是非みなさんで打ち上げを。

エンドウ:……いろいろ教えてあげますよ?(一同爆笑)

──せっかくなので、音楽活動の中で気になることや、この機会にちょっと聞いてみたいことってありますか?

岩渕:ポップなものを作ることと、自分の趣味を突き詰めたものも作ることのバランスってすごく難しいし、ぶちあたる課題としてあるじゃないですか。ぼくりりくんは、なんか、俺はこれです!っていうか、迎合していない感じがあるけど、そこのバランスってどう考えてるんだろうなっていうのが気になって。

ぼくりり:アルバムでもシングルでも、1枚単位でバランスをとることが多いですね。基本的には自分がやりたいことを全部やってるんですけど、その中で濃度の上げ下げをするというか。カルピスの原液をどれぐらい入れるのか、みたいな感じでやってます。なんか答えになってない気がする……まぁ、はい。

岩渕:あ、「はい」で全部まとめる感じ?(一同笑)

ぼくりり:でもなんか、決まった黄金比というか、これが正解だっていうのがあるわけじゃなくて。そこは3:1でも、2:2でも、0:1でもいいと思うんですけど。それを最初に決めてから作りますね。これぐらいのヘヴィさにしよう、みたいな。

岩渕:僕らもアルバムごとに考えてたんですよ。どれぐらいの濃さにしようみたいなのは。

シンリズム:僕はあとから全体を考えるパターンですね。何曲か作ってから、これが全部アルバムに入ると想定して、ここまで連続で重い曲が続くと疲れるから、ここでちょっと箸休め的なものを入れようかなとか。できた曲から全体を考えていくことが多いです。

エンドウ:僕らは先にテーマを決めるときもあるし、何も考えないで自分達のやりたいことをやったものを集めるときもあって。ただ、歌詞の世界観はその1枚で統一してます。自分が何を思っているのか伝えることを一番大事にしているので、根本的に濃度とかはあんまり考えてないかもしれないですね。

PELICAN FANCLUB・エンドウアンリ 撮影=風間大洋

──それぞれ違っておもしろいですね。

エンドウ:僕はソロの2人に聞きたいんですけど、友達っています?

シンリズム:それ、僕も聞きたかったです(笑)。僕、大学にはそんなにいないんですよ。自分と同じ授業を受ける子達と何人かでっていうのはあるんですけど。

エンドウ:音楽の場合だと?

シンリズム:音楽だと、制作に関わってくださった方のライブに観に行かせていただいたりとか、そういうのはあるんですけど。

エンドウ:なるほどなぁ。(ぼくりりは)どうですか?

ぼくりり:僕はあんまりそういうのなくて。デビューしてから友達ができたとかは全然です。でも、僕はインターネットで音楽をやっていたので、そのころの根暗友達はいますよ。

エンドウ:根暗って(笑)。

岩渕:わざわざそんな(笑)。

ぼくりり:でも、地域とかいろいろバラバラなんで、直接会うことはそんなにないですね。会ったことのある人もいますけど。

エンドウ:なんか、そこで世代をちょっと感じちゃうんですよね。5コぐらい違うのかな。僕はインターネットを使うのに抵抗があるんですよ。だから、そこが自分にとってはすごく不思議な感覚で。

ぼくりり:年代というか、育ってきた文化圏の違いかもしれないです。僕、中1でバスケ部に入ったんですけど、1日でやめて、家に帰ったら速攻でインターネットをする日々を送っていたので。だから、僕がたとえば軽音部とかに入っていたりしたら……

エンドウ:バンドをやってた?

ぼくりり:そうですね。「インターネットはちょっと……」って言ってたかもしれないです。

シンリズム:僕は、中学は吹奏楽部に入っていて、卒業する前から楽曲を作り始めたんですよ。高校は部活に入ってなかったんですけど、自分の曲を発表するとなったら、ライブでやるとすると弾き語りになってしまうし、今の時代だったらネットにあげたほうが、もしかしたら誰かが聴いてくれるかもしれないなと思って。

岩渕:僕も中高のときからインターネットは使ってましたけど……

ぼくりり:あれ、バンドをしている(笑)。

岩渕:でも、大学まで音楽をやったことなかったんですよ。

エンドウ:そうなんだ?

岩渕:高校は帰宅部だったし。インターネットは使っていたけど、そこで音楽をしようとか、知り合おうとかまでは思わなかったです。

ぼくりり:僕は、インターネットで音楽をするコミュニティがあって、たまたまそこに辿り着いたっていう感じなんですよ。

岩渕:なるほどなぁ。そういうのを見つけていたらもうちょっと変わってたかも。

エンドウ:うん。確かに。見つけてたら僕もここにいなかったかも。

──ぼくりりさんは3人に聞いてみたいことってあります?

ぼくりり:締切とかあるじゃないですか。頭がおかしくなりそうになりません? 僕は結構なるんですけど。

エンドウ:僕もおかしくなりそうになって、作り終わったらボロボロに泣きます。

ぼくりり:泣く!?

エンドウ:なんかこう、身体からいろんなものが出ていくっていうか。それぐらい苦しかったんだなってそのときに思います。

──録り終わった瞬間にくるんですか?

エンドウ:瞬間ではなくて、終わってから徐々に……っていう感じですね。たとえば、メンバーとご飯を食べているときとかに泣いちゃったりとか。ふと実感した瞬間にブワーって。

岩渕:僕は締切が近くなったら敢えて楽観視しますね。納期を怖れちゃって神経質になりすぎると、遊びとか面白さがなくなっちゃうので。そういうときは4人でセッションしたり、メンバーから出てくるアイデアを自由に膨らませたり。そこはソロとバンドの違いとしてあるところかも。

ぼくりり:たしかに。

岩渕:でも、もし僕がシンガソングライターで、ここが納期ですって言われたら、それこそ本当におかしくなりそうだし(笑)、そこまで楽観視できないと思う。

シンリズム:僕の場合は先に曲を書くので、歌詞を考えているときに時間がない!って焦ることが多いんですけど、歌詞って頭を柔らかくしないと出てこない気がするんですよ。だからそういうときは、作業の手は休めずに、頭のなかを「まず納期なんて無かったんだ」って、ちょっと忘れている状態にすると書けることが多いですね。

ぼくりり:ほぉ……なるほど!

シンリズム:でも、ひとりでやってるとやっぱり考え込んじゃいますよね。

ぼくりり:飲み込まれていく感じしますよね。悪い方に考えて行きがちというか。そういう意味でも、バンドっていいなって思います。自分のいろんな感情とか、バンドが置かれている状況をみんなでフラットに共有できるから。

ぼくのりりっくのぼうよみ 撮影=風間大洋

──シンリズムさんはいかがですか? 3人に聞いてみたいこと。

シンリズム:楽曲の作り方。僕は先に楽曲を作るんですけど、みなさんの場合はどうですか? ぼくりりくんみたいに同時で作ったり、また他に別の作り方があるのかなっていうのが気になるんですけど。

ぼくりり:僕はトラックをいただいたら、それをパソコンに入れて繰り返し聴いて。そのときはテーマが決まってたり、決まってなかったりするんですけど、決まってるときは、一行だけそれっぽいのをテキトーにポンって書いて、それにメロディーをあわせて歌ってみて。で、メロディーが引っ張られて出てきたら、またそれにあわせて書いたりとか。それが小節の終わりだったら、また次のフレーズを歌いながらボーっとテキトーに、ワーっと書いて……やばい、擬音が多くなってきた……(一同笑)。

シンリズム:ここの小節を仕上げて次、みたいな?

ぼくりり:一行、二行みたいな書き方ですね。でも、使いたいフレーズの優先度みたいなのはあるんですよ。これはめっちゃ言いたい!っていうのと、まぁそうでもないっていうのと。そのめっちゃ言いたい!を集中させると重くなっちゃうから、そこはバラけさせたりします。

エンドウ:僕らは、語感とかリズムを大事にしたいときはメロに歌詞を乗せるんですけど、歌詞を聞かせたい曲は歌詞にメロを乗せますね。そういう曲のときは、それこそぼくりりくんが言ったみたいに、まず会心の一行を書くんですよ。そのために他を書いていくというか。

シンリズム:その一行に繋がるように?

エンドウ:そうです。日記みたいな感じでいつも書くんですけど、普段過ごしていてこういうことがあって、そのときに一番強く思ったことをドン!って言う感じにしてますね。

岩渕:僕はこういう曲にしたいっていうストックと、これを歌いたいっていうテーマとか歌詞のストックが、それぞれ別であるんですよ。だから、先にバンドで曲を作って、最後まで完成させちゃうんです。そのときに見えた曲の雰囲気に対して、歌詞とかテーマのストックの中から一番近いものを引っ張ってきて。

エンドウ:僕もリズムにあわせようとしたときはそれと全く一緒。

岩渕:で、その一番言いたいことを、曲のどこに置こうかなって考えて、決めたうえで全体の歌詞を書きますね。

──あと5、6時間ぐらいお話を聞いていたいところですが、そろそろお時間ということで。当日のライブはこの4組が揃うことがまず珍しいですし、出演者にとってもお互いにすごく刺激を受けるでしょうね。それに、終わったらみなさんには楽しい打ち上げが待っているでしょうし(笑)。

岩渕:なんか、打ち上げのハードルだけがひたすらあがり続けている感じがしますけど(一同笑)。

──でもほら、楽しみがあるとがんばれるじゃないですか。

ぼくりり:たしかに!

シンリズム:よろしくお願いします(笑)。

エンドウ:楽しませますよ。僕と岩渕くんで。

岩渕:そうですね(笑)。

ぼくりり:ワクワクがすごい……!

エンドウ:でもまだ2人(ぼくりりとシンリズム)はティーンですよね?

シンリズム:そうです。

エンドウ:ティーンでも楽しめるものにしなきゃ。

ぼくりり:すげえ期待してます!

岩渕:なんかもうパレードぐらいやんなきゃいけない感じが……(一同笑)。


取材・文=山口哲生 撮影=風間大洋

SPACE SHOWER NEW FORCE』座談会 撮影=風間大洋

イベント情報
『SPACE SHOWER NEW FORCE vol.2』

【開催日時】 11月11日(金)18:00開場 / 19:00開演
【開催場所】 Shibuya WWW X (http://www-shibuya.jp
【料金】 ¥3,300(税込/ドリンク代別)
【出演アーティスト】
シンリズム、パノラマパナマタウン、PELICAN FANCLUB、ぼくのりりっくのぼうよみ

 

 

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