「名古屋四季劇場」オープン&『リトルマーメイド』が開幕
『リトルマーメイド』舞台写真 ©Disney 撮影:堀 勝志古
舞台がより近く、見やすくなった新劇場が名古屋待望の作品オープン!
今年8月、17年の歴史に幕を閉じた「新名古屋ミュージカル劇場」に代わり、劇団四季の新たな拠点として名古屋の玄関口・名駅南エリアに誕生した「名古屋四季劇場」。そのオープニング作品『リトルマーメイド』が10月16日(日)に開幕した。
『リトルマーメイド』舞台写真 ©Disney 撮影:荒井健
アンデルセンの「人魚姫」とは異なり、地上の世界に憧れる人魚姫アリエルと人間の王子エリックの恋をハッピーエンドで描いたディズニーのアニメーション映画『リトルマーメイド』。未知の世界へ勇気を持って進んでいく主人公アリエルは、数あるディズニープリンセスの中でも高い人気を誇るキャラクターだ。
本作は、2008年にディズニーが舞台化しブロードウェイで初演。2012年にはオランダで演出・美術・振付等を一新した〈ヨーロッパ版〉が発表され、四季ではこの〈ヨーロッパ版〉をもとに、劇団四季とディズニーの“新次元ミュージカル”として2013年4月に開幕。今も上演が続く「四季劇場[夏]」では、約130万人を動員している。
演出にグレン・カサール、振付にジョン・マッキネス、装置と衣裳デザインにボブ・クローリーを起用した最新の〈ヨーロッパ版〉は、アリエルたちが暮らす神秘的な海の世界がよりシアトリカルに表現されている。今回の四季公演では、舞台全体のビジュアル面をより印象深くするべく、ディズニーと四季技術チームスタッフが協調して行い、俳優たちの稽古も外国演出スタッフ陣の主導で緻密に進行。それによって、さらに進化を遂げたものになっているのだ。
実際に舞台を観てまず驚かされるのは、最新のフライング技術を駆使した人魚のしなやかな動きだ。尾びれをイメージした軽やかで美しいシルクの衣裳や、本当に海の中を泳いでいるように見える色とりどりの魚たち、また役者自身も常に微かに揺らめいているなど、リアルかつファンタジックに表現された海底世界にたちまち魅了されてしまう。
愛らしいアリエルと王子の恋の行方はもちろん、海の魔女アースラの迫力あるシーンや、地上世界でのコミカルな展開など見どころが尽きず、一度聴いたら忘れられない軽快なナンバー「アンダー・ザ・シー」をはじめ、アラン・メンケン(作曲)とハワード・アッシュマン(作詞)によるオリジナル楽曲の数々がそれぞれの場面を盛り上げ、あっという間に終幕へ。オープニングキャストとしてアリエル役を演じた松元恵美からは、こんなコメントが届いている。
名古屋は出身地であり、初舞台を踏んだ土地なので、特別な想いがあります。この記念すべき「名古屋四季劇場」こけら落とし公演『リトルマーメイド』で地元に戻ってくることができて、とても幸せです。
アリエルは、その好奇心と勇気で自らの運命を切り開いていく、とても魅力的な女性です。アリエルのように自分の可能性を信じ、作品の感動をしっかりお届けできるよう、精いっぱい演じたいと思います。
『リトルマーメイド』舞台写真 ©Disney 撮影:荒井健
そんな作品世界を間近な距離感で鑑賞できる「名古屋四季劇場」は、劇団四季がこれまで培ってきた上質な舞台のためのノウハウを存分に生かして建設。制作規模が大型化している海外の新作ミュージカルにも柔軟に対応できる構造のため、今後の上演作品にも期待が高まる。
2階席から見た舞台の様子 撮影:堀 勝志古
既存の四季専用劇場と同様、「舞台と客席に一体感がある、濃密な空間」をコンセプトとした客席は2階層で、収容人数は最大1200席。極力舞台へ近づくよう1階席の中央部近くまでせり出した2階席は、最前列から舞台まで13.5mという近さだ。また、傾斜もつけることで観やすさを重視している。『リトルマーメイド』はフライングによって舞台上方の空間も活かした作品だけに、水中を漂うアリエル達と同じ目線で鑑賞できる2階席と、水面へと泳いでいく躍動感ある姿が見られる1階席の両方の目線で楽しんでみよう。
2階席から見た舞台の様子 撮影:堀 勝志古
■日程:2016年10月16日(日)~ロングラン上演中 ※2017年6月30日(金)公演分まで発売中
■会場:名古屋四季劇場(名古屋市中村区名駅2-11-11)
■料金:一般/S席10,800円、A席8,640円、B席6,480円、C席3,240円 ファミリーゾーン/S席子ども5,400円、A席子ども4,320円 ※全て税込。子ども=公演当日3歳以上、小学校6年生以下
■アクセス:名古屋駅から南へ徒歩約13分
■問い合わせ:劇団四季 名古屋オフィス 052-589-8758
■公式サイト:https://www.shiki.jp