ロベルト・ホル(バスバリトン) 「シューベルトの“魔法の世界”を現出させる」

2016.11.13
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クラシック

ロベルト・ホル(バスバリトン)


 現代を代表するバスバリトンとして、バイロイト音楽祭をはじめ檜舞台で大活躍する一方、特にシューベルトにおける繊細さとドラマ性を兼ね備えた表現で、最高のリート歌手とも称されるロベルト・ホル。優れた声楽家でもある異色のピアニスト、みどり・オルトナーをパートナーに「自然を描く幻想画家」としてのシューベルトにスポットを当て、珠玉の名曲の数々を披露する。

 今回取り上げるのは、有名な〈野ばら〉や〈魔王〉をはじめ、破れた恋の痛みを歌う「美しき水車小屋の娘」から〈しおれた花〉、さらに〈愛らしい星々〉など夜空に寄せて、自然と人間の心情との描写が巧みかつ濃厚に結び付けられた、小さな宝石のような佳品の数々。現代屈指の美声によって、歌曲の王が構築した“魔法の世界”が現出する。

 また、終演後には、ホルがシューベルトのリート表現の奥義を紐解く、オープン・レッスンも実施(リサイタルの購入者は聴講無料)。より深い音楽体験も可能となる。

文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年11月号から)


ロベルト・ホル(バスバリトン)
11/27(日)14:00 川口リリア 音楽ホール
問合せ:リリア・センター048-254-9900
http://www.lilia.or.jp