初舞台となる滝沢沙織と木﨑ゆりあが緊張の挨拶 矢島弘一プロデュース・東京マハロ『紅をさす』製作発表レポート
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東京マハロ 第18回公演『紅をさす』
舞台やドラマなどで活躍中の脚本・演出家の矢島弘一プロデュースの演劇ユニット、東京マハロの第18回公演『紅をさす』の制作発表が都内某稽古場にて行なわれた。稽古場らしいアットホームな雰囲気の中、今回の出演者、金替康博(劇団MONO)、福田ゆみ、市川知宏、滝沢沙織、中川慶二、工藤潤矢、内谷正文、篠原あさみ、福澤重文、竹田りさ、西野優希、春木生、市川大貴、木﨑ゆりあ(AKB48)と矢島が登壇。それぞれに作品に向けた意気込みを語った。
ユニットの10周年を記念する作品でもある本作。まずは矢島が「今回取り扱うテーマはLGBT、性同一障害のお話です。7歳の男の子が純粋に女の子になりたいという夢を持ったときに、彼の家族やクラスメート、周りの人たちがどう接していくのか、どう教育をしていくのか……。また、この日本という国がLGBTにどう向き合っていくのかという部分を、家族の姿を通し、親子愛を通してしっかりとみなさんに届けられたらなと思っております」と挨拶する。毎回タイムリーな社会問題に目を向けた物語を生み出しているクリエイターとして、この新作が掲げる明確なテーマを提示した。
製作発表の様子
また、今回が初舞台となる滝沢沙織と木﨑ゆりあに向けて、矢島から「カメラの前でのお芝居ではないし演出家によってまったく違うやり方にはなるんですけど、東京マハロではホントにリアリティーを求めて目の前の人と会話してくれたら……。演劇の良さ、演劇の楽しさを感じてください」とのエールも送られた。
7歳の栄五郎役の中川慶二の挨拶ではみんながその様子を見守り、この日唯一の欠席者・お宮の松のメッセージが読み上げられると笑いが起こるなど、繊細なテーマだからこそ真摯に取り組むべくカンパニーの意識はすでに統一されつつあるよう。会見は終始和やかムードの中進められた。公演は12月7日(水)より東京芸術劇場 シアターウエストにて上演される。
出演者からのメッセージ
金替康博
■金替康博(劇団MONO)
今回初めて東京マハロさんに呼んでいただいたんですけど、僕は京都なんですが大丈夫かなぁと心配していました(笑)。とにかく頑張りたいと思いますのでよろしくお願い致します。
福田ゆみ
■福田ゆみ
今日から稽古が始まります。台本を読んでとても素敵な作品だと思いました。繊細なテーマだからこそ夫婦や家族の関係だったり親の葛藤などを丁寧に且つ繊細に創りあげていきたいと思います。全力で頑張ります。
市川知宏
■市川知宏
僕も今回初めて東京マハロさんに参加させていただくんですけど、10周年の記念に呼んでいただき大変光栄に思っております。僕の役は物心ついたときから純粋な夢を持っていて、その夢に向かって行く段階で家族に様々な思いを抱かせてしまうのですが、僕はその純粋な夢を追いかけていけたらと思っています。
滝沢沙織
■滝沢沙織
あまりにもすべてが初過ぎてわからず、今日初めてお会いする方もたくさんいらっしゃるので……まずはよろしくお願いします。私の役はみんなの中でもどちらかというとお気楽な女性だと聞いているのですが(笑)、そのお気楽さがちゃんとお芝居で出せるのか……。未知の世界、矢島さんの演出とみなさんのお力を借りて頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。
中川慶二
■中川慶二
中川慶二です。よろしくお願い致します。舞台は二度目ですが一生懸命頑張ります。
木﨑ゆりあ(AKB48)
■木﨑ゆりあ(AKB48)
私にとって初舞台になるのでとても緊張しているんですけど、今日キャストのみなさんとお会いして、優しい方や面白い方ばかりなのですごく安心しました。舞台の稽古と言えば灰皿が飛んでくるというイメージだったので、矢島さんの稽古場はなにが飛んでくるのか楽しみにしています(笑)。役として大切な人を思う気持ちだったり、ホントに言葉にするのが難しい部分を演技でちゃんと表現できればと思います。とにかく、頑張ります。よろしくお願いします。
■お宮の松(メッセージ代読)
東京マハロに6度目の出演になります。お笑い芸人としてではなく、役者として矢島宏一に育ててもらったお宮の松。これからも矢島宏一の手となり足となり精一杯精進して参ります。これからもお宮の松、東京マハロを温かく見守っていただけますようお願い致します。
矢島弘一
■矢島弘一
“LGBT”は日本ではどちらかというとマイナスのイメージとして植え付けられてきた中で、最近ようやく前向きな動きが見られ、今までなかなかオープンにできなかったことがちょっとずつ前に向いてきているように思います。LGBTの人たちを応援をしたいとか国を変えたいとか、そいういう大げさなことではなくて、純粋にその人たちの現実を知って欲しいな、という思いで書きました。本人たちが傷つかない前向きな物語にできるよう真剣に取り組まなければいけない作品、しっかり心を込めて努力したいです。
取材・文=横澤由香 撮影=平田貴章
日時:2016年12月7日(水)~12月14日(水)
会場:東京芸術劇場 シアターウエスト
作・演出:矢島弘一
<出演者>
金替康博(劇団MONO) 福田ゆみ 市川知宏 滝沢沙織 中川慶二
お宮の松 工藤潤矢 内谷正文 篠原あさみ 福澤重文 竹田りさ
西野優希 春木生 市川大貴
木崎ゆりあ(AKB48)