玉置成実と大澄賢也が過激すぎるエロティック×コメディミュージカルに挑戦!河原雅彦演出ミュージカル『50Shades!(フィフティシェイズ!)~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~』
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(左から)玉置成実・河原雅彦・大澄賢也
世界中で1億冊以上を売り上げた大ベストセラー小説「50 Shades of Grey」をオフブロードウェイでパロディ化した作品の日本版、ミュージカル『50Shades!(フィフティシェイズ!)~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~』。若くて有能だが人を心から愛せない青年実業家のグレイと、男性経験のないうぶな大学生アナとの歪んだ愛と過激な性描写の物語。オフブロードウェイで上演されれば連日大盛況。今回、満を期して日本にて初上演される。今回アナ役の玉置成実、アナに恋するホセ役の大澄賢也、日本版の上演台本・訳詞・演出を担当している河原雅彦に作品への想いを聞いてみた。
---- 作品の内容を聞いたときの印象を教えてください。
玉置:おもしろい。読んでいろいろと衝撃ありましたけど、本気で出来たらおもしろいだろうなっていうのが一番最初に思いましたね。
河原:おもしろいんですけど、実現可能なのかなって。引き受けてくれる役者さんいるのかなって思いましたね。小劇場時代これよりひどいのをいっぱいやってきましたけど、商業的な公演でこれを出来るのかどうかっていうのが半信半疑でしたね、最初は。
大澄:オフブロードウェイでやられた作品を資料で拝見したんですけど、お二人もおっしゃったように日本人の感覚にどういう風に提供出来るのか最初はわからなかったですね。
---- 河原さんもおっしゃっていたのですが、キャスティングを受けてくれる人がいるのかという点について。玉置さんと大澄さんはなぜこの作品をお引き受けしたのですか?
玉置:一皮剥ける気がする。
大澄:僕も一皮剥こうと思いました。あと僕は河原さんと一緒に仕事をしたくて。
玉置:私もですね。
河原:ありがたいですけど、ここの皮に関しては剥ける必要があるのかどうか。
玉置:いや、大事ですよ。
河原:そうですか?
玉置:大事です、本当に。
大澄:ねっ。大事だよね。
玉置:出来て嬉しいって思っています。
玉置成実
河原:集まってくれた方々と僕は初めましての方がほとんどなんですけど、成実ちゃんも大澄さんも剥いてって言ったわけじゃないけど、剥けてくれました。とっても楽しいですよね。
玉置:はい。楽しい。
大澄:楽しいです。
河原:主演の浜中くんがすごいんですよ。
玉置:すごく剥けていますよね。
河原:オフブロードウェイ版だと、浜中くんがやっている主演のグレイ役ってだらしない身体のおっさんがやっていて。
玉置:そう、お腹がぽこって出てて。
河原:ジャニーズの子きたから大丈夫かなって思ったらめちゃめちゃ大丈夫でしたね。
河原雅彦
---- 今回のテーマがエロ×コメディということで、数多くの舞台を経験してきた玉置さんと大澄さんにとっても初挑戦のことだと思います。今回の舞台で意識したことはありますか?
玉置:エロも突き抜けると爽やかですよね。ここまでくると清々しい気持ちになるんで「どやっ」って感じで終われたらいいなって思います。
大澄:台詞や歌詞で下ネタを言っているんですけど、本当にカラっとしているんですよ。それがある意味、心地良い感じすらするんです。こんな言葉を大声で、この歌に乗せて思いっきり言えるってなかなかないなって。それがもしかしたらお客さんにも楽しんでもらえるんじゃないかって感じます。
大澄賢也
---- 玉置さんと大澄さんは共演経験も多いですが、今回再共演ということでお互いの印象はいかがですか?
玉置:3度目4度目くらいですか。
大澄:そうそう。僕はやりやすいですし、突っ込みしやすいです
玉置:私もそうですね。大先輩なので普通は構えちゃう部分があるんですけど、賢也さんすごく優しいですし真面目な方なので。
大澄:べたべたしてますからね、普段から(笑)。
玉置:昨日も頭はたいちゃいましたもんね、すいません大先輩なのに(笑)もしかしてグレイ(浜中)よりホセ(大澄)のほうが距離は近いんじゃないかなって思っているんで。
大澄:僕の役柄も成実ちゃんと同じ大学生だしね。
玉置:そう、同い年。私的にはすごく心を開いています。
玉置成実
---- 今回の舞台を通してお互い新たに発見した一面、また河原さんから見た玉置さんと大澄さんの意外な一面を教えていただけますか?
玉置:私、賢也さんとちゃんと絡む役が初めてなんですよね。今まで同じ舞台に出てても、台詞で絡むことがなかったんです。初めて絡むお芝居をして「あっ、こんな感じでくるんだな」っていうのをすごく思いましたね。初体験でした。
大澄:踊ったりするところもあるんですけど、成実ちゃんってすごく動けるからそういう面でも僕はすごくやりやすいですね。
河原:成実ちゃんに関してはミュージカル界の宝だと思います。
玉置:あははは!なんですか、突然(笑)
河原:本気でそう思いますよ。僕はでたらめでバカバカしいお芝居とかよく作る機会も多いんですけど、俳優のクオリティーが高いってすごく大事なことだと思います。これだってオフブロードウェイのぐだぐだなお芝居ですけど、大澄さんも成実ちゃんも踊りにしても歌にしても高いクオリティーを持っていてくれていて、こういうでたらめな物もすごく楽しんでやってくれています。僕にとってはお宝の女優さんと出会えたなっていう感じですかね。
玉置:ありがとうございます。嬉しいです。
河原:大澄さんは鉄板焼きに行ったときに、大澄さんのこれまでの人生であったいろいろなことを結構聞かせていただいて。改めて「大変でしたね」って。
玉置・大澄:あははは!
河原:そういうところを抜けてきて今エンターテイメントをやられている方なので、1つの作品に関わるときの覚悟だとか、想像していた通りで尊敬しています。ものすごく紳士で現場の雰囲気も明るくしてくれて。大澄さんのような経験が僕の若い頃にあったら、今の大澄さんみたいには振る舞えない。エンターテイメントを第一線で続けてこられたっていうのもあり、味やエキスが格段にありますね。でも、そういうものだと思います。その人の人生が表現者のオリジナリティーになる。今回も活動の場所はバラバラの人たちが集まっていますけど、ある意味エキスまみれの人たちでいっぱいです。
---- そんなおもしろい人たちが集結している稽古場の雰囲気はどんな感じですか?
玉置:笑ってますよね、ずっと。
河原:笑うしかない。
大澄:河原さんが付けていくんですけど、足されていくものがさらにおもしろく加わっていくので、それでみんな大爆笑してますね。
大澄賢也
---- 稽古を重ねるごとにどんどんとおもしろい作品になっていく感じなんですね。
玉置:流れでやってみたら「あっ、おもしろかった」ってちょっと思いましたね。まだ通しでやっていないんで、通しでやったらまた違うものが見えそうな気がします。
河原:出番のない役者さんや見ているスタッフさんが稽古を見て笑うとか基本だと思うんですよね。その都度その都度目の前の人たちを笑わせようとするっていう心意気が特にこのお芝居は大事な気がして。だから、稽古を1回1回見るたびに「どうしたら無駄におもしろくなるだろう」っていうお告げを待っています。お告げがきたら本番で絶対にやらないようなことでも、その場がおもしろくなりそうだったらとりあえず演者に言わせたりやらせてみたり。そしたらその場が笑いに包まれて終わるっていう(笑)。この舞台に関しては、真面目にきちんと書かれていることだけを忠実にやられてもおもしろくならない類のものだと思います。演劇というよりかは出し物に近い、僕は忘年会って言っていますね。いい大人が集まってあーでもないこーでもないと真剣に楽しみながら作り上げるクオリティの高い忘年会。大まかなことはきちんと出来ていることも重要だけど、目指す基準がこのお芝居は普通と違うんで新鮮です。
河原雅彦
---- 最後に舞台を楽しみにしているファンの方々にメッセージをお願いします!
玉置:原作とか映画はディープでシリアスなので、見れるか不安な人もいると思うんです。でもその概念を捨てて、ただ楽しみな気持ちで来てくれればすっきりして帰れると思います。笑いに来てもらえればなと。クリスチャンと私が演じるアナの意外な純愛もありますので、そこでほっこりしていただければいいなと思います。
大澄:ミュージカルの舞台というよりかはLIVE感覚。曲もキャッチーなものが多いので、最後はスタンディグでみんなで盛り上がれればと思っています。それぐらいのものを見ると思って来ていただけばいいかなと。楽しいものには間違いないので。
河原:過激すぎて国によって規制がかかる作品だと思います。エロって実は普遍的なものなので、エロに関心がない人っていないじゃないですか。みんなしてるでしょ(笑)。そういう意味では全ての人類が共感できると思います。それを晴れ晴れとしたエンターテイメントで表現できるのが作り手として気持ちいいです。見てくれる人も心を開放して見てくれたら、こんなに楽しめる内容はないです。途中で帰っちゃう人がいても全然いいと僕は思います。帰らせる演劇も凄い力ですからね。それも含めて、見ている側の心を揺さぶっているってことだし。作り手側は呆れるほどのエロティックコメディミュージカルを全力で作っています。ぜひ劇場に足をお運びください。
(左から)玉置成実・河原雅彦・大澄賢也
(取材・文・撮影/鈴木 唯)
■上演台本・訳詞・演出:河原雅彦
■出演:浜中文一、玉置成実、明星真由美、安田カナ、佐藤仁美、大澄賢也/宮河愛一郎、松之木天辺、副島淳
■公式サイト:http://www.ktv.jp/event/50
<東京公演>
■日程:2016年11月28日(月)~12月11日(日)
■会場:新宿FACE
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※立見は指定された位置で立ったままご覧頂きます。場所の移動はできません。
※本公演は15歳未満、中学生以下の方はご入場頂けません。
<大阪公演>
■日程:2016年12月28日(水)〜29日(木)
■会場:サンケイホールブリーゼ
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※本公演は15歳未満、中学生以下の方はご入場頂けません。
<あらすじ>
週に一度、「本を読む会」を開催している主婦三人組パム、ベブ、キャロル。マンネリ化した性生活を送る彼女たちが選んだ本は、女子大生のアナが若き企業家のグレイに惹かれていく恋愛小説、いやその実、官能小説。小説で描かれるのは、これまで平凡に生きてきた純真無垢な女子大生・アナ(処女)と、リッチで色男、だけどとんでもない性癖を持った青年実業家・グレイの、どこまでも歪んだ愛のカタチ…。果たしてアナの心のビッグ・ホールは、グレイのビッグ・ラブよって埋められるのか?それとも拡張されちゃうのか?惹かれ合う二人の行方やいかに?!