表現者・AKiの底力を見せつけたツアー終盤戦F.A.D YOKOHMAレポート
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AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
11月中旬よりソロとしては2度目のワンマンツアー『Doom boombox』を8都市で敢行中のAKi(シド・ベーシスト明希)が、5本目の横浜公演を12月1日にF.A.D YOKOHMAで開催。「間違いなく一番熱い」とMCで言い切るほどの灼熱のステージでツアー後半戦の火蓋を勢いよく切り、満員のフロアを大きく揺らした。
キャリア初のシングル「STORY」を11月16日にリリースしたばかりということで、その収録曲をポイントに置きつつライブは進行。
登場するなり「トバすぜ横浜!」と叫んだAKiに応えてうねり、飛び跳ねるフロアを、彼もステージから目いっぱい伸び上がって後ろまで煽り立てる。
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
「今日、俺たちは何があっても演奏やめないから。フロアはオマエ達にまかしたよ! どこまでも熱くイケよ!」とオーディエンスに宣戦布告して、ひたすらに熱を放出していくスタイルはAKiロックの真骨頂。初っ端から十分に熱いはずの場内が、曲が進むごとに予想を超えてヒートアップしていくのには驚くばかりだ。
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
その要因の一つは、妖艶さと力強さを併せ持ったAKi独自の世界観。時に艶めかしいベースソロで魅せたかと思えば、時にゴリゴリのラインを放ち、時に混沌の中にある苛立ちを叩きつけるように歌えば、時に麗しい旋律に乗せて想いを謳う。メッセージ性の強いリリックと生まれ持つ甘い歌声が熱を帯びることで“伝える”力は威力を増し、加えてアンコールで贈られたアコースティック曲では、フロアに伸ばされた腕さえも表情豊かに想いを語って、“表現者・AKi”の底力を見せつける。
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
さらに特筆すべきが、春の1stワンマンツアーにMUCCとのダブルヘッドラインツアー『M.A.D』、L’Arc~en~CielのKen主催による『PARTY ZOO』等、今年40本を超えるステージで培ってきた強靭なバンドグルーヴだ。ドラムの宮上元克(THE MAD CAPSULE MARKETS)、ギターの加藤貴之(兎-usagi-)に佑聖(ex. THE KIDDIE、GUTS AND DEATH)という不動のライブメンバーとの息もピッタリで、ロック極まるインスト曲「Swag」でのスリリングな音のせめぎ合いも見事。そんなAKiライブ楽しみ方はオーディエンスにも浸透したようで、感情のままに身体を揺らして拳を振り上げる、そのフリーダムな盛り上がりっぷりは、前回ツアーの比ではない。大合唱やクラップも抜群のタイミングで湧き起こり、AKi自身も「いいよ、ライブハウスっぽくて!“これがやりたかったんだよ、俺!”っていうものができてる」と喜びを爆発させた。
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
「最高です」と「ありがとう」を繰り返して、右肩上がりの成長曲線を証明したツアーも12月11日高崎club FLEEZ、12月16日、新宿BLAZEと残りわずか。12月16日、新宿BLAZEでのツアーファイナルでは、さらに燃え上がるように熱い景色が待っているはずだ。
取材・文=清水素子 撮影=藤川正典
AKi『Doom boombox』2016年12月1日F.A.D YOKOHMA 撮影=藤川正典
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01. STORY 02. libido 03. Missing
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