宮本笑里(ヴァイオリン) ヴァイオリン・ソナタの名作で“原点回帰”
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宮本笑里(ヴァイオリン) Photo:角田修一
ヴァイオリニストの宮本笑里が2017年にデビュー10周年を迎える。クラシック・ファンはもちろん、様々なメディアに登場して多岐にわたって活躍する姿が幅広い層から支持を集めている。
「ずっと目の前のことに必死で取り組み続けてきたのであっという間の10年間でした。デビュー・リサイタルでは、ひとりで長いプログラムを最後までやり遂げられるか不安だったのですが、客席からパワーをいただいて何とかやり遂げることができたことを覚えています。その気持ちはその後もずっと変わらずにいて、今でも皆さんに支えられていることが自分の原動力だと感じます」
この12月から記念の年にかけてのリサイタルでは、原点回帰のような王道ヴァイオリン・ソナタ2本を軸にしたプログラムを組んだ。
「フランクのソナタは、2009年のアルバム『dream』で第4楽章をレコーディングしたり、演奏会でも何度もとりあげてきました。しかし今回は出産後、母親になってから初めて弾くということもあり、これまでとは違った目線で新しい自分を音色で伝えてみたいです。ふだんから楽譜に何でも書き込むタイプなので、それこそフランクの楽譜なんてもう真っ黒なのです。この機会にまっさらな新しい楽譜を用意してステージに臨もうと思っています」
もうひとつの柱はデビュー時にサントリーホール(小ホール)で演奏して以来となるモーツァルトのソナタ第28番。
「自分から演奏したいと提案した曲なのですが、以前の私にとっては手に余る曲で、精一杯背伸びをして乗り切った思い出があります。あらためて楽譜を開いて、当時書き込んだ指使いについてのメモを見たら今のものとは違っていたので、それが成長の証しなのかもしれないと思っています」
一方、これまでにJ-POPを始め、数多のアーティストとTV番組での共演や楽曲コラボなどを重ねてきた。
「コラボは毎回、未知の世界ですが、スイッチをうまく切り替えるようにして飛び込んでいます。今はいろんな世界で演奏できることが楽しいです。クラシック音楽とヴァイオリンの魅力を沢山の人にアピールできますので」
現在、2歳半の女の子の母親として育児でも奮闘中。
「仕事で疲れた後でも、帰ったら育児やるぞ〜って気になるんです。とにかくあきらめない、やればできるって思うようにしています。何かと忙しい師走ですが、ぜひお母さんたちにもコンサートホールまで足を運んで貰えたら嬉しいですね」
取材・文:東端哲也
(ぶらあぼ 2016年12月号から)
●12/18(日)14:00
第一生命ホール(エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ03-5545-9743)
●12/24(土)14:00
神戸朝日ホール(キョードーインフォメーション0570-200-888)
●2017.2/19(日)15:00
福山市沼隈サンパルホール(084-987-1866)
●3/18(土)18:00
宗次ホール(052-265-1718)
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