2017年ポケモン映画は起死回生が懸かってる!?
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©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon ©2017 ピカチュウプロジェクト
毎年恒例の劇場版ポケモンの新作が今年も公開されます。2017年のポケモン映画は「劇場版ポケットモンスターキミにきめた!」です。発表されている情報は限られていますが、既に非常に驚かされる内容です。
例年で言えば、現行のTVシリーズに合わせてタイトルが「ポケットモンスターサン&ムーン」もしくは、前シリーズより起用された「ポケモンザ・ムービー」がタイトルに用いられると思われただけに、今回堂々と「ポケットモンスター」というタイトルが用いられることは意外です。しかもサブタイトルは「キミにきめた!」。これはポケモンのTVアニメシリーズの第1話のタイトルである「ポケモン、きみにきめた!」を彷彿させられます。
公開されているビジュアルも、主人公のサトシと思われる少年(今回はアートディレクター杉森建さんの原案を元に作画されているそうで、これまでとは雰囲気が違う)がピカチュウと共に伝説のポケモン“ホウオウ”を見上げる場面が描かれており、まさに前述の第1話のラストシーンを連想させられます。
極めつけは特報映像です。今までなら現行のTVシリーズのキャラクターや、ゲーム等で入手困難な伝説のポケモンや幻のポケモンなどの姿が描かれるのですが、今回はそういった描写は一切なく、被った帽子を整えるサトシらしき人物の姿と、タイトル“キミにきめた”に、反応を示すピカチュウの姿のみ。さらには初代オープニングテーマの「めざせ!ポケモンマスター」のイントロまで流れるといった演出まで付いてきます。
以前から馴染みのある人にとっては、これはTVアニメシリーズ第1話のリメイクを映画で行うのでは!?と思わざるを得ません。
これまでとはまったく違ったアプローチが予想される来年のポケモン映画ですが、これは劇場版20作目という記念すべき作品だからという理由だけでは片付けられない事情があります。
2016年はポケットモンスターシリーズ20周年の節目ということで、アニバーサリーイヤーにふさわしい目覚ましい活躍でした。中でもポケモンGOは流行語大賞に選ばれるほどの社会現象となったことは記憶に新しいです。そんな、絶好調だったポケモンが、唯一、悩ましい数字を出してしまったともいえる分野が“映画”だったのです。
昨年公開となった映画「ポケモンザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」は、近年興行収入が減少傾向にあったポケモン映画において、その右肩下がりの成績を抑えることができませんでした。かつてのポケモン映画といえば、40億円~30億円台の興行収入を上げていたシリーズでしたが、映連の発表した2016年における日本映画産業統計(http://www.eiren.org/toukei/index.html)によると、今や20億円台にまで、スケールを落としている状態です。昨年はポケモンGOブームが同時期に起こっていながらの結果だっただけに、なおさら深刻性を感じます。
変化を迫られていると言っても過言ではないポケモン映画にとって、2017年劇場版第一報がすでに大幅な変化が感じられるのはある意味必然とも言えるかもしれません。
ポケモン“映画”にとっては2017年こそがまさに勝負の年!公開は例年通り夏予定ですが、すでに「パイレーツオブカリビアン」「トランスフォーマー」「スパイダーマン」「怪盗グルー」などの人気シリーズの最新作や、「銀魂」実写版、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「メアリと魔女の花」などの注目アニメなどもすでに夏の公開予定と発表されております。来年も夏休みシーズンの映画興行の激戦は必至。そういった中で、ポケモンがどういった結果を残すのか?今後が心配という意味でもファンとしては、目が離せない作品となりそうです。