syrup16gの全国“HAIKAI”ツアー、強烈な余韻残しZeppで終幕

2016.12.17
レポート
音楽

syrup16g「syrup16g tour 2016『HAIKAI』」東京・Zepp Tokyo公演の様子。(撮影:河本悠貴)

syrup16gの全国ツアー「syrup16g tour 2016『HAIKAI』」が、12月15日の東京・Zepp Tokyo公演をもってファイナルを迎えた。

バンドは11月1日に東京・下北沢CLUB Queでニューアルバム「darc」の“世界最速披露会”を行ったのちツアーへ。各地での熱演を経て、Zepp Tokyoでの千秋楽に臨んだ。SEもなく登場したメンバーは、「darc」より「Cassis soda & Honeymoon」でライブの口火を切る。中畑大樹(Dr)とキタダマキ(B)が作り出す重いグルーヴの上に、五十嵐隆(Vo, G)の甘く気怠い歌声が重なる。薄明かりの中3人が奏でる音がフロアに広がり、オーディエンスは一瞬でsyrup16gの世界に誘われた。

「改めましてsyrup16gです」という五十嵐の手短かな挨拶に続いたのは、「I'll be there」や「Find the answer」などの「darc」の収録曲たち。“世界最速披露会”ではまだこなれていなかった新曲もツアーを経てすっかりなじみ、3人は緩急を付けたパフォーマンスでオーディエンスを惹き付けていく。中畑は「クリスマスシーズンのお台場に似合わない我々ですが」と自虐的に言いつつ、「最終日にふさわしい夜にしますんで」と宣言。その言葉通り気合いの入ったアグレッシブなドラムでフロントの2人の演奏を支えた。

新曲のオンパレードだった序盤から一転して、中盤以降は過去曲が続く流れに。曲の展開と共にテンポが加速し、緊迫した空気が漂った「神のカルマ」、五十嵐が叫び歌った「落堕」とライブの定番曲も披露され、ライブはクライマックスに突入する。中畑がドラムを乱打し、五十嵐とキタダがアグレッシブなプレイを繰り広げた「coup d'Etat」「空をなくす」で熱狂はピークに。深く重いリズムが支配する「Rookie Yankee」が届けられたのち、五十嵐の「ありがとうございました」という言葉をもって本編は締めくくられた。

アンコールでメンバーは「徘徊」と書かれたツアーTシャツを着て登場。「生活」や「天才」といったファンを喜ばせる懐かしいナンバーをエネルギッシュにプレイする。五十嵐は「あー、楽しかった」と充実したツアーを振り返り、最新作「darc」のリリースについて言及。「『darc』聴いてやってください。来年も(新作を)出すかもしれないけど……」と口にしファンを喜ばせた。さらにダブルアンコールに応えた3人は、最後まで集中力とエネルギーを途切れさせることなく、研ぎ澄まされたパフォーマンスを展開。ラストナンバーとなった「真空」では、五十嵐が手を伸ばす観客に近付いたり、ステージに寝っ転がりながらギターをかき鳴らし絶唱。中畑は「ロックンロール!」とシャウトを繰り出し、キタダも楽器を弾く手に力を込める。3人が去ったあともオーディエンスは強烈な余韻に浸りながら、大きな拍手をバンドに贈っていた。

syrup16g「syrup16g tour 2016『HAIKAI』」
2016年12月15日 Zepp Tokyo セットリスト

01. Cassis soda & Honeymoon
02. I'll be there
03. Find the answer
04. Father's Day
05. Missing
06. Murder you know
07. タクシードライバー・ブラインドネス
08. 透明な日
09. Share the light
10. My Love's Sold
11. 神のカルマ
12. Drawn the light
13. Deathparade
14. 落堕
15. coup d'Etat~空をなくす
16. Rookie Yankee
<アンコール>
17. 遊体離脱
18. 生活
19. Sonic Disorder
20. 天才
21. リアル
<ダブルアンコール>
22. パープルムカデ
23. 真空

※記事初出時、曲名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。