中村勘九郎は生まれ変わったら女性アイドルになりたい!? 赤坂大歌舞伎新作歌舞伎『夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし) 赤目の転生』製作発表会見

レポート
舞台
2017.1.26


2017年4月にTBS赤坂ACTシアターにて赤坂大歌舞伎新作歌舞伎『夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし) 赤目の転生』が上演される。1月25日(水)マンダリンオリエンタル東京にて製作発表会見が行われ、中村勘九郎中村七之助、作・演出を担当する蓬莱竜太が登壇した。

赤坂大歌舞伎は2008年に18代目中村勘三郎が「芸能の街・赤坂で歌舞伎を!」の一声から始まった。2013年以降は、亡き父の遺志を受け継いだ中村勘九郎中村七之助が中心となって上演されている。

ぱっとしなく気弱の性格である太郎(勘九郎)は隣に引っ越ししてきた女性の歌(七之助)に好意を持つ。晴れて2人は夫婦となるが夫婦生活はうまくいかず、歌は「あなた変わらないと。尊敬させて」と言われる。それに反発して家を飛び出した太郎は歌の兄である源乃助に殺されてしまう。ふと気づくと、太郎は歌と結婚する前に時が戻っていた。また周囲の状況も変わり太郎は崇められていたのである。太郎は今度こそ歌を幸せにすると決意するが、果たしてその行く末は…。

製作発表会見では本作品の意気込みなどについて出演者が語った。

中村勘九郎

中村勘九郎

太郎を演じる中村勘九郎は「この日が来ると気合いが一段とまた入る日でございます。と申しますものの、TBS赤坂ACTシアターは私たちにとって本当に貴重な劇場だと思います。なぜ貴重かと言いますと、歌舞伎座での演目や演出を変えないで出来る小屋っていうのは少ないんですね。TBS赤坂ACTシアターはそれが出来る小屋でして、2008年にうちの父が始めた『狐狸狐狸ばなし』『棒しばり』など、何でも出来る小屋だと思っております。そして、父が亡くなってからはTBS赤坂ACTシアターでは出来ないんじゃないかなって思っていたんですけど、TBSさんと松竹さんのお陰でやらさせていただいて。『怪談乳房榎』『お染の七役』も出来ちゃって、次は何をやろうかと。打ち上げの日に新作をやろうではないかというお話をさせていただいたところ、念願叶い常日頃からアプローチをしていた蓬莱さんが書いてくださるということで、本当に楽しみでございます。とんでもない話です。大変な事件になると思います」と話された。

中村七之助

中村七之助

歌を演じる七之助は「父が残してくれた宝物の1つである赤坂大歌舞伎を、このたび新作でやらせていただけるということを本当に嬉しく思っております。素敵な舞台にしたいと思いますのでよろしくお願いいたします」と挨拶。

蓬莱竜太

蓬莱竜太

作・演出を務める蓬莱は「勘九郎さんとは昔から新作歌舞伎を書いてよと飲み屋話であったんですが、まさか本気とは思っていなくて。ですが、とても名誉のある仕事だと思っていまして、自分が持てる全ての力を発揮して2人にぶつかっていきたいと思います」と話す。

中村勘九郎

中村勘九郎

勘九郎は蓬莱にぜひとも書いてほしいと念願だったとのこと。それについては「うちの父が野田秀樹さんや串田和美さんなど、同世代の作家に出会えたことを誇りに思う。お前たちもいい人を見つけられたらいいねって言ってたんですね。だからじゃないですけど、そういう人たちと新しい歌舞伎が出来るんじゃないかって思って蓬莱さんにお願いしました」と経緯を語った。

七之助、勘九郎

七之助、勘九郎

転生がテーマというのもあり、生まれ変わったら何になりたいかという質問に対して、勘九郎は「女性アイドル」七之助は「お寿司屋さん」と回答。勘九郎に関しては「プロデュースしていただいてですね」と具体的に話してくれた。

赤坂大歌舞伎新作歌舞伎『夢幻恋双紙(ゆめまぼろしかこいぞうし) 赤目の転生』』は4月6日(木)~4月25日(火)までTBS赤坂ACTシアターにて上演される。

取材・文・撮影/鈴木 唯

公演情報
赤坂大歌舞伎 新作歌舞伎『夢幻恋双紙 赤目の転生』
 
■会場:TBS赤坂ACTシアター (東京都)
■日程:2017/4/6(木)~2017/4/25(火)
■作・演出:蓬莱竜太
■出演:中村勘九郎、中村七之助 ほか 
■主催:TBS/松竹/TBSラジオ/BS-TBS
■企画協力:ファーンウッド/ファーンウッド21
■製作:松竹
■問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00-18:00)
■公式サイト:http://www.tbs.co.jp/act/event/ookabuki/

 
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