映画『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』トークイベントに泉見洋平、上原理生が登壇、 映画版に歴代キャストも新たな発見
泉見洋平、上原理生
2014年9月、ロンドンのプリンス・エドワード・シアターで上演されたミュージカル『ミス・サイゴン』25周年記念公演が最新の映像技術で撮影、映画化された。映画『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』と題し、2017年3月10日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他にて公開される。
『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』
注目は、今までに見たことのない臨場感あふれる映像。この映画のために再度キャストを集結させ、観客を入れずに追加撮影を実施。キャストの生き生きとした表情をとらえ、全く新しい「ミス・サイゴン」を誕生させた。また舞台上演後に行われた<25周年記念スペシャル・フィナーレ>には、特別ゲストとして、ジョナサン・プライス(エンジニア役)、レア・サロンガ(キム役)、サイモン・ボウマン(クリス役)を始め、初演時のオリジナル・キャストが総出演。新旧キャストによる夢のハーモニーが実現し、作品への愛と祝福にあふれたフィナーレが披露された。2017年5月、日本初演からも25年を迎える『ミス・サイゴン』のアニバーサリーイヤー、観客は圧倒的なライブ映像で新たな衝撃を受けることだろう。
『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』
3月10日(金)からの映画公開に先立ち、2004年、2008年、2012年、2014年とトゥイ役を演じた泉見洋平と、2012年から昨年2017年1月までジョン役を演じた上原理生によるトークイベントが2月27日に開催され、『ミス・サイゴン』が25年以上も愛される理由について語り合われた。
東宝東和試写室にて行われたこのトークイベントは、試写会後のイベントということもあり、会場には本編を見終えた来場者の熱気が漂っていた。MCの呼びかけと共に登壇したのは、泉見洋平と上原理生。来場者の中にはミュージカルファンも多く、ミュージカル界を代表するイケメン俳優らの登場に好反応が示された。
泉見洋平、上原理生
MCから『ミス・サイゴン』の魅力について聞かれた泉見は「先ずは、音楽ですよね」とコメント。「ふとイントロの音楽を聴くたびに、身体が反応する。音楽の力はあらためてすごいなと思いました。」と、長年ミス・サイゴンで演じていたからこそ感じる魅力をしみじみと語る。
続いてMCから音楽以外の魅力を尋ねられた上原さんは、「音楽以外ですか(笑)」と笑いながらも、「扱っているものがベトナム戦争という、身近にあった戦争を題材にしていて、人類の長い歴史の中でいっぱい戦争が起こって、その中で何か学んだはずなのに、でも起こってしまう。それってなんでだろうと思うし、その中で巻き込まれた人の苦しみと悲しみ、でもその中で生まれた愛や、それでも生きてやるんだって強さとかが描かれていて、そういうものが見ている人たちを引き付けてやまないのかなと、あらためて見て思いました」とコメント。戦争という状況下で描かれる愛の物語と音楽が、本作の魅力であると語った。
『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』
またMCから舞台で演じていた当時のことを尋ねられた泉見は、「355回出演させていただいたんですけど、演じるたびに、舞台上でしか感じられない新たな感情が生まれるというか。間違えないように演じるというのを超えた、演じている役を生きなければ、この物語を皆さんに伝えられないというのがありまして、本当に死んでも良いというような覚悟があった。色々なことを『ミス・サイゴン』で学びました」と、心の底から役に入り込んで演じていた明かした。
『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』
そして泉見と共演した上原は、「泉見さんが演じたトゥイの亡霊がとても怖かった」と今さらながらの告白。泉見は「あれはトゥイ自身ではないんですよ。あれはトゥイに対してキムが抱いている罪悪感であったり後悔の念であったりするんですけど、演じる時は120%の力で呪ってやろうと思って演じました!(笑)」と、役に対する解釈を語りながらも、会場に笑いを誘った。
『ミス・サイゴン 25周年記念公演 in ロンドン』
そしてMCから、映画として公開される本作ならではの魅力を尋ねられた二人。泉見は、「『ミス・サイゴン』を離れてもうしばらく経つんですけど、先ずは音楽だけでキュンキュンしてしまう。舞台映像をただ撮っただけではなく、様々な映像がインサートされていて、カット割りなんかもライブ映像を超えたまさに『ミス・サイゴン』の映画版という感じで、僕が(トゥイ役を)やっていたという感覚は勿論あるんですけど、全く新しいものを見たという感じもありました」と、長年演じた作品であっても新鮮に感じる発見があったと言う。
泉見洋平
一方、上原は、「カメラが入ったことで役者の細かい表情もすごく見えて、役者もとてもリアルな芝居をしているから映像になっても全く違和感がなかった。演出がものすごくよい形で生かされていて、また舞台で観るのとは全然違う印象を持つことができたことが、興味深かったですね。一本の映画作品として観ることができたのもすごく楽しかった」とコメント。作品の出来栄えにも申し分ないと太鼓判を押した。
上原理生
本作に収められている25周年を記念し歴代の新旧キャストが登壇したスペシャルフィナーレについて、泉見は「感動以外の何物でもない」と、しみじみと語りました。また上原も、「出演者として、サイゴンファミリーの一員になれたことの嬉しさをあらためて感じた」と喜びを語り、「また世代を超えて新旧キャストが共に演じられる音楽の素晴らしさを感じましたし、『ミス・サイゴン』が伝えようとしているメッセージを改めて多く感じることができました」と、世界中で25年も愛されてきた『ミス・サイゴン』のファンは勿論のこと、『ミス・サイゴン』を知らない人でもその魅力が十分に伝わる作品になっていることを最後にアピールした。
泉見洋平、上原理生
来場者に見守られながら終始和やかな雰囲気で行われた本イベント。日本でミス・サイゴンを演じ、引っ張ってきた泉見と上原が、ミス・サイゴンの魅力、そして映画として生まれ変わった本作の魅力を語り尽くした充実のイベントとなった。最後は会場に駆け付けたミュージカルファンに見守られながら、泉見と上原は会場を後にした。
TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ 050-6868-5005 3/10(金)~ 14:40~終17:55
TOHOシネマズ梅田 050-6868-5022 3/10(金)~ 19:45~終23:05
福岡中洲大洋 092-291-4058 3/11(土)~ 12:45/19:00~終22:07
札幌シネマフロンティア 011-209-5400 5/27(土)~上映予定
エンジニア:ジョン・ジョン・ブリオネス
キム:エバ・ノブルザダ
クリス:アリスター・ブラマー
エレン:タムシン・キャロル
ジョン:ヒュー・メイナード
トゥイ:ホン・グァンホ
ジジ:レイチェル・アン・ゴー
ゲスト出演:
ジョナサン・プライス
レア・サロンガ
サイモン・ボウマン
製作:キャメロン・マッキントッシュ
脚本:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
歌詞:アラン・ブーブリル/リチャード・モルトビー・ジュニア
追加歌詞:マイケル・マーラー
音楽:クロード=ミッシェル・シェーンベルク
監督:ブレット・サリヴァン
© 2016 CML