Amaryllis Bomb、涙と笑顔が溢れたツアーファイナル・赤坂BLITZ公演をレポート

レポート
音楽
2017.4.14
Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

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Amaryllis Bomb Tour~Make Some Noise 2017
2017.4.4 赤坂BLITZ

2月からスタートした2度目のワンマンツアーが全8公演ソールドアウトと、10代を中心に支持を広げてきているヒップホップユニット・Amaryllis Bomb。ツアーファイナルとなった赤坂BLITZもとにかく大盛況で、開演前からオーディエンスの熱気がかなり高く、待ちきれない様子が伝わってきた。そんなフロアの雰囲気をたとえるかのごとく、ステージ後方に設置されていたLEDビジョンには、時限タイマー付きのダイナマイトが開演までの残り時間を刻んでいる。20秒前から会場SEがフェードアウト。10秒前からオーディエンスがカウントダウンを始め、ゼロになると音玉が爆発! 場内が暗転すると、フロアは彼らのテーマカラーである赤と青のサイリウムでいっぱいになった。

Amaryllis Bomb・サグワ

Amaryllis Bomb・サグワ

Amaryllis Bomb・ゆうこん

Amaryllis Bomb・ゆうこん

まずはDJ OMAが登場。続けて、ステージ後方に組まれたセットの上手側からゆうこんが、下手側からサグワがそれぞれ姿を現わすと、フロアからは尋常じゃないほどの歓声が上がり、そのまま「Make Some Noise」でライブスタート。ハードなサウンドにのせて攻撃的なリリックを畳み掛けると、「飛ぶ準備はできてるか!? 飛び跳ねろ!」と「Take Off」へ。続く「What’s up」ではオーディエンスが手と声をあげ、序盤から大盛り上がりだ。

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

そして「Amaryllis Bomb、赤坂に参上!」と威勢よく叫んだ2人は、改めて自己紹介。昨日の夜からワクワクがとまらなかったという2人も、フロアと同じくテンション高め。盛り上がるフロアを見渡して「このままガーッ!と行ってくれれば!」とサグワが話すと、ゆうこんは「でも、全力でやるためには準備運動が大事なんだけど。いいやつ持ってきましたけどいけますか!」と煽って「Action」へ。LEDビジョンにはLINEのトーク画面風の映像が映し出されていたのだが、オーディエンスのパートは白、Amaryllis Bombのパートは緑で色分けされていて、初めてライブを観にきた人にもわかりやすい工夫がされていた。音にあわせて手を交互に突き上げるオーディエンス達に、「夏は恋しくないかー!」とゆうこんの叫びから突入した「夏 da Rock on」では、全員でタオルを振り回す。2人はステージの上をとにかくひたすら動き回り続け、汗だくになりながらとオーディエンス達と楽しんでいた。

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb・ゆうこん

Amaryllis Bomb・ゆうこん

Amaryllis Bomb・サグワ

Amaryllis Bomb・サグワ

フロアの熱狂をさらに盛り上げるべく、ライブ中盤ではゲストアーティストがステージに呼び込まれた。「SKIT」ではビートボクサーのツリメが登場。ラップとボイスパーカッションで客席を魅了すると、続く「ちょんまげって日本独自の文化でかっこいいよね!」「ホトトギスってなんで鳴くか知ってますか」では、DJ OMAが前に出てきて、ラップにコール&レスポンスに煽りに煽る。そこから「School bag 2 the Live」になだれ込んだのだが、曲が突如ストップ。「なんか物足りないなぁ……」と2人が話していると、ステージ後方に狐のお面をかぶった人物が姿を現わした。もしかして……!と察したオーディエンスも多かったようだが、お面をかぶっていたのは、この曲のシンガーであり、体調不良で活動を休止していたジェニー 。大歓声があがる中、3人で「School bag 2 the Live」を披露し、オーディエンスを大いに喜ばせていた。さらに「今日は調子良さそうだから、せっかくだから1曲歌っていきなよ」という提案から、ジェニーが「G3」を力強く歌い上げる。そして、4月6日から活動を再開することを発表すると、客席からは再び大歓声。仲間の復活をドラマティックにサポートしたこの光景は、なんとも美しかった。

ジェニー、Amaryllis Bomb

ジェニー、Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

また、キーボードとカホンをサポートメンバーに迎え、「日陰」をアコースティックバージョンにアレンジして客席に届ける場面も。そこから続けて披露された「Refrain」と「Yell」では、再びジェニーが参加。ただただフロアを盛り上げるのみでなく、曲に込められた思いやメッセージをMCではっきりと伝え、一言一言を大切に紡いでいくアプローチに、オーディエンスはペンライトを振りつつも、神経は完全に目と耳にいっている様子。かなり真剣に聴き入り、スペシャルな演奏に酔いしれていた。

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

ライブは後半戦へ。再びタオルが乱れ舞った「ハリケーン」や、「今日、この会場で一番バカな奴を決めようじゃないか!」というゆうこんの煽りから、サグワが「俺です!」とコミカルな動きで魅せた「Who Fool?」と、再びボルテージをあげていく。そして、「GOOD DAY」のハートフルな空気が会場を包み込んだ後、「今日はみなさんにとっていい日ですか?」とサグワがフロアに投げかけた。それを「俺は人生で一番いい1日です」とゆうこんが受け取り、今の思いを話し始める。

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

ゆうこん「サグワと違って、俺はYouTuberじゃないし、ラップしかやってないし、みんなと会うのはライブのときぐらいなんだけど、(そのぶん)すごくライブを大事にしているので。こうやっていろんな人に来てもらえて、みんなに楽しんでもらえて、最高に嬉しいです」

そこから2人は、ここまで歩んできた道のりや、支えてくれている人達への感謝を話していると、突然ゆうこんが感極まり、涙を流した。「こういうことで泣くような奴じゃなかったんだけど(苦笑)、でも、音楽が本気で……」と話したところで、再び込み上げてきてしまうゆうこん。そんな姿を見て「うん。本気で音楽やってるんで、これからもよろしくお願いします!」とサグワが引き取ったところは、苦楽を共にしてきた2人だからこそできるやり取りでもあっただろう。

サグワ「疲れたらこうやってまた集まって、じゃんじゃん騒いで、嬉しかったら泣いたりして、どんどんAmaryllisの輪を大きくしていきたいです。今、俺らはまだ蕾だけど、この花を大きく咲かせていきましょう」

Amaryllis Bomb・サグワ

Amaryllis Bomb・サグワ


Amaryllis Bomb・ゆうこん

Amaryllis Bomb・ゆうこん

流れてきたのは「Bloom」。歌い始める直前に「ウソじゃなく本音を言うよ」と、突如言葉を挟んだゆうこんは、涙で声が裏返るのを抑えるように、そこまで聞かせていたクリーンな響きとは違った荒々しい声で、客席に言葉をぶつけていく。そして、「これからも頑張ろう」というエールと共に、サグワにマイクを渡す。MC中は、目を潤ませながらも笑顔を見せていたサグワだったが、これには感極まってしまったようで、溢れてくる涙を抑えるように、普段よりもガナり気味な声でラップしていた。そして、曲を終えた後、「こんなはずじゃなかった!」「くっそー!」と、涙と笑顔が入り混じったぐちゃぐちゃな表情になっている2人を見て、後ろにいたDJ OMAも、オーディエンスも、もらい泣き。銀テープが宙を舞ったラストナンバーの「Basic」まで約2時間、熱狂を煽り続けたツアーファイナルのエンディングは、会場全体の感情が激しく振り切れた感動的なものとなった。

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bomb

Amaryllis Bombは、この日、新たなワンマンツアーを行うことを発表。6月17日には横浜FAD、7月17日には大阪ESAKA MUSE、8月25日には名古屋E.L.L.、そして、12月10日にはZepp DiverCityで開催することとなっている。「もっともっと大きい会場で、もっともっといいライブをしたいし、もっともっといろんな人に聴いてほしい」と熱く語っていた2人。サグワの言葉や、彼らが涙しながら披露した「Bloom」のリリックから引用するならば、2人はまだ〈蕾〉の状態かもしれない。その蕾が開いたとする瞬間をどこに設定するのかは彼ら次第だが、彼らの音楽に対するまっすぐな姿勢は、いつかきっと、大きな花を咲かせるだろう。


取材・文=山口哲生 撮影=大橋祐希

Amaryllis Bomb

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Amaryllis Bomb

 

セットリスト
Amaryllis Bomb Tour~Make Some Noise 2017
2017.4.4 赤坂BLITZ
1. Make Some Noise
2. Take off
3. What's up
4. Action
5. 夏 da Rock on
6. STARANTHEM
7. 笑え
8. SKIT with ツリメ
9. ちょんまげって日本独自の文化でかっこいいよね!(サグワ with DJ OMA)
10. ホトトギスってなんで鳴くか知ってますか(with DJ OMA)
11. School bag 2 the Live
12. G3(ジェニー)
13. 日陰(アコースティック ver.)
14. Refrain withジェニー(アコースティック ver.)
15. Yell withジェニー(アコースティック ver.)
16. ハリケーン
17. Who Fool?
18. Good Day
19. Bloom
20. Basic

 

ライブ情報
Amaryllis Bomb LIVE2017 ~Summer~&Amaryllis Bomb LIVE2017
ライブ詳細はオフィシャルサイトをチェック
http://genesisone-net.com/art.amaryllis/
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