楠本桃子のゲームコラムvol.45 ドラゴンと紡ぐSRPG『バハムートラグーン』

コラム
アニメ/ゲーム
2017.6.10
 ※製品紹介サイトより引用

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今回紹介するゲームは『バハムートラグーン』!

1996年2月9日、スクウェアから発売されたスーパーファミコン用ゲームで、スーパーファミコン時代のシミュレーションRPG代表作として、今でも注目されることが多い作品です。

美麗なグラフィックと共に描かれるストーリーは賛否両論ありながらもクオリティの高いものとなっています。自由度の高いドラゴン育成も話題となりました。

今回は、そんなSRPGの金字塔について紹介していきます。名前を聞いたことはあるけれど、実際のプレイはしたことがない、という方も、現在はバーチャルコンソールからダウンロードが可能なので、是非一度お手にとってみてください!
 

【自分好みにドラゴンを育成!  どんな姿に進化するのかドキドキ!?】

※製品紹介サイトより引用

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『バハムートラグーン』のキーとなる存在、ドラゴン。

ファンタジー世界ではメジャーとなった存在ですが、本作ではそのドラゴンを自由に育成し、共闘することが可能です。ドラゴンの育成はアイテムを餌として与えることで行うことができ、与えたアイテムにより成長するステータスや見た目がどんどん変化していきます。

ドラゴンはゲーム中に存在するアイテムであれば何でも食べることができ、きのこや回復アイテムをはじめ、本や武器防具など、およそ餌とは思えないようなものもペロリと完食してしまいます! プレイ中はどんな餌を与えてどのようなドラゴンに育てのか、頭を悩ませることとなるでしょう。

本作ではバトルで敵を撃破するごとにアイテムをドロップするシステムのため、餌不足に陥る、といった問題点もありません。敵にとどめを刺した攻撃属性によりドロップするアイテムも決まるため、バトル中もドラゴン育成のことを考えながら行動をすることがひとつのコツとなります。

ドラゴンは育て方によりステータスや見た目も大きく異なるので、どの様なドラゴンに育て上げるかはまさにプレイヤー次第! 可愛らしいドラゴンやかっこいいドラゴン、そしてかなり個性的な容姿のドラゴンなど、見た目でも楽しめるドラゴン育成。育成の楽しみはステータスアップだけではありません。
 

【戦略性の高いバトルはドラゴンとのバディが重要!!】

※製品紹介サイトより引用

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本作では“自由行動”パートで【イベントや戦闘準備を行う→出撃(バトル)パート→自由行動パート→出撃】といった繰り返しでストーリーが進んでいきます。

自由行動で育て上げたドラゴンは、バトルでも大活躍! バトルはSRPG形式となっており、4人+ドラゴンをひとつのユニットとして操作します。ドラゴン自体はセミオートでの行動となりますが、その強さは絶大。ドラゴン自体のステータスや属性値が、ユニットに影響するため、いかに強力なドラゴンを育てるか、という部分が重要となってきます。

バトルの難易度自体はそれほど高くないのですが、それでは物足りない!というコアゲーマーの方向けの“むずかしいダンジョン”という寄り道要素があります。その名の通り難易度が高めのステージとなっているため、腕試しにはもってこい! 理想のユニットを作成し、踏破を目指しましょう。

また、“地形”を利用して様々なバトルアクションを起こすことが可能です。例えば、“森”という地形があれば火を放って炎上をさせ、周りのユニットにダメージを与える、ということもできてしまいます。他にも建物を破壊したり、毒の沼地から毒を消し去ったりと、自由なアクションで戦略を練ることが大切です。

バトルをより楽しく戦略的に彩る“地形”は、SRPGの奥深さをさらに引き出してくれます。
 

【最高峰のドット絵と人間ドラマが同時に味わえるSRPG】

※製品紹介サイトより引用

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ドラゴン育成の楽しさがメインに置かれがちですが、美麗なグラフィックと魅力的な登場人物達による人間ドラマも見どころ。

当時、スクウェアによる美麗なドット絵がよく話題に上がりましたが、本作もまた例に漏れず最高レベルのグラフィックとなっています。美しい背景や大迫力のドラゴンなど、今見ても見劣りしないドット絵の良さがあります。パートナーとなるドラゴンもかっこよく、時には可愛らしく描かれ、思わず愛着がわいてしまいます。

そして『バハムートラグーン』といえば人間ドラマ!!

ストーリーの中には大人の恋愛や葛藤、正義と国家、家族と友情……といった様々なテーマが含まれています。考えさせられるシーンやショッキングなシーン、感動的なシーンやギャグにクスリとしてしまうシーンなど、いろんな要素が盛り沢山。表向きは「英雄とドラゴンが悪を倒していく」というファンタジー色の強い物語ですが、その物語の中には多くの感情を揺さぶる場面が存在します。

どちらかというと大人向けのストーリーとなっているため、勧善懲悪の一般的なファンタジーには飽きてしまったという方でも楽しめる作品です。
 

【“あの”シーンを乗り越えてみんな大人になった】

『バハムートラグーン』といえばヒロインである「ヨヨ」の“とある行動”が今でも話題にあがることが多い作品です。その衝撃的な行動から、ヒロインのヨヨに好きな女の子の名前をつけることはタブーである、とされてきました。

しかし、あまりにも人間らしい部分を持つ登場人物たちは、ファンタジー世界のRPGには珍しい存在。人間の綺麗な部分も汚い部分も、まとめて体験できるRPGが『バハムートラグーン』であるともいえます。

ストーリーや登場人物に注目が集まることの多い本作ですが、ドラゴンの育成や地形を使用したバトルなど、様々な魅力が随所に散りばめられています。

本作をベースに『タクティクスオウガ』や『ファイナルファンタジータクティクス』といったスクウェアが誇るSRPGが製作されていきました。

スーパーファミコン時代のスクウェアの技術を結集させた代表作でもあり、スクウェア製SRPG黎明期の走りとなったこの『バハムートラグーン』は、難易度も易しめであるため、SRPGの入門編としてもオススメです。

ドラゴンたちとの心揺さぶる冒険を、ぜひ一度体感してみてください!

 

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