オリジナル・ジュニア・ミュージカルの真打! ミュージカル座の傑作『ニッキー』が待望の再演

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2018.8.11
『ニッキー』稽古場にて (左から)中村茉稟、幸村吉也、阿萬はなね

『ニッキー』稽古場にて (左から)中村茉稟、幸村吉也、阿萬はなね

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2013年に初演、2018年で6年目を迎えるミュージカル座『ニッキー』が、2018年8月23日(木)に東京のIMAホールで開幕する。


 
<STORY>
強気で自分勝手な敏腕テレビプロデューサー、40男のニッキー(ニコラス)と、 気弱で臆病な10歳の女の子ニッキー(ニコル)の心が、ひょんなことから入れ替わる。大人のプロデューサーになった女の子と、女の子になった40男。周囲の人間は大混乱!! 果たして、いったいどうなるの!?


長年、日本において子供がメインで出演するレギュラー舞台といえば、『アニー』『ピーターパン』など、限られた海外の作品ばかりであった。子供が出演できる『ライオンキング』『サウンド・オブ・ミュージック』『レ・ミゼラブル』も海外産だ。そこで、子供たちがメインキャストを演じられ、かつ海外のミュージカルに匹敵するグレードの作品を世に送りたい。そんな志のもとで、2013年に完全オリジナルミュージカル『ニッキー』が誕生した。俳優・声優としても活躍する竹本敏彰が脚本・作詞・演出を、ミュージカル『HEADS UP!』(2015年初演)でおなじみ玉麻尚一が作曲・編曲・音楽監督を担当している。

『ニッキー』稽古場にて

『ニッキー』稽古場にて

その後、日本でも2017年に『ビリー・エリオット』、2018年に『ファン・ホーム』、『メリー・ポピンズ』、『シークレット・ガーデン』の日本版が初上演され、子供が重要な役割を果たすミュージカルの裾野が広がり、大人の観客にもその活躍を印象づけた。特に『ビリー・エリオット』は、主役のビリー、その親友マイケル、バレエ教室のデビー、個性あふれるバレエガールズに注目した観客も多かったであろう。

筆者にとってミュージカル座の初体験は、『ビリー・エリオット』マイケル役の山口れん、『アニー』2016年ジュライ役の山口のんが出演するということで足を運んだ新作ミュージカル『ジュニア』(2018年2月)だった。こちらも『ニッキー』同様、竹本敏彰が脚本・作詞・演出を、玉麻尚一が作曲・編曲・音楽監督を手掛けている。演劇の世界で“子役”を演じるジュニアの世界を描いたそれはめっぽう面白く、そのクオリティの高さに驚いた。

筆者の大好きなミュージカル『アニー』のメイキングTVでもよく見る、壁に貼りだされる合格発表。実力があっても個性がなければ落ち、作品に合わなければ落ち、成長すれば受験資格を失うジュニアたち。オーディションに落ちれば、自分に期待して金銭や送迎の負担をかけてくれた親を気遣う。演劇に夢中な自分が家庭の中心になり夫婦関係が崩壊するエピソードなど、ハードな状況を描きながらも、演劇が好きでキラキラ輝く子供たちの歌とダンスに心が弾んだ。

その『ジュニア』において、「必ず最終オーディションで落ちてしまう子」を演じた中村茉稟(なかむらまりん)と、「下手くそで人間の役をやったことがない」阿萬はなね(あまんはなね)が、このたび『ニッキー』で主人公のニコル役を射止めた(月組/星組のWキャスト)。

中村茉稟、阿萬はなね

中村茉稟、阿萬はなね

ニコルが通うクラーク学園の生徒には、『ビリー・エリオット』デビー役が印象深い佐々木琴花がオリビア役(月組)、同じく『ビリー・エリオット』でバレエガールズを演じた久保井まい子がハンナ役(月組・星組とも)を演じる。久保井は2014年、2016年にも『ニッキー』に出演している。

佐々木琴花、久保田まい子

佐々木琴花、久保田まい子

そして、2017年『アニー』においてケイト役を演じ、「『アニー』クリスマスコンサート2017」ではソロもつとめた林咲樂が、『ニッキー』劇中劇において「虹色の明日へ」のソロをとるアリス役(星組)に抜擢された。このように、かつて舞台で輝きを見せたジュニアの活躍を追えることも、今公演の楽しみの一つだ。

(中央)林咲樂

(中央)林咲樂

脚本・作詞・演出、そしてプロデューサーをつとめる竹本敏彰は、『ニッキー』のコンセプトについて、「“子どもたちに子どもっぽい事をやらせない!”子どもが大人顔負けの演技や歌、ダンスと、コメディ要素を含んだ演技力で魅了させる。とてもエンターテインメント性豊かな作品です。演じること、歌い踊ることの楽しさと素晴らしさを教えてくれ、子どもたちが生き生きと表現できる。『ニッキー』との出会いにより、これまでの出演者たちが様々なチャンスをつかみ、第一線の現場で活躍し続けている姿を見るのは嬉しい限りです。きっとこれからも『ニッキー』は未来のミュージカルスター発掘の登竜門となることでしょう」とコメントしている。

『ニッキー』稽古場にて

『ニッキー』稽古場にて

「未来のミュージカルスター発掘の登竜門」という言葉どおり、2015年に『ニッキー』の主役を演じた池田葵は、翌年の『アニー』で主役を射止め、2018年は『シークレット・ガーデン』で主要キャストであるメアリー役を演じた。2018年の『ニッキー』では、あなただけの未来のスターを発見できるかもしれない!

ミュージカル座『ニッキー』は、2018年8月23日(木)~8月26日(日)、IMAホール(都営地下鉄大江戸線「光が丘駅」下車)にて上演。上演時間は2時間20分(途中休憩含む)。楽曲の一部は公式サイト にて試聴できる。

文:ヨコウチ会長  写真提供:ミュージカル座

公演情報

ミュージカル座 ミュージカル『ニッキー』

■日程:2018年8月23日(木)~8月26日(日)
■会場:IMAホール(都営地下鉄大江戸線「光が丘駅」下車)
(全席指定)
SS席7,500円
S席6,500円
S席(小学生以下)4,500円
A席5,000円
申込み:公式サイト 

 
■スタッフ
脚本・作詞・演出:竹本敏彰
作曲・編曲・音楽監督:玉麻尚一
振付:RYOJI
演出補:中本吉成
美術:松野 潤
衣裳:五大輝一
照明:小川 修
音響:中村恵美子
映像:JUNGO
舞台監督:小谷 武
音楽監督助手・歌唱指導:須藤瑛子
演出助手・振付助手:新 舞美
宣伝美術:菊池 仁
制作:川田真由美
プロデューサー:竹本敏彰
エグゼクティブ・プロデューサー:ハマナカトオル

 
■キャスト・役柄<Wキャストは月組/星組。表記のない場合シングルキャスト>
ニッキー(ニコラス)【TVプロデューサー】:幸村吉也
ニッキー(ニコル)【クラーク学園生徒】:中村茉稟/阿萬はなね(Wキャスト)
エレン【ニコルの母親・ニコラスの部下】:小野知春
スージー【お色気お天気お姉さん】:大塚加奈子
ベンジャミン【衣裳デザイナー】:五大輝一
サマンサ【メイクアップアーティスト】:宮崎篤臣
ジョージ【TV局の編成局長/他】:白倉裕二
ジョン【TV局スタッフ/先生/他】:小城祐介
ボビー【TV局スタッフ/先生/他】:参川剛史
ポール【TV局スタッフ/先生/他】:熊木陸斗
バーバラ【エレンの母親/他】:たむらもとこ
ベイカー【学園長/他】:野沢美喜/鶴野久美(Wキャスト)
モルガン【先生/他】:川田真由美
グロリア【ダンサー/先生/他】:相川 忍
ヴェロニカ【ダンサー/先生/他】:長瀬可織/松本ほなみ(Wキャスト)
コニー【ダンサー/先生/医師/他】:大木のん/菅田紗子(Wキャスト)
ジュディ【ダンサー/先生/TV局スタッフ/他】:坂本絵莉香/秋山みり(Wキャスト)
ケイシー【ダンサー/先生/他】小口奈穂/廣岡真帆(Wキャスト)
アシュレイ【クラーク学園生徒】:原田 礼/井出琴音(Wキャスト)
ポリー【クラーク学園生徒】:須原 琉/小畑慧奈(Wキャスト)
ベティ【クラーク学園生徒】:田中 杏/小畑仁乃(Wキャスト)
アンディ【クラーク学園生徒】:髙尾咲友/木内彩音(Wキャスト)
リンジー【クラーク学園生徒】:井本 遥/服部菜々美(Wキャスト)
サラ【クラーク学園生徒】:増田ひなた/福岡あみ(Wキャスト)
オリビア【クラーク学園生徒】:佐々木琴花/河崎菜々(Wキャスト)
アリス【クラーク学園生徒】:中原陽奈子/林 咲樂(Wキャスト)
リリィ【クラーク学園生徒】:廣瀬思月/岡野陽莉(Wキャスト)
キャロル【クラーク学園生徒】:江口央花/上野まりあ(Wキャスト)
ケイト【クラーク学園生徒】:塚本恵那/佐々木美紅(Wキャスト)
グレース【クラーク学園生徒】:大木愛子/椎名理紗(Wキャスト)
ハンナ【クラーク学園生徒】:久保井まい子
ドロシー【クラーク学園生徒】:初鹿野菜月/矢島美音(Wキャスト)
スナイパー【クラーク学園生徒】:大沼沙夏海コーラル
ジャック【クラーク学園生徒】:橋本悠希
アダム【クラーク学園生徒】:松岡芽依/ばんばあいり(Wキャスト)
デニーロ【クラーク学園生徒】:阿久津菜摘


企画・製作・主催:ミュージカル座
共催:IMAホール
■ミュージカル座公式サイト:http://www.musical-za.co.jp/
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