「TRUMP」シリーズ誕生10周年に向けたアニバーサリー企画第一弾 ミュージカル『マリーゴールド』が開幕

レポート
舞台
2018.8.27
ミュージカル『マリーゴールド』

ミュージカル『マリーゴールド』

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永遠の命を持つとされる「TRUMP(トランプ)=TRUE OF VAMP」の不老不死伝説に翻弄される吸血種「ヴァンプ」達の姿を描く『TRUMP』シリーズは、2009年に作・演出の末満健一が主宰する演劇ユニット「ピースピット」での第一弾上演以降、俳優集団D-BOYSらによる4度の再演や、2014年にハロー!プロジェクトによる「演劇女子部」で第二弾作品『LILIUM-リリウム少女純潔歌劇-』、2015年に劇団Patchで第三弾作品『SPECTER』、そして2017年にピースピットで第四弾作品『グランギニョル』、と様々な形態でシリーズ上演を続けてきた。

2019年に同シリーズが10周年を迎えるにあたり、アニバーサリー企画の第一弾としてファン待望の新作ミュージカル『マリーゴールド』が2018年8月25日に東京・サンシャイン劇場にて開幕した。シリーズ共通の「生きる」というテーマを、今作品では母娘の愛を軸に描き出している。

出演の壮一帆田村芽実、作・演出の末満健一から届いた初日コメントと、開幕に先立ち行われたゲネプロの様子をお伝えする。


《初日コメント》

壮一帆

本作はTRUMPシリーズ初のミュージカルということで、楽曲も豊かで華やかです。
稽古場で仕上がったものに衣裳と照明が加わることで、より一層、ワクワクして頂ける作品に仕上がっていると思います。
ストーリーでは母娘、それを取り巻く人たちの人間模様が奥深く表現されているので、こちらも楽しみになさってください。
キャストはそれぞれに甘えることなく集中力を持って、稽古に取り組んできました。
カンパニーの力が凝縮された最高の舞台を皆様にお届けいたします!

田村芽実

TRUMPシリーズへの出演は4作目となりますが、今回も世界観に圧倒されました。
これぞ、《圧倒的美演劇》だと思っています。皆さまの心をえぐります。
どうぞお楽しみください。

末満健一

この作品を一言で述べるならば「母娘の愛の物語」です。でも出来上がった作品は、そんな言葉では言い表せないほど生半可なものではなくなってしまいました。稽古をしながら思ったことは、愛には即効性と遅効性のものがあり、また致死量があるということ。壮一帆さんと田村芽実さんの演じる母と娘が、その致死量の愛の物語を身震いするような深度で体現してくれています。どうか、死ににきてください。


小説家のアナベル(壮)は娘のガーベラ(田村)と二人、周囲との関係を断絶してマリーゴールドの花に囲まれた屋敷に住んでいる。屋敷を訪れるのは、担当編集者のコリウス(東啓介)と妹のエリカ(愛加あゆ)、そしてガーベラの主治医・ヘンルーダ(吉野圭吾)の3人しかおらず、アナベルはその3人とすら距離を置いた付き合いをしていた。ある日、アナベルの小説のファンだというソフィ(三津谷亮)と彼の親友のウル(土屋神葉)が屋敷を訪れたことから、アナベルとガーベラの人生に大きな変化が生じてしまう。

ミュージカル『マリーゴールド』

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ゴシックファンタジーと位置づけられた今シリーズ作品だけあって、衣裳から美術に至るまで中世ヨーロッパを思わせる重厚で幻想的な世界観に包まれており、俳優たちの演技も、総じてどこか「死」のにおいを感じさせる暗さを背負っている。その中において、突如アナベルたちの世界に飛び込んで来たソフィを演じる三津谷のストレートな演技が、この作品を意外な方向へと力強く牽引する。

壮は、周囲を魅了する存在感と、愛するものを守る強さと温かさをにじませる。妹役の愛加とのシーンは、さすが宝塚歌劇団時代にトップスターと娘役でコンビを組んでいただけあり、双方とも華やかでかつ息の合った演技を見せる。ミュージカルナンバーでの掛け合いは圧巻だ。

ミュージカル『マリーゴールド』

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田村は、壮と愛加に劣らぬ歌唱力と演技で、ガーベラの孤独と退廃を表現する。花言葉になぞらえた運命が悲しくも美しい。母娘を見守るヘンルーダ役の吉野と、アナベルを見張る公安警察役の宮川浩、二人のミュージカル界のベテランがしっかりと全体を支え、舞台にインパクトを与える。ミュージカルナンバーも、王道バラードからスウィング・ジャズ、ハードロックなどと多種多様で、彩りを添える。

ミュージカル『マリーゴールド』

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永遠の命を持つとされる「TRUMP」の存在が物語の鍵を握り、「生きる」とは何なのかという問いを観客に突きつける。TRUMPへの憧憬と畏怖が入り乱れる様子から、死生観そのものが浮かび上がる。作者である末満健一の頭の中では、幾千年にもわたる『TRUMP』の世界が構築されているという。今作品を見ただけでも、この前後の物語を知りたくなる。壮大なシリーズの今後の展開に期待したい。

ミュージカル『マリーゴールド』

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取材・文=久田絢子

公演情報

ミュージカル『マリーゴールド』
TRUMPシリーズ 10th ANNIVERSARY
 
作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:壮一帆、田村芽実、東啓介、愛加あゆ、三津谷亮、土屋神葉、宮川浩、吉野圭吾
期間・劇場
東京:2018年8月25日(土)~9月2日(日)サンシャイン劇場
大阪:2018年9月7日(金)~9月9日(日)梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
 

料金:8,800円(全席指定/税込み) 未就学児入場不可
一般発売日:2018年6月23日(土)AM10:00

企画・制作:ワタナベエンターテインメント
公演に関するお問い合わせ:ワタナベエンターテインメント03-5410-1885
(平日11:00~18:00)
公式ホームページ: http://marigold.westage.jp/
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