リヤ・ペトロヴァ 来日直前インタビュー 『名曲の花束 ソフィア・ゾリステン&リヤ・ペトロヴァ』に出演
リヤ・ペトロヴァ
2019年11月9日(土)Bunkamuraオーチャードホール、10日(日)たましんRISURUホール(立川市民会館) 大ホールにて、『名曲の花束 ソフィア・ゾリステン&リヤ・ペトロヴァ』が上演される。本公演に出演するヴァイオリニストのリヤ・ペトロヴァは、2016 年カール・ニールセン国際音楽コンクール ヴァイオリン部門優勝、ブルガリアの至宝ともいわれている。17 回目の来日公演を前にリヤ・ペトロヴァのインタビューが届いたので紹介する。
ーー2016年カール・ニールセン国際音楽コンクール優勝によって、変化はありましたか?
私という人物は全く変わっていませんが、プロとしての新たなチャンスを数多くいただきました。新たな扉が開いたので、とても幸せなことだと感じています。優勝後、様々なオーケストラや偉大な音楽家の方々と数多く共演させていただき、パリのルーヴル美術館、ベルリンのコンツェルトハウス、ブリュッセルのパレ・デ・ボザールなどヨーロッパ中のステージでも演奏することができました。
最大の出来事は Orchid Classics というレーベルからオーデンセ交響楽団と共に「プロコフィエフ&ニールセン:ヴァイオリン協奏曲集」というCDをリリースしたことです。多くのメディアで取り上げていただき、高い評価をいただきました。
ーー2016年の日本ツアーでは、全20公演を行いました。思い出はありますか?
ソフィア・ゾリステンと一緒に演奏することで音楽家として大きく成長することができました。同じ楽曲を同じメンバーで20公演行うということは、自分自身に関しても、他のメンバーに関しても未知の発見が多くありました。また、日本縦断の旅は貴重な体験で、豊かな文化を知り、各地の素晴らしい人々と交流することができて楽しかったです。
ーー今回も、プラメン・デュロフ指揮ソフィア・ゾリステンと共演されますね。
ソフィア・ゾリステンとの音楽的交流は何にも代えがたいです。同じステージに立つと、お互いの音を聴き合い、私たちは一つの音になります。メンバー達との演奏が一つの楽器になるのです。 またマエストロは、私にとって音楽における家族だと言えます。最初に共演したのは私が6歳の時で、それ以来、ステージでも、それ以外でも、私の人生でいつも一緒にいます。私に常に刺激を与えてくれて、どんな時も信頼をおける存在です。
プラメン・デュロフ
ソフィアゾリステン
ーー今回のツアーでも、よく知られた小作品を演奏します。
「愛のあいさつ」、「タイスの瞑想曲」、「カルメン幻想曲」、そして「ツィゴイネルワイゼン」…語り継がれてきたヴァイオリンの名曲ばかりのプログラムだと思います。あらゆる著名なヴァイオリニストが演奏してきた作品で、クラシック音楽のヒット曲ばかりです。どの曲を弾くのもとても楽しく、練習していても毎回、何か新しいディテールを発見しています。 聴衆の皆さんには、それぞれの曲に込められた私たちの奥深い感情を聴き取っていただきたいです。そして、私たちの演奏から生まれるエネルギーやメッセージからパワーを受け取ってください。
ーーその中でもサラサーテ「カルメン幻想曲」と「ツィゴイネルワイゼン」は、聴きどころになってくるかと思いますが。
「カルメン幻想曲」は、世界的に最も上演回数が多いとされる、ビゼーの有名なオペラをベースにしています。この曲は愛と情熱について語り、今日の私たちの生活とは全く異なる、自由奔放な文化と生活を知ることができます。
「ツィゴイネルワイゼン」もキャラクター的には似ています。強い感情と情熱を自分の中でコントロールできません。サラサーテはロマ(ジプシー)に対する見方を音楽で表現しました。また、第2部は伝統的なハンガリー舞曲チャルダッシュのリズムがベースとなっています。エンディングは最高傑作に相応しく、非常にエネルギッシュで技巧が凝らされています。
ーー今回も多くの聴衆の前で演奏されます。舞台に立つ時、一番大切にしていることは?
演奏会では、私にとって、分かち合うことが大切です。エネルギーを与え、ヴィジョンを分かち合い、それまで練習してきたことを伝えます。自分が最大限に努力してきたことを、皆さんにお渡しするのです。ステージに立つということは不思議な時間で、音楽家として演奏することで世界を少しだけ心地よい場所にできるのではないでしょうか。
リヤ・ペトロヴァ
ーー最後に日本のファンへメッセージをお願いします!
日本の皆さんは完璧な聴衆です。敬意にあふれ、心温かく穏やかで…。私は日本で演奏するのが大好きなので、また戻って来ることができて、とても嬉しいです。今回も20公演というビッグ・ツアーで、日本の皆さんとお会いできるのが待ち切れません。初めての皆さんも、コンサートホールでお会いしましょう。 「日本、大好き!」