「俺らのすべてを見せてやる!」ONE OK ROCK、満員SSAを圧倒

レポート
音楽
2015.7.14
ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2015 “35xxxv” JAPAN TOUR」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER])

ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2015 “35xxxv” JAPAN TOUR」埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演の様子。(Photo by RUI HASHIMOTO[SOUND SHOOTER])

ONE OK ROCKの全国アリーナツアー「ONE OK ROCK 2015 “35xxxv” JAPAN TOUR」が、7月12日の埼玉・さいたまスーパーアリーナ公演をもって終了した。この記事では、前日の7月11日に同会場で行われたセミファイナル公演の模様を紹介する。

最新アルバム「35xxxv」を携えて5月より開幕したこの日本ツアー。全公演にサポートアクトが参加する対バン形式で行われ、各地ともに大きな盛り上がりを見せた。さいたまスーパーアリーナ公演に出演したのはジョシュ・ダンとタイラー・ジョセフからなるアメリカの新鋭デュオTwenty One Pilots。30分にわたった彼らのライブではミクスチャーロック、ヒップホップ、レゲエなど多彩なジャンルの楽曲がプレイされたほか、2人による客席エリアでのドラムセッション、ジョシュ・ダンによるバク宙、盛大なコール&レスポンスなどが行われ、ONE OK ROCKのステージに向けて熱気を高めていった。

転換時間を挟みONE OK ROCKの出番へ。真っ暗な場内に「Fight the night」を歌うTaka(Vo)の声が響き、その後、真っ白なスクリーンをバックに立ったメンバーの姿が浮かび上がる。ドラマチックなオープニングに怒号のような声援が起こり、オーディエンスのテンションはいきなりピークに達した。間髪入れずに続いた「The Beginning」では、Toru(G)とRyota(B)がステージの前方に飛び出して激しく楽器をかき鳴らす。Takaが「I can't hear!」と叫ぶと観客が大合唱でその言葉に応え、広い会場は強烈な熱気に包まれた。「今日は俺らのすべてを見せてやるからな! 最後までついてこいよ!」というTakaのシャウトと、ド派手な爆発音を合図になだれ込んだ「Memories」では、スクリーンにTomoya(Dr)が茶目っ気たっぷりの表情を浮かべる顔が映し出され、4人が余裕を持ってステージに臨んでいることを伺わせる。「誰1人置いていかねえぞ。もっとかかってこい」というTakaの挑発に続いて、赤いレーザーが飛び交い、CO2が盛大に噴射される中で「欠落オートメーション」が披露される。Ryotaが奏でる低くグルーヴィなベースから口火が切られる「Deeper Deeper」では、Tomoyaが刻む高速のリズムに乗せてTakaが雄叫びのような声を上げた。その後もTakaの「溜まりに溜まったものを吐き出す時間ですよ」という煽りから、4人は「35xxxv」の収録曲「Stuck in the middle」、観客のシンガロングを誘うライブアンセム「Clock Strikes」を立て続けに演奏した。

ここで序盤のブロックが終了し、MCタイムに突入。Ryotaは「めっちゃ気持ちいいです。俺ら今日すべて出すから!」、Tomoyaは「めっちゃいい感じやね」と広い会場を見渡してうれしそうな表情を浮かべる。Toruも「今回のツアー、このハコが一番デカイです。みんな来てくれてありがとうね。今日は全部出しきってやるからみんなかかってこいや!」と煽る。Takaは「最高の時間を過ごせています」と口にし、オーディエンスに感謝の思いを伝えた。メロウな「Smiling down」を挟み、再びTakaがMCを開始。彼はアメリカで制作した「35xxxv」について言及し、「こうやってアルバムのツアーをやれていることに何よりも幸せに感じます」と感慨深そうに語る。さらに結成10年目にして生まれた「35xxxv」について「必死でもがいてやってきた1つの集大成」と称すると、「今のところONE OK ROCKというバンドが世界で一番カッコいいということ。日本では誰にも負けないという気持ちで歌っていきたいと思います」と明言。続けて「ONE OK ROCKはもっともっとデカくなって、日本のミュージックシーンを覆すようなことをするかもしれません。でもカッコ悪いことはしません!」と宣言した。そんな言葉に続いたのはバンドの10年間の歩みを歌った「Cry out」。巨大なサークルがアリーナエリアに生まれ、場内の一体感が増していく。

またTakaとToruの2人だけで披露された「Good Goodbye」、Takaの歌声に楽器隊のメンバーが息を合わせるように優しい音を重ねた「Heartache」では、タフなだけではないバンドの一面をアピール。「ONE OK ROCK史上最もドポップな瞬間がやってきました!」というTakaの言葉から続いた「Paper Planes(featuring Kellin from Sleeping with Sirens)」では、メンバーが曲の途中でサイン入りグッズをバズーカ砲で客席に放ったり、盛大なコール&レスポンスを行ったりとハッピーな時間を作り出した。楽器隊の3人がセッションを繰り広げるインストゥルメンタルナンバー「3xxxv5」を経て、バンドは「Take me to the top」から再びギアをトップに入れ、火炎が飛び交う中で激しいパフォーマンスを繰り広げる。さらにTakaは声を枯らしながら「完全感覚Dreamer」を歌い上げ、間髪入れずに本編のラスト「Mighty Long Fall」につなげた。激しく明滅する赤と白のライトが刺激的な楽曲の世界を彩り、ラストではTakaの壮絶なシャウトと不気味なギターのフィードバックノイズが観客を圧倒していた。

アンコールの開始とともにTakaが客席から現れ、オーディエンスを挑発するように「まだいけるよな?」とシャウト。彼は猛ダッシュでステージに戻ると「アンサイズニア」を歌い出した。またTakaは曲中で再びアリーナエリアに降りると、今度は観客と一緒に大合唱。パフォーマンス中にファンから寄せ書き入りのフラッグを受け取るとそれを肩にかけてステージに戻り、そのままラウドな「One by One」を叩き込んだ。

最後のMCでTakaはメンバーを代表して「本当に本当に突っ走ってきた、そんなツアーでした。つらいし苦しいけど、みんながいるから歌えます。ありがとうございます」とオーディエンスに感謝する。「僕たちも皆さんからしっかりとパワーをもらってます。何回このツアーで皆さんにパワーをもらったか。何回くじけそうになったときに皆さんが応援してくれたか。そのやりとりで今日も僕たちは一生懸命がんばることができてます。これから先はまだまだ長いですが、ともに一緒にがんばって戦っていきましょう」と口にしたTakaは、「Decision」の出だしをマイクを通さずに歌い上げる。するとその声にあわせてシンガロングが起き、徐々にその輪が会場に広がっていった。その後、バンドの演奏が加わり、サウンドにあわせて観客がライトを点けたスマートフォンを掲げ、ライブのフィナーレにふさわしい壮大な光景を作り出す。そして「We love you so much!」というTakaの言葉が初日のさいたまスーパーアリーナ公演を締めくくった。

なお「ONE OK ROCK 2015 “35xxxv” JAPAN TOUR」のさいたまスーパーアリーナ公演の模様は、9月27日(日)にWOWOWにてオンエアされることが決定している。放送時間は決定次第アナウンスされるのでお楽しみに。

ONE OK ROCK「ONE OK ROCK 2015 “35xxxv” JAPAN TOUR」
2015年7月11日 さいたまスーパーアリーナ セットリスト

01. Fight the night
02. The Beginning
03. Memories
04. 欠落オートメーション
05. Deeper Deeper
06. Stuck in the middle
07. Clock Strikes
08. Smiling down
09. Liar
10. Cry out
11. Good Goodbye
12. Heartache
13. Paper Planes(featuring Kellin from Sleeping with Sirens)
14. 3xxxv5
15. Take me to the top
16. Suddenly
17. 完全感覚Dreamer
18. Mighty Long Fall
<アンコール>
19. アンサイズニア
20. One by One
21. Decision

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