村瀬歩・佐藤拓也の脳内を診断 【イベントレポート】耽美と狂気が渦巻く映画『ダニエル』の吹替え版<特別映像>が公開

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2021.1.30

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村瀬歩・佐藤拓也が、2021年1月29日に開催された映画『ダニエル』(2月5日全国公開)のオンライントークイベントに登壇した。ふたりは、同映画の特別映像で吹替えを担当している。イベントのレポートとあわせて紹介する。

吹替えが楽しめるのは<特別映像>だけ

“吹替版”特別映像

映画『ダニエル』は、イマジナリー×スリラー作品。

【あらすじ】孤独な幼少期を過ごしていたルーク(CV.村瀬歩)。心に大きな傷を負った彼の拠り所は、ダニエル(CV.佐藤拓也)という名の、自分以外には見えない親友の存在だった。ある事件を機にそんな“空想上の親友”を封印したルークだったが、時が経ち不安と孤独に苛まれたことで再びダニエルを呼び起こす。カリスマ性に溢れ妖しくも美しい魅惑的なダニエルは、孤独なルークにとって“唯一の理解者”となり、やがてルークの生活は一変。全てが順調に進み、いつしかダニエルを必要としなくなるが、ダニエルはそれを許さず、次第にルークを支配しようと動き出す―。

(C)2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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特別映像は、美しくも恐ろしいダニエルとの出会いにより、やがて”破滅”に向かっていくルークの姿を捉えた、衝撃の展開を予感させる映像となっている。なお、吹替版の上映は予定されていないため、ふたりの吹替が見られるのは、<特別映像>のみとなっている。

【レポート】トークイベントに村瀬&佐藤が登壇

本作の公開に先駆け、オンライントークイベントが実施された。スペシャルゲストとして、“吹替え”特別映像で主人公ルークとダニエルの声を務めた、人気声優の村瀬歩(ルーク役)、佐藤拓也(ダニエル役)、さらに精神科医・名越康文らが登壇。

(C)2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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特別映像では、内気で繊細なルークの声を村瀬、空想上の親友=ダニエルの声を佐藤がそれぞれ担当。まずはふたりが、アテレコについてトークを披露。収録について感想を問われると、「一緒に収録出来て楽しかったですね」と顔を見合わせるふたり。主人公ルークの声を演じた村瀬は、「(ルークは)大学生活や両親ともうまくいかず、心に傷を抱えて“イマジナリーフレンド”を作ってしまう、という役どころなので、想像力が豊かで内にこもりがちな大学生なのかなと思って、そんな内面を大事にしながら演じました」と振り返る。

「お互いにいつもの感じよりはウエットな質感を重視」(佐藤)

一方で佐藤も、「映画のコピーにあるように、ダニエルは“何かがおかしい”という役どころ。頼りがいがあるけれど、ちょっと怖いような…そんなダニエルの一面を感じ取ってもらえるように演じました」とアピール。そう答える両者は、アニメ作品だけではなく、ゲームやドラマCDなど多数の作品で共演済みの関係。村瀬は「本作とは両極にあるような、結構大声を出す作品で(佐藤とは)共演していたので(笑)、ダニエルのゾクゾクする感じといいますか、(佐藤の)色気がある声にはドキッとするなと思いましたね」と語り、これまでの作品と違った役どころでの共演を楽しんでいた様子。

対する佐藤も「役作りについて話し合いはしていないものの、お互いにいつもの感じよりはウエットな質感を重視しましたね。共同作業みたいな感じでした」とアテレコの様子を明かしていた。さらにふたりがMCからのリクエストに応え、特別映像でのセリフを一言ずつ生披露する場面も。

恐ろしくも美しいふたりの関係性をプロが解説

(C)2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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前半で描かれるルークのダニエルの“ブロマンス”から一転、ダニエルが本性を露にし、ルークを“侵食”しようと動き出す、予想外の展開が描かれていく本作。イベントでは、そんな恐ろしくも美しいふたりの関係性や物語について“プロ目線”で解説すべく、精神科医の名越康文が登場。まずは本作を観た感想について、名越は「僕も年間100本くらいの作品を観ていますが、実は本当に深い作品ですよね。何か割り切れないものが残って、いい後味が残る作品なんですよ」と熱弁する。

「イマジナリーフレンドを持つ人はたくさんいると思います」

MCから、まずは“イマジナリーフレンド”について問われると、「実は精神医学の名称ではないものなんですよね。一般的には多重人格だったり、解離症状とかそのように表現しますが、世の中にもイマジナリーフレンドを持つ人はたくさんいると思いますよ」と説明する名越。

(C)2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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さらに、劇中で幼少期にルークがダニエルに危険な目に遭わされ、母親に命じられダニエルを城に閉じ込めるシーンに触れながら、名越は「心理学的には見事に正しい指標ですよね。例えば、何か怖い思い出があったとしたら、何かに閉じ込めようと気持ちを誘導したりすることが大事なんですね。馬鹿げているように見えるかもしれませんが、意外と効いたりするんです」と精神学の知識を交えながら解説する場面も。

映画の見え方が変わる仕掛けに村瀬&佐藤も驚き

(C)2019 DANIEL FILM INC. ALL RIGHTS RESERVED.

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さらにイベントでは劇中シーンごとに徹底解説する企画も実施。まずは自信の持てないルークに、ダニエルが力強い言葉で励ますシーンが紹介されると、名越は「最も印象的なのは“僕は君の一部だ”というセリフ。これは、実はルークに協力的な姿勢を見せながらも、“(ルークはダニエルに)もう支配されているんだよ”という意味と一緒なんですよね。催眠にかける手段の一つなんですよ」とプロならではの目線で解説。

するとそんな名越の解説に村瀬は「あのシーンにそんな仕掛けがあったんですね」と驚く一方で、佐藤も「それを聞くと見え方が全然変わりますよね。一つ一つのセリフがフックになっていくようで気になりますね」と興奮気味で語り合う場面も。

続いて紹介されたのは、何もかもが上手くいくようになり、ダニエルを必要としなくなったルークに対し、ダニエルが
本性を垣間見せ、ふたりの関係が崩れ始める予兆を感じさせる場面。このシーンについて名越は「映画史に残るくらい良いシーンだと思います」と絶賛し、印象的なシーンだったと語る。

支配されていく美しくも恐ろしいシーン

「精神科医としてはあるまじき発言かもしれないですが、次第にイマジナリーフレンドだったダニエルが“人格化”されていき、ああいうこと(ルークがダニエルを支配すること)が起こりうるかもしれないと思いましたね。ダニエルがいると、ルークがますます支配されていく可能性がある。美しくも恐ろしいシーンだなと思いました」と感嘆していた。

そんな名越によるプロならではの解説の数々に、村瀬は「役者さんの表情や声から受けるインスピレーションも勿論ですが、これから映画を観る方も、名越さんが解説してくださった内容を聞いたうえで観るともっと楽しめる気がします」、佐藤も「そうだったのか!という気づきがたくさん出てきますね。全編、名越さんのコメンタリー付きで観たいくらい」とそれぞれ語っていた。

村瀬&佐藤の脳内を診断

さらにイベントでは、ダニエルがルークの脳を支配するという物語にかけ、脳内診断企画も実施。診断では2021年の「脳内メーカー」を使用。まずは脳内一面に“疑”の文字で埋め尽くされた名越の診断結果が発表されると、名越は「印象悪すぎるやん」と思わずツッコミを入れつつも、「否定したい自分がいますね、当たってるかもしれません(笑)」と自白し、笑いを誘っていた。

続いて、佐藤の診断では、【妄】【悪】【学】【怒】と様々な要素が入り混じる結果に。この結果に隣の村瀬が即座に「ダニエルみたいな結果じゃん!」とつっこむと、佐藤も「ダニエルの“悪・怒”と、イマジナリーフレンドの“妄”と、“学”はルークの日常と…ダニエルみたいな結果が出ました(笑)」と思わず同意していた。

そして村瀬の診断では、【愛】を境目に【悩】【泣】という文字が半々に分かれる結果に。この結果に名越が「真ん中に“愛”があるのがルークっぽいよね!」と指摘すると、この偶然にすかさず佐藤が「もしかして僕らの今回の抜擢って、診断メーカーありきのキャスティングですか?(笑)」と笑いを交えながら締めていた。

“脳内を支配されるほど”ハマっていること

その流れでMCから、“脳内を支配されるほど”ハマっていることについて話が及ぶと、村瀬は「最近は一人でお酒飲みながらゲーム配信しながら、ファンの皆さんと話している時間が癒しですね。それが最近楽しいです」と答え、笑顔を見せる。

対する佐藤は、「僕は甘いものですね」と回答。「最近トレーニングをしたりして身体を絞ることが増えているんですが、ドーナッツを好きなだけ食べていると、過去の自分に対して悪いことしている気分になって、二度美味しくなりますね」と独特な理由を添え、笑いを誘っていた。

何らかの形で、本編の吹替えもさせていただけると嬉しいな」(佐藤)

そしてイベントの最後には、ゲストらから映画を心待ちにするファンへ一言ずつメッセージが。「映画の公開ももうすぐですが、まずは僕等が声を務めた特別映像を観ていただいて、作品の世界観を感じ取っていただけたら嬉しいです」(村瀬)、「引き込まれる画作りや、主演のお二人の芝居も素晴らしい作品でした。僕たちは特別映像という形での吹替え出演でしたが、欲を言えば何らかの形で、本編の吹替えもさせていただけると嬉しいなと思っています」(佐藤)、「すごく深い物語でありながらも、誰もが没入できる世界観が描かれている作品です。僕も一ファンとして、いつか吹替え版の上映が観れることを楽しみにしています」(名越)とコメントし、イベントが締めくくられた。

耽美と狂気の世界に導く美しくも恐ろしい“ダニエル”

“吹替版”特別映像

特別映像では、怯えるルークに「今の顔、最高だ」と恍惚の表情を浮かべたり、ルークの首を絞め襲い掛かる姿など、ダニエルの恐ろしい一面が次々と映し出される。逃れられない恐怖の中、次第にダニエルに狂わされ、嬉々とした表情で煙草をふかしたり、高笑いする“様子のおかしい”ルークの姿も……。映像のラストでは見た目はルークだが、不気味な笑みを浮かべ、「解放すると約束しただろう?」とダニエルの声の呟きで締めくくられる。

ダニエルがルークに憑依したことを示唆する狂気じみた姿からは、思わず鳥肌が立つような緊張感が走り、その先に待ち受ける<予測不能なクライマックス>を予感させる映像となっている。耽美と狂気が渦巻く強烈な世界観にさらなる厚みを持たせている、村瀬と佐藤の吹替が堪能できる。

『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッド製作、ティム・ロビンス&スーザン・サランドンの息子マイルズ・ロビンスと、アーノルド・シュワルツェネッガーの息子パトリック・シュワルツェネッガーが夢の共演。ハリウッド期待の二世俳優が贈る“イマジナリー×スリラー”『ダニエル』は、2021年2月5日(金)全国公開。

上映情報

『ダニエル』【R15+】

2021年2月5日(金)全国公開
製作:イライジャ・ウッド
監督・脚本:アダム・エジプト・モーティマー
キャスト:マイルズ・ロビンス、パトリック・シュワルツェネッガー
配給:フラッグ
公式サイト:danielmovie.jp
公式Twitter:@danielmoviejp

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