『氣志團万博2022』3年ぶりの現地開催で痛感した、生じゃないと伝えられないこと、あの場にいないと受け取れないメッセージ

レポート
音楽
2022.9.27
森山直太朗 撮影=上山陽介

森山直太朗 撮影=上山陽介

倖田來未 撮影=中野修也

倖田來未 撮影=中野修也

Creepy Nuts 撮影=釘野孝宏

Creepy Nuts 撮影=釘野孝宏

東京スカパラダイスオーケストラ 撮影=釘野孝宏

東京スカパラダイスオーケストラ 撮影=釘野孝宏

女王蜂 撮影=中野修也

女王蜂 撮影=中野修也

一日中雨という予報をぶっ飛ばし、時々訪れる通り雨以外はほぼ晴天という、天候に恵まれた最終日。綾小路の盟友、森山直太朗の開会宣言に続き、トップバッターで登場したのは、『氣志團万博』初登場となるポップディーバ、倖田來未。セクシーで美しくしなやかな歌とダンスで魅せる「キューティーハニー」で始まり、「愛のうた」、「め組のひと」とヒット曲を連発して会場を沸かせ、最終日の幕を華々しく開ける。倖田來未で始まり、Creepy Nuts、きゃりーぱみゅぱみゅ、マキシマム ザ ホルモン、東京スカパラダイスオーケストラ、女王蜂と、日本のみならず世界で活躍するグローバルな出演者が揃ったこの日は、初めて見る人も絶対に楽しめる、ライブ最強アーティストが揃い踏み。タイムテーブルを眺めて“全部見たいんだけど、どのタイミングでメシを食えばいいの!?”と悩むのは、『氣志團万博』あるある。教えましょう、YASSAIからMOSSAIへの移動中にメシを買って、少し離れたところからライブを観ながら食べればいいんです!

純烈♨ダチョウ 撮影=釘野孝宏

純烈♨ダチョウ 撮影=釘野孝宏

きゃりーぱみゅぱみゅ 撮影=上山陽介

きゃりーぱみゅぱみゅ 撮影=上山陽介

マキシマム ザ ホルモン 撮影=浜野カズシ

マキシマム ザ ホルモン 撮影=浜野カズシ

「『氣志團万博』の出演がなかったら、この歌を歌うことはなかった」と裏話を話し、「白い雲のように」を故・上島竜兵に届けるべく、空に向かって気持ちいっぱいに歌った純烈■ダチョウ(※注:■=温泉マーク)。突然降り始めたどしゃ降りの雨に打たれながらも“カワイイ”を保ち続け、笑顔を絶やさずパフォーマンスする姿が感動的だったきゃりーぱみゅぱみゅ。前日深夜に音楽番組『LOVE MUSIC』で互いのリスペクトを語っていた、マキシマム ザ ホルモンとR-指定の「ぶっ生き返す!!」の旬すぎるコラボなど、見どころ満載だったこの日。すっかり陽が落ちたYASSAIステージの大トリ前に登場し、僕を含めたライブを初めて観るであろうオーディエンスを釘付けにしたのは、氷川きよし。

氷川きよし 撮影=上山陽介

氷川きよし 撮影=上山陽介

キラキラしたセクシーな衣装で登場し、美しく華麗なパフォーマンスで魅せながら、夜空に美声を響かせた氷川。「氷川きよし業をやってました、kiinaと申します」と自己紹介して披露した、kiina名義で自身が作詞した「You are You」では“あなたはあなた、自分らしく生きましょう”とメッセージを贈る。「きよしのズンドコ節」では綾小路とコラボし、「この曲が、悟空が、自分の心を開いてくれました」という曲紹介に大きな拍手が起きた「限界突破×サバイバー」で、限界突破の奇跡的な盛り上がりを生む。さっきまでマキシマム ザ ホルモンで暴れていた人たちが、氷川に熱狂している姿に“これぞ、『氣志團万博』の面白さ!”と改めて思わされたし。生氷川の圧倒的な歌唱力、カッコ良さや色気や可愛らしさといった人間的魅力に“やっぱり、生のライブに勝るものなし!”と思わされた。

氷川きよし 撮影=上山陽介

氷川きよし 撮影=上山陽介

氣志團 撮影=上山陽介

氣志團 撮影=上山陽介

氣志團 撮影=青木カズロー

氣志團 撮影=青木カズロー

そんなお祭り騒ぎの3日間を締めくくったのは、もちろん氣志團! 「One Night Carnival」で始まり、ど頭からガッツリ盛り上げると、「自分自身も半信半疑だったけど、3日間完走できました。ありがとうございました!」と、全ての人への感謝を告げた綾小路。コロナ禍で中止になったフェスを想って描いた「No Rain,No Rainbow」、故郷の風景を歌った『氣志團万博』に欠かせない曲「落陽」と、いまここで歌う意味のある楽曲を一曲一曲、丁寧に力強く届けると、今年の『氣志團万博』のテーマ曲と言える「房総魂」をスカパラホーンズをゲストに迎えて派手やかに披露。するとラスト、「『氣志團万博』と言えば、この曲でしょう」と始まった曲は、なぜかCHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」。氷川きよしや森山直太朗、ナヲ(マキシマム ザ ホルモン)も加わって大熱唱したこの曲。サビで純烈■ダチョウが登場して“ヤー! ヤー! ヤー!”と歌ったところで、“あ、そういうことか!”と納得。ステージを見守るオーディエンスが幸せそうな失笑を浮かべる中、大・大団円で『氣志團万博2022』が幕を閉じた。

氣志團 撮影=青木カズロー

氣志團 撮影=青木カズロー

撮影=上山陽介

撮影=上山陽介

全力で楽しむぞ! と意気込み臨んだ、3年ぶりの現地開催となる『氣志團万博2022』。終わってみての感想は、やっぱり“あ~、楽しかった!!”しか無かったし、それが一番良いと思った。そして、何が楽しかったのか? どう楽しかったのか? を文章にしたり、声を大にして語り伝えていくのが、僕の務めだと思った。来場した人は絶対に“来て良かった!”と思うし、来られなかった人は行った人の感想やこういったレポを見て、“来年こそは絶対に行こう!”と思うはず。そんな好循環が少しずつではあるかも知れないけど日常を取り戻してくれるし、当たり前じゃなかったあの風景を再び生み出してくれるのだろう。

撮影=青木カズロー

撮影=青木カズロー

撮影=青木カズロー

撮影=青木カズロー

撮影=中野修也

撮影=中野修也

《今約束しようぜ ここでまた逢うことを》

3日目の大トリで氣志團が演奏した「房総魂」。最高に楽しかった3日間を共に過ごしたオーディエンスや出演者に向けて綾小路が届けたこのフレーズは、あの地でまた逢えるようにと祈るように歌った配信ライブとも、ここでまた逢えたことの喜びを歌った初日とも、全く意味が異なり、“来年、ここでまた逢うことを約束しようぜ”とそこにいる全ての人と固く約束をする、希望や期待に満ちたものだった。これは絶対に生じゃないと伝えられないことだったし、あの場にいないと受け取れないメッセージだったし、まだまだシンドい世の中だけど、来年、ここにまた来れるように頑張ろう、とみんなに勇気や力を与える『氣志團万博』にしかできないことだった。『氣志團万博』の翌朝目覚めて、“昨日までの出来事は夢だったんじゃないか?”と思うくらいフワフワしていた僕。袖ケ浦でまた逢える日が、夢みたいな時間が今から本当に楽しみだが、まずは2023年1月1日発売の氣志團のニューアルバムと1月3日の日本武道館公演を楽しみにして、このシンドい世の中をサバイブしていきたい。……と、『氣志團万博』の最大の功労者である、氣志團の宣伝を最後に入れておく(笑)。

撮影=上山陽介

撮影=上山陽介


取材・文=フジジュン
撮影=青木カズロー/上山陽介/釘野孝宏/中野修也

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