世代交代の悲哀をコメディ仕立てに描く 加藤健一事務所3月公演『グッドラック、ハリウッド』上演決定
『グッドラック、ハリウッド』
2023年3月29日(水)~4月9日(日)下北沢・本多劇場にて、加藤健一事務所3月公演『グッドラック、ハリウッド』の上演が決定した。
本公演で、加藤健一事務所が初めてアメリカの劇作家、脚本家リー・カルチェイムの作品を上演。また、新人作家・デニス役には加藤健一事務所初登場の関口アナン、そして演出には同じく初登場の日澤雄介を迎える。
時代は流れ、変化するもの。立ちはだかる世代交代という現実とどう向かい合うのか? 第二の人生をいかに歩むのか?映画の聖地ハリウッドを舞台に、リー・カルチェイムがユーモア溢れる台詞で描いた本作を舞台上でどのように表現するのか、期待が寄せられる。
◆作者 リー・カルチェイム
劇作家、脚本家。1938年6月27日、アメリカ・ペンシルベニア州に生まれる。代表作は、演劇分野では『Defiled』『Friends』『The Prague Spring』、テレビシリーズでは『The Bridge of Adam Rush』『The Secret of Charles Dickens』など、数多く執筆している。『All In The Family』ではプライムタイムエミー賞(1973年)、『The Paper Chase』ではケーブルエース賞(1983年)を受賞した。
また、ニューヨーク大学やトリニティカレッジ、高校や演劇学校等、多数の教育機関にて教鞭を執った。著書『Father Knows Less』は、自身に双子の息子が誕生した経験から書いた作品である。2009年には、東京グローブ座にて『SEMINAR(セミナー)』世界初演が行われた。
◆作品上演歴
2004年11月、ニューヨーク州の劇団であるペンギンレップが初演。2007年、シーエイティプロデュースが日本初演。(訳:小田島恒志/演出:山田和也/出演:長塚京三、久世星佳、筒井道隆)2012年、T-PROJECTが上演。(『ハリウッド再臨』 訳:小田島恒志/演出:菊池 准/出演:田中正彦、川島得愛、宮寺智子)加藤健一事務所では初上演である。
とあるオフィスのスプリンクラーから垂れ下がった、先に輪のついたロープ。そして机の上に立つ男。
偶然入って来た若い作家のデニス(関口アナン)がハリウッドに来て早々に出会った不審なその男は、過去に大成功を収めた憧れの名監督で脚本家のボビー・ラッセル(加藤健一)だった。
しかし今、ボビーの脚本を映画会社は受け入れてくれない。求めているのは質の良い脚本でも、監督の実力でもない。デニスのような「トレンドに乗った人間」なのだ。
この衝撃的な出会いをきっかけに、新旧の二人は詐欺まがいな共同作業をすることになる―誰も傷つかない嘘をつこうじゃないか。何も知らない助手のメアリー(加藤忍)は、そんな二人の違和感に気付きボビーを心配し始める。
垂れ下がり続けるロープ、そしてクランクアップした映画が三人にもたらした新しい人生、待ち受ける人生とは…。