『おぱんちゅうさぎ』が報われる日は来るのか? 可愛くて可哀想な『おぱんちゅうさぎ展』潜入レポート

レポート
アート
2023.3.22
『おぱんちゅうさぎ展』 (C)KAWAISOUNI!

『おぱんちゅうさぎ展』 (C)KAWAISOUNI!

画像を全て表示(18件)

『おぱんちゅうさぎ展』が、2023年3月10日(金)から3月27日(月)まで、池袋PARCO 本館7F・PARCO FACTORYにて開催されている。

『おぱんちゅうさぎ』は、CHOCOLATE Inc. 所属のイラストレーター・可哀想に! による人気キャラクター。潤んだ瞳とポッテリした唇が特徴的な、可愛らしさと哀愁が共存したウサギである。本展は、そんなおぱんちゅうさぎ(以下、おぱんちゅ)の愛くるしい世界にとっぷり浸れるファン待望のイベントだ。さっそく、展示の見どころを紹介していこう。

大丈夫か、おぱんちゅよ。

会場エントランス

会場エントランス

会場に足を踏み入れてまず目に入るのは、飛び散るペンキ、乱れた『おぱんちゅうさぎ展』のロゴ。写真には写っていないが、反対側にある「うけつけ」の文字もよく見ると間違っているようだ……。急ピッチで準備したことが伝わってくる。エントランスからこんな状態だとしたら、この先は大丈夫だろうか……?

実は、本展は「展覧会を設営する工事スタッフさんが来られなくなってしまい、急遽おぱんちゅ本人が徹夜で準備をした」という設定で開催されている。間が悪かったり優しすぎたり、いつも何かと報われないおぱんちゅだが、自分ひとりで展覧会の準備をするなんて!

会場風景

会場風景

まず出迎えてくれるのは、おぱんちゅの部屋を再現したコーナー。Twitterで公開されている2コマ漫画などを元ネタに、見覚えのある小道具があちこちに散りばめられている。本展は写真撮影OKなので、お気に入りのアイテムを見つけて一緒に切ない顔で撮影すると楽しいかも。

会場風景

会場風景

例えばコチラは、組み立て方が分からず、恐ろしく高い一本脚になってしまったベッド。壁には組み立て説明書(絵しかない)の姿も。組み立て式家具ってたまに異様に難しいよね、わかる……。

ほかにも、壁に立てかけた状態で置き配され、重力に従ってグチャッとなった可哀想なピザ、散らばった大量のお弁当のバランなど、ファンなら「あ!」とテンションが上がるポイントが多数だ。

会場風景

会場風景

壁には、おぱんちゅが友達を描いた絵がきれいな額に入れて飾られている。ああ、友達のことが好きなんだなぁ、とホッコリする瞬間だ。気合いの入り方からして、おそらく、徹夜の準備もここから始めたのだろう。並べ方ガッタガタだけど。

クローゼットから心の中まで

会場風景

会場風景

続いては、おぱんちゅのクローゼットの中をイメージしたゾーンへ。ひらひらのヴェールをかい潜って進んでいくのはちょっとワクワクする体験だ。タンスから白い“おぱんちゅ”がハミ出してますよー!

会場風景

会場風景

そしてクローゼットを抜けると、(精一杯)華やかにライトアップされた“おぱんちゅの好きなものコーナー”が。「着衣グマ」「脱帽カッパ」といった友達の姿や、美味しい食べ物のぬいぐるみたちが迎えてくれる。

これは……?

これは……?

壁の人形は、おぱんちゅが自分で作ったおぱんちゅ像とのこと。自己認識と手先の器用さと一体どっちが破綻しているのかは不明だが、とりあえず全然似てなくて笑えてしまう。

手作り感満載の展示を見ていくと、必死さと健気さについエールを送りたくなる。頑張れ、おぱんちゅ……! いつも通り報われなくても、最後まで見届けてやるぞ!

いっぱい撮りましょアップしましょ

会場風景

会場風景

展示室内のモニターには、おぱんちゅのアニメーション映像が。白い花の形かと思ったら、よく見ると“おぱんちゅ”形だった。

続いて、狭い一角にこれでもかと大集合したおぱんちゅたちも。

会場風景

会場風景

会場風景……?

会場風景……?

手前の台は、持参した“Myおぱんちゅ”を置いて一緒に写真を撮る用だそう。またとない祭りの機会なので、手元のおぱんちゅ&大量の仲間たちとで一緒に記念写真を撮るのがおすすめだ。

会場風景

会場風景

本展ではオリジナルのフォトスポットも複数用意されている。こちらは「新幹線でいきなり座席を倒されて、お弁当が……。ひとこと言ってくれれば……」という哀しすぎる瞬間を再現したフォトスポット。座席を倒した男性の罪のない顔も大概だが、周囲の乗客の清々しいまでの無関心ぶりにも世の無情が漂う。ちょうどおぱんちゅの位置に椅子があるので、ぜひおぱんちゅの気持ちを追体験して撮影してみてほしい。

入場特典「前が見えないお面」(全4種ランダム配布)

入場特典「前が見えないお面」(全4種ランダム配布)

撮影には、入場者特典のお面をつけて臨むのもアリだ。こちらは「前が見えないお面」。公式HPによると「目の部分に穴が空いていないので、かぶっても前が見えません」とのこと。ハイパーナンセンス! でもかわいい!

なお、ここまでに紹介しきれなかった展示もあるため、あとは現地でのお楽しみだ。

連帯のエールを君に

会場風景

会場風景

展示の最後には、おぱんちゅへのメッセージコーナーが。入場時にひとり一枚ずつもらえる“おぱんちゅ”型の付箋にここでメッセージを記入し、壁のパネルに貼っていこう。「行け! おぱんちゅを、メッセージでうめろっ!」との指示も。会期が終わる頃には、おぱんちゅはどうなってしまうのだろうか……。

グッズもゲットしたいですね

ショップ風景

ショップ風景

そしてメッセージコーナーの先には、お待ちかねのショップも。おぱんちゅグッズの圧巻のラインナップにうれしい悲鳴を上げるべし。(※写真は内覧会時の様子。商品は完売している可能性もあるので、直接現地でご確認を。)

ショップ風景

ショップ風景

こちらが、本展オリジナルグッズのコーナー。事前にHPでチェックしていたものの、実物を見ると想像の数倍可愛いくて目移りしてしまいそうだ。

中央:刺繍ペイントパーカー8,580円(税込)、左右:刺繍プリントTシャツ4,180円(税込)

中央:刺繍ペイントパーカー8,580円(税込)、左右:刺繍プリントTシャツ4,180円(税込)

整列するおぱんちゅたち

整列するおぱんちゅたち

『おぱんちゅうさぎ展』は、2023年3月10日(金)から3月27日(月)まで、池袋PARCO 本館7F・PARCO FACTORYにて開催中。そののち、名古屋・心斎橋・広島・仙台PARCOへ巡回予定だ。

被害者ぶるな! とすぐに言われてしまう現代。繊細すぎて不器用すぎてゴメンなさい。でもだからって、ひとを踏み付けにするような自分にはなれない……。だから、おぱんちゅは今日も涙を溜めながら踏ん張るのだ。多分。可愛くて可哀想な『おぱんちゅうさぎ展』には、もしや、日頃なかなか大っぴらには言えない“弱き者のホンネ”を発散&成仏させる、そんな効果もあるのではないだろうか。果たして考え過ぎかどうか。ぜひ、足を運んで実感してみてほしい。


(C)KAWAISOUNI!
文・写真=小杉 美香

イベント情報

『おぱんちゅうさぎ展』
●会期:2023年3月10日(金)~2023年3月27日(月)
11:00~21:00 ※入場は閉場の30分前まで。最終日は18時閉場。
※状況により池袋パルコ本館の営業時間が変更になる可能性がございます。
●会場:池袋PARCO 本館7F・PARCO FACTORY(東京都豊島区南池袋1-28-2)
●入場料:500円(入場特典お面付き。全4種ランダム) ※未就学児無料
●展覧会公式HP:https://art.parco.jp/parcomuseum/detail/?id=1174
巡回展スケジュール
●名古屋 4月1日(土)~4月16日(日)
●心斎橋 4月21日(金)~5月8日(月)
●広島 6月23日(金)~7月9日(日)
●仙台 7月14日(金)~7月30日(日)
※その他の開催は決定次第順次発表いたします。
シェア / 保存先を選択