2020年東京五輪に向け、日本がやるべきこととは?

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2016.1.16
ジェニー・シーレイ

ジェニー・シーレイ

2020年を見据えたシンポジウム

2020年に開催される東京オリンピック/パラリンピックに向け、様々な業界・ジャンルですでに多様なプロジェクトが進行しているが、なかでも気になるのが開会式や閉会式といったセレモニーの演出は誰がやるのか!? ということ。下馬評では、オリンピック演出については、北野武、宮本亜門、野田秀樹、野村萬斎等々の名前が上がっているものの、ではパラリンピックは!? というと、さて誰になるのだろう? いや、それだけではなく、オリンピックと同時並行で行われる文化プログラムって何なの!?

そんなことやこんなことを、いろいろ考えさせてくれるシンポジウム『障害の先にあるパフォーマンスが社会にもたらすもの』が、1月18日(月)日本科学未来館で行われる。2012年ロンドン・パラリンピック競技大会開会式の共同ディレクターを務めたジェニー・シーレイさんを招いて、ロンドン五輪および文化プログラムのもたらした成果などを紹介。そして、障害のある人とない人の出会いと恊働創作の場づくりに取り組むNPO(特定非営利活動法人)スローレーベルのディレクター栗栖良依さんや、競技用(パラリンピック用)義足の研究開発で著名なロボット工学者の遠藤謙さんとともに、それぞれの事例を共有していく貴重なシンポジウムとなる。

今回来日するジェニー・シーレイさんは、障害のあるプロの俳優やスタッフによる英国の劇団グレイアイ・シアター・カンパニーの芸術監督を1997年から務めている人。英国において障害のあるアーティストの育成や舞台芸術セクターのアクセシビリティ向上を牽引してきた人物で、ロンドン五輪の文化プログラム「アンリミテッド」ではアーティスティック・アドバイザーを務めた。

日本においても、文化や科学技術の力を応用し、障害の有無を越えてあらゆる人々がスポーツやアートに親しめる環境作りについての意識が高まっている。2020年に向けて、今、日本がやるべきことを考えていく絶好の機会となるだろう。

また、関連プログラムとして、2月6日(土)・7日(日)に横浜・象の鼻テラスで発表を予定している『SLOW MOVEMENT -The Eternal Symphony 1t mov 横浜公演-』に出演する市民パフォーマーに向けたジェニー・シーレイさんが公開ワークショップも開催される。誰でも自由に見学可能とのことなので、興味のある人はぜひ覗いてみてほしい。

イベント情報
シンポジウム「障害の先にあるパフォーマンスが社会にもたらすもの」

■日時:2016年1月18日(月)14:00〜16:50
※懇親会は17:00-18:00(会費:1000円)
場所:日本科学未来館・7Fイノベーションホール(〒135-0064 東京都江東区青海2−3−6)
プレゼンター:
ジェニー・シーレイ(GRAEAE THEATRE COMPANY芸術監督)
栗栖良依(SLOW LABELディレクター)
遠藤謙(ソニーコンピューターサイエンス研究所研究員/Xiborg代表取締役)
パネルディスカッション「日本が今やるべきこと(仮)」〜質疑応答
モデレーター:吉本光宏(ニッセイ基礎研究所・研究理事)
パネリスト :
小倉和夫(日本財団パラリンピックサポートセンター理事長)
ジェニー・シーレイ
栗栖良依
遠藤謙
人数:80名(※通訳付/一般公開)
予約受付・問い合わせ:特定非営利活動法人スローレーベル
    ※予約申し込みは、以下スローレーベルWEB SITEにて受付。
主催:スロームーブメント実行委員会
共催:独立行政法人国際交流基金、日本科学未来館、ブリティッシュ・カウンシル
■公式サイト:https://reserva.be/slowlabel
<関連プログラム>「SLOW MOVEMENT SPECIAL WORKSHOP」

日時:1月16日(土)、17日(日)10:00〜16:00
会場:象の鼻テラス
主催:特定非営利活動法人スローレーベル、象の鼻テラス
共催:独立行政法人国際交流基金
 http://www.zounohana.com/schedule/detail.php?article_id=441 
 
プロフィール
ジェニー・シーレイ:
演出家。障害のあるプロの俳優やスタッフによる英国の劇団、グレイアイ・シアター・カンパニーの芸術監督を1997年から務め、手話と音声描写を効果的に取り入れた革新的な作品を創作、英国やヨーロッパで高い評価を得ている。英国の舞台芸術セクターのアクセシビリティ向上に大きく寄与し、2009年、大英帝国勲章MBEを受勲。2012年のロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会関連文化プログラムのひとつである「Unlimited」アーティスティック・アドバイザー、ロンドン・パラリンピック競技大会開会式の共同ディレクターを務めた。

 
吉本光宏(よしもと・みつひろ):
ニッセイ基礎研究所 研究理事。東京オペラシティや世田谷パブリックシアター、いわきアリオス等の文化施設開発、東京国際フォーラムや電通新社屋のアート計画などのコンサルタントとして活躍するとともに、文化政策、文化施設の運営や評価、クリエイティブシティ、カルチュラル・オリンピアードなどに関する研究に取り組む。文化審議会文化政策部会委員、文化庁「2020年に向けた文化イベント等の在り方検討会」座長などを歴任。

 
栗栖良依(くりす・よしえ):
特定非営利活動スローレーベル理事長。「日常における非日常」をテーマに、アートやデザインの領域に収まらない自由な発想で、異分野・異文化の人や地域を繋げ、新しい価値を創造するプロジェクトを多方面で展開。2008年より、過疎化の進む地域で市民参加型パフォーマンス作品を制作。2010年、骨肉腫を患ったことがきっかけで、右下肢機能全廃。障害福祉の世界と出会う。11年より、SLOW LABEL ディレクター。ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014 総合ディレクター。厚生労働省「平成27年度障害者の芸術活動支援モデル事業者」に選ばれ、障害のあるアーティストの発掘と育成に取り組んでいる。

 
遠藤謙(えんどう・けん):
日本の機械工学者、ロボット工学者。マサチューセッツ工科大学Ph.D。バイオメカニクス、ロボット義足、発展途上国用義足、競技用義足(パラリンピック用)の研究開発で著名。現在はソニーコンピュータサイエンス研究所アソシエイトリサーチャー、株式会社Xiborg代表取締役、D-leg代表、See-D代表を務める。2012年にはマサチューセッツ工科大学が出版するTechnical Review誌が選ぶ「35歳以下のイノベーター35人」に、2014年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーズに選出されている。

 
小倉和夫(おぐら・かずお):
日本財団パラリンピック研究会代表および日本財団パラリンピックサポートセンター理事長。駐ベトナム・韓国・フランス大使、独立行政法人国際交流基金理事長、2020東京オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会事務総長等を歴任。青山学院大学特別招聘教授および国際交流基金顧問を兼務。

 

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