万博記念公園内 EXPO'70パビリオンで笑いが爆発、レッドブルの漫才ライブ『Red Bullサンパチ』オフィシャルレポート到着
写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
レッドブルの漫才ライブ『Red Bull サンパチ』が、2025年8月23日(土)大阪・万博記念公園内「EXPO’70パビリオン別館」にて開催された。オフィシャルレポートが到着したので紹介する。
レッドブルの世界観と芸人たちのエンターテインメントが融合したこの漫才ライブは、お笑い好きに“翼”をさずけるべく実現。今年で3回目の開催となった。
写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
出演芸人は、共に社会に忖度しないパンクな精神を宿し、もはやこのライブの顔とも言うべき金属バット、黒帯。さらに、ダブルアート、鬼としみちゃむ、華山、隣人、イチオク、愛凛冴、ぎょうぶ、エバース、ぐろう、イチゴ。若手注目株から昨年のM-1決勝進出コンビまで、お笑いファンをうならせるラインナップが注目を集めていた。
写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
オンライン配信なし・完全無料招待制という座組みはそのままに、今年は各回定員200名ずつの2部入れ替え制に。大阪・万博記念公園内の「EXPO’70パビリオン別館」は、1970年の大阪万博開催時に太陽の塔の頂部に設置されていた「黄金の顔」の展示で知られる。
「まさか黄金の顔をバックに漫才を!?」と、大阪万博のシンボルと生の漫才との異色のコラボレーションに期待を寄せる声が挙がっていた。
写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
イベント当日、別館へと続くパビリオンの通路には各演者のコンビ名が入ったのぼりが掲げられ、ライトアップも相まって近未来空間へと進んでいくような不思議な気分に。会場に足を踏み入れると、直径10.6mもある巨大な黄金の顔が目に飛び込んできて、その迫力に圧倒される。各演者名をデザインしたロゴステッカー、アクリルキーホルダー、ホルダーが手土産として配布され、すでに観客の気分も上々。
会場の様子と併せて、熱心に記念撮影する人も。会場横の芝生広場では、70年代の楽曲を中心としたDJが繰り広げられ、観客は期待に胸を膨らませつつ、レッドブルを片手に開演前のチルタイムを満喫していた。
ぐろう 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
開演間近になると、黒帯の大西とてらうちの声で諸注意が告げられ、「もうすぐ始まる……!」という静かな興奮が会場全体を包み込む。毎年好評のメイキング動画を皮切りに、いよいよライブがスタート。初登場のぐろうは、ステージに登場するや家村がおもむろにスマホを取り出し、モニターや黄金の顔、相方である高松との2ショットを撮影。「ちょっと母に送ります」とマイペースを貫く家村に、「いや、待てへんで」と高松。その後は、一風変わった家村の持論が展開され、「Red Bull サンパチ」らしい「翼をさずける」のフレーズでネタを締めくくった。
エバース 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
昨年M-1決勝戦に進出した、人気上昇中の実力派コンビ、エバースが現れると、会場内のボルテージが一気に高まっていく。「すみませんね、急にでっかいやつが来て。相方の町田がデカすぎて、今遠近法で僕の隣に立ってるように見えますけど、ほんとは京都にいるんですよ」とボケる佐々木に、「デカすぎるだろ」と冷静にツッこむ町田。表情の動きを生かしたネタで大いに盛り上げた。
鬼としみちゃむ 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
「どうもー!」としみちゃむのハイトーンボイスが響き、3年連続出演の鬼としみちゃむが登場。「我々を知ってる方は手を挙げてください」と呼びかけると、会場内には多くの手が挙がる。その光景を見て、「知らない方がいいですよ。僕らを知ってる人たちは、告白されたことがない人たちです。モテるヤツがこの2人を知ってるわけがない」と言い放つ鬼沢さんの言葉に観客は大ウケ。ポップさがありながらも2人の変態ぶりが光るネタで笑いをかっさらった。
隣人 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
「橋本市民球場といいます」「変やな!」、「僕は中村遊直(なかむらしょーとらいなー)といいます」「お前も変なんかい!」と、独特な芸名を生かした自己紹介で観客をツカんだ隣人。コントでも評価を得ている演技力の高い2人の世界観にいつの間にか飲み込まれていき、配信アウトな下ネタもこの日の会場には大ハマりした。
ダブルアート 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
ダブルアートは、直前に登場した隣人とまさかのネタ被り。もともとトリッキーなネタを得意とする2人にとって、「Red Bull サンパチ」はまさにうってつけのロケーション。NGワードや下ネタをここぞとばかりに盛り込みまくったアカンすぎるネタで、観客を沸かせた。
愛凛冴 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
初登場の愛凛冴(ありさ)は、結成わずか1年で劇場入りした注目コンビ。「今日は僕に似た人がいっぱいいますね」と強面なルックスの玲二がイベントスタッフをイジる流れに。「TVやフェスに呼ばれる機会も増えて、ここ最近の僕らの躍進はすごい。そんな僕らのネタを見てもらいます」と語った横山に対して拍手が起こり、その様子を見ていた玲二は、バックにそびえる黄金の顔と相方を交互に見比べて、「教祖さまやん」とボソリ。玲二の鉄板フレーズ「反社じゃないで すからねー」もばっちりキマっていた。
ぎょうぶ 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
2年連続出演のぎょうぶは、「Red Bull サンパチで流れる出囃子気持ちいい」と登場。昨年は、澤畑が扁桃腺手術を終えたばかりで出演したことに触れ、「『吐血するまで声出すぞー!』って言ったら『フゥー!』って返ってきた」「ほんまにびっくりした」と前回の思い出を振り返る澤畑と為国。2人の価値観のズレをテーマにしたネタで、拍手笑いを量産した。
イチオク 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
冒頭で黒帯にイジられたイチオクは、「僕たち三遊間といいます」と盛大にボケながら登場。「俺がさくらいな」「稲継は嫌や。俺もさくらいがいい」と、最近劇場で一目置かれているさくらいを、タケヤとないすケンのどちらが担当するかで大揉め。恐る恐る「イチオクじゃなくて本当に三遊間見たかったっていう人」と観客に問いかけると、1人の手が挙がってすぐに下がり、それをめざとく見つけたないすケンは、「忘れへんからな」と一言。そんな中でも、肝心のネタは ドカンドカンとウケまくり、確かな実力を見せつけた。
華山 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
華山の出囃子「もぐらたたきのような人」が流れると、2人は優雅に手を振りながらステージへ。客席もそれに応えるように手を振る人が増える中、「頑なに振ってない人がいますねー」とズバッと指摘。「みんな抽選で当たったんですか?ということはみんなタダで観に来た、そうですか」と満面の笑みを浮かべるにこらすに対し、「こっちも気楽ですね」とやすい。にこらすの独特なキャラクターが際立つ漫才に、会場は笑いっぱなし。笑い過ぎて涙をぬぐう人の姿も。
イチゴ 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
芸歴4年目の最若手コンビ、イチゴは東京から遅れて参戦。「17時に東京でライブが終わって飛行機で大阪に来たんですが、遅延して遅延して……、このライブが始まった時、僕らは空にいました」と会場に辿り着くまでの苦労を明かした。予測不能なイクトのボケと、それに振り回される木原。全身を駆使した奇想天外なネタに、観客はぽかんとしつつも徐々に引き込まれ、気付けば会場全体が異次元のイチゴワールドに!ものすごいインパクトを残し、2人はステージから唐突に去っていった。
黒帯 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
トップと大トリは、金属バットと黒帯が各回交互に担当。黒帯は、「僕ら黒帯いうてますけど、名前は何でもいいんですけどね」という定番のツカミから。「体に入れたら翼が生えてくるもの」「飲んだら元気になるもの」という大喜利に、大西のキワどい回答が炸裂。さらに、「今年牛ぺぺの登場はなかった」と同期の親友の名前を出すてらうちに、「豪快キャプテンもいませんでしたねー」と被せる大西。第二部では、「正直イチオクじゃなくて三遊間が見たかった人いますか?」と呼びかけ、後輩のイチオクをイジる場面も。黒帯ならではのアウトローな魅力が凝縮されていた。
金属バット 写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
お馴染みの拍手の出囃子で金属バットが登場すると、待ってましたとばかりに観客は熱視線。「これすごいなぁ」と友保は黄金の顔に目を向ける。「昼間のNGKとかも来てくださいね」と小林が言い、おおっぴらには到底言えないブラックジョークを織り交ぜながら、絶妙なテンポの掛け合いで会場を引き込んでいく。ネタの途中で赤ちゃんの声が入り、友保が機転を利かせて対応するライブならではのシーンも。ご両人らしいエッジの効いた漫才に、会場は大爆笑に包まれ た。
写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
各回の演者が全員集合するエンディング。イベントの締めくくりとなる第二部では、最若手ながらステージ中央を陣取ったイチゴに対し、「何やねん。お前らバチくそおもろいやんけ」と金属バットの友保が絶賛。その後は、全員がレッドブルを片手にお待ちかねの撮影タイム。
写真:九谷田 雄基 / Red Bull サンパチ
「そういえば来年ってどうなるんですか?」と黒帯のてらうちが客席後方にいる関係者に問いかけると、なんと答えはイエス!「来年もありまーす!」と華山のにこらすが叫ぶと、客席に笑いが起こった。「来年も開催するということで、またお越しいただければと思います。以上、Red Bullサンパチでした。ありがとうございました!」というてらうちの言葉に、会場は割れんばかりの拍手に包まれ、お笑い好きに翼をさずける最高に熱い一夜がフィナーレを迎えた。異常なまでの存在感を放つ黄金の顔の展示をバックに繰り広げられる生の漫才は、普段は体験することのできないダイナミックな臨場感に溢れていた。
原稿:六車 優花