ポップでキュートな「ヤミナベ」劇団とは？関西の小劇場界注目の団体をピックアップ！

「"ヤミナベ"と名のつく劇団がある」と聞くと、あなたはどのような印象をもたれるだろうか。おそらく、アンダーグラウンドで過激な演出を行う団体だと想像されるのではないかと思う。ところが、「837B（やみなべ）」は、そんな名前の印象を180度覆す、ポップでキュートなガールズ演劇ユニットだ。今回は、837B制作担当・飯村登史佳にインタビューを実施。いかにして、"名前に似つかわしくない"劇団が立ち上がったのか、また、837B公演の注目ポイントなどを伺った。

－－837B結成までの経緯や、団体の特色を教えてください。

まず、「837B」は「やみなべ」と読みます。主にコメディを追求する女の子2人の演劇ユニットで、ポップでキュートな作品づくりに励んでいます。なぜこの名前になったのか。リーダー小藤は本当の由来を知りません。というのも、この「837B」、大阪南部の高校で演劇部だった男女11名が集まって、高校卒業後に旗揚げした「劇団837B」の名前を引き継いでいるからなのです。劇団の旗揚げ時、小藤は大学浪人で、ほとんど活動に参加していませんでした。みごと志望大学に合格し、これから劇団活動に励もうと意気込んでいた小藤に突きつけられた、劇団の空中分解。そんな時、「女子だけで、コントがしたい！」と劇団の女子3人で、番外公演として837BEXコント公演を行い、このコント公演を行った女子3人で、「837B」という演劇ユニットとして活動することになったというわけなのです。ポップでキュートな作品をめざしていますが、できあがるものは何が飛び出てくるかはわからない、まさに闇鍋のような作品です。ポップでキュートをめざした結果の闇鍋を、「くだらねぇ！」と言って笑っていただければ本望です。

－－次回公演『うめうめ。』のあらすじや、見どころを教えてください。

◆『うめうめ。』あらすじ

「母さん、人生は甘くありません。すっぱいです。」
とある田舎町にある古びた民宿。
切り盛りしていた祖母の訃報を聞きつけて来た私を待ち受けていたのは、適当すぎる父親と不器用すぎる従業員。
「もはや、ここまでか。」
民宿の行く末を確信したところで現れたのが、うめ子でした。
「どーん。」
うめ子はそう言い放ったのです。
837B第5回公演は、どこか欠けてる人たちとうめ子が織りなすアットホームなのにくつろげないコメディ！
「母さん、妖怪って本当にいたんですね。」

劇場に古びた民宿が出現します。837Bのこだわった美術も見どころの一つ。さらに、ポップなコメディを目指しているだけあって、登場人物たちの衣装にも注目です。そんな民宿で、登場人物たちみんな、めいっぱい全力で生きています。全力で生きているからこその「ちぐはぐさ」に、見ている人もきっと飲み込まれていくこと間違いなしです！

－－「837Bが気になり始めた！」という方にメッセージをお願いいたします。

肩ひじ張らずに気軽に見てもらえるストーリーです。「やみなべ」という名前からはちょっと想像できないポップでキュートなステージをぜひ、のぞきに来てください。さて、「ポップでキュート」を何回言ったでしょうか（笑）　終わった後にも、思い出してくすっと笑える、そんな楽しい時間を過ごせるはずです。

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