夕闇のWhite Stageを圧倒したBOOM BOOM SATELITES
夕暮れ迫るWhite Stage。
「混雑してきたので、お立ちいただきますように」とのアナウンスと、私の隣をすり抜けて前へと急ぐ人たち。
みんながBOOM BOOM SATELITESを心待ちにしているのが分かる、どこかそわそわした雰囲気。今年は数多くのフェスに参加しているブンサテだけれど、やはりフジロックは特別らしい。
ステージに現れたのはブンサテの二人と、サポートのギターとドラムの合計4人、全員が黒のロングパーカーで登場。
少し陽が傾いてきたホワイトステージに、その名の通り真っ白なライトのフラッシュとともに音楽が始まった。
「A Hundred Suns」から怒涛のライブがスタート。
打ち込みのリズムと生のドラムが絶妙なコンビネーションを刻み、そこに絡みつくギターとドラムがブンサテ以外に奏でることのできないメロディを紡ぎだす。
ライブはわずか60分弱。
正直、こんなに60分がこんなに短いと思わなかった。
そして、この感動をなんと表現したらいいかわからなくて、便利な言葉に頼ってしまう。
エモい。
もうこれ以上、ぴったりな言葉は見つからない。(ボキャブラリー貧困です…)
途中、何度かVoの川島は自分の左胸をノックするような仕草を見せていた。自分の存在を見せつけるかのように、じっとフィールドを睨みつけていた。
ライブ中もめったに笑顔を見せない二人が、時折見せる満足そうな表情にはぐっとくるものがあった。
ステージ上のLEDディスプレイでアップにされる、中野(Ba,Programming)の手元には、macBookが見られた。
純粋なロック好きの皆様にはステージ上に林檎マークが見えることを嫌う人もいるらしいけど、ブンサテのライブは数あるロックのなかでも、ある一つの形として成立しているのではないかと思う次第。
気がつけばあたりは薄闇に包まれ、ステージを照らす純白の光。
あっという間のライブ終了。
別に泣ける曲をやった訳じゃないのに、気が付くと涙ぐんでいる私。隣の人もうるっとしていて、顔を見合わせて苦笑を交わしてしまった。
また、絶対に聴く!フルセットのライブで見るんだから!と、ホワイトステージに誓った。