高橋メアリージュン インタビュー 役者としての基盤を作ってくれた作品―『闇金ウシジマくん』シリーズに捧げる感謝
高橋メアリージュン 撮影=岩間辰徳
お金にまつわる悲喜こもごもを痛烈に描いた真鍋昌平原作の漫画『闇金ウシジマくん』は、2010年にテレビドラマ化、2012年には映画化され、現在も注目を浴び続けている。2016年は「ウシジマイヤー」と銘打ち、3度目のテレビドラマ化に加えて、映画『Part3』、『ザ・ファイナル』と立て続けに公開を迎える。
物語の主人公は、10日で5割の高利息で金貸しをするカウカウファイナンス社長・丑嶋馨(山田孝之)。そんな丑嶋のライバルとして、『Part2』から登場したのが、闇金融ライノー・ローンの経営者・犀原茜を演じた高橋メアリージュンだ。「自分とは全然違うんですけど……」という高橋の穏やかな語り口とは真逆の、債務者に容赦なく非道な仕打ちをする犀原の姿は、スクリーンで漫然と輝いている。自身の当たり役ともなった犀原を続投した高橋に、演じることの醍醐味や、『ウシジマ』シリーズへの想い、さらには山田孝之との役者としての関係性まで、思う存分語ってもらった。
高橋メアリージュン 撮影=岩間辰徳
――本日の衣装は白シャツに黒いパンツですが、その格好をすると、犀原茜に戻る感じはありますか?
戻るのはないんですけど、さっきから膝を閉じ忘れて、ついついがに股になってしまいます(笑)。
――高橋さんは『闇金ウシジマくんPart2』で鮮烈な『ウシジマ』作品デビューを飾りましたが、公開後、周りの方々の反応はいかがでしたか?
とにかく「ギャップがすごい」とはよく言われていて。あと、ありがたいことに「この役、すごい好き」と言われますね。
――「ギャップ」ということは、高橋さんは暴力的な犀原とは一切交わることがない性格ということですか?
そうなんですよ。だから、一番最初(『Part2』時点)に台本を読んだときは、「私と全然違うなあ。どうやって演じよう。何でこんなエキセントリックな行動をとるんだろう……」って思っていました。でも、山口監督と話したときに、「犀原は過去に涙の味がするごはんを食べていたんだよね」と言われて、その一言で全部つながったというか。じゃあ大丈夫、演じられる、と思ったんです。
――高橋さんは、普段からキャラクターを作るために、役についてノートに書くという演技法を行っているとうかがいました。犀原茜用のノートもあるんですか?
あります、書いていましたね。
――今回も演じるにあたって、引っ張り出しましたか?
はい。犀原にとっては、丑嶋への憎しみや怒りが、ある意味、生きるエネルギーというかパワーになっているんです。だから、どれだけ丑嶋を憎んでいるかを、ずっと前から書いていました。今回は、丑嶋と犀原の過去が紐解かれる『ザ・ファイナル』の台本に基づいて書き足していきました。
――同じ役を演じるって、そんなにないことですよね。
初めてですね。
――新しい役とは、また違った感慨があります?
あります。個人的に犀原を演じるのがすごい好きだったので、また演じられることがすごくうれしかったです。あと、やはり一度演じているので、そのときよりパワーダウンはしたくないというプレッシャーもあって。新しい作品ということは、これまで言ったことのない台詞を犀原が言っていくわけじゃないですか。だから、台本を読んで犀原のことを知れるということもあったんですけど、自分も知るし、公開されたら皆も知るわけで…、うまく言えないんですけど、知られる恐れみたいなものもありました。
――ご自身が犀原と一体化しているからこそ感じる想いというか……複雑な感じですね。
そう。犀原として筋を通さないとダメだし、絶対にブレたくない気持ちはありました。
――でも、パワーダウンどころか、車に乗りつけるシーンなどは「キター!」という感じで、ゾクゾクするような凄みさえありました。
ありがとうございます(笑)。『Part2』では「ダーク」とか「怖い」っていうイメージを持たれていたようですけど、私はもはや愛着が湧いてしまっています。個人的には出会いたくはない人物ですけど(笑)、ちょっとくすっと笑えるところもある人だと思っています。
マキタスポーツ演じる村井(左)と高橋メアリージュン演じる犀原(右) (C)2016真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん3」製作委員会
――『Part3』、『ザ・ファイナル』と怒涛の公開になりますが、高橋さんご自身は作品をどのようにご覧になりました?
テイストが違うなあって思って観ていました。『Part3』はとてもウシジマくんっぽくて、本当にどうしようもない人がいっぱい出ていますよね。結構派手ですし。『ザ・ファイナル』では、レギュラーの登場人物の過去を知れたこともうれしいですし、すごくじーんとしました。いわば、『Part3』は打ち上げ花火みたいな感じで、『ザ・ファイナル』は線香花火という印象でした。
――おっしゃる通りですね。『ザ・ファイナル』も変わらずディープな世界を描いていながら、人間ドラマ的側面が深く心に刺さるというか。
『ザ・ファイナル』まで見ると、それぞれのキャラクターに愛着も湧きますし、「だからこうなったんだ」という合点がいく作りにもなっています。
――犀原の少女時代を演じた玉城ティナさんは、高橋さんの目にはどう映りましたか?
まず、普通にかわいいなあって(笑)。大人の犀原は座り方もがに股ですし、動きも男っぽいですけど、少女時代は女の子なところもあったんだなってわかりますよね。大切な人が亡くなってから、犀原は猟奇的な行動に走っていくんですけど、そのきっかけがよく伝わると思います。
――今回の撮影にあたって、改めて監督と話し合われたことや指示はありましたか?
特にはないんですけど、ちょっと感動したことはありました。台本を読んでいて、「これ、犀原が言う台詞かな?」とか、「これは村井(犀原茜の右腕)の台詞っぽくて、村井の台詞を犀原が言いそうだよな」と思いながら現場に行ったときがあって。いざ現場に着くと、監督に「犀原、こうやって言わへんから台詞変えます」と思った通りになったことがあって、監督と通じてるんだなあって思いました。1回だけではなく、そんなことが結構あったんです。
――なかなか通じ合うことってないですよね。
例えば、犀原って飴を食べるじゃないですか。食べていないシーンでも、「ここで飴を食べたいなあ」って一瞬よぎったりしたんです。そうしたら、監督が「犀原、ここで1個キャンディ食べてくれへん?」と言われて。「えっ、嘘!通じた!」みたいなことがありました。願いがそのまま叶ったという感じで、すごいうれしかったです。
――主演の山田さんとは『Part2』のときもわざと話さなかったそうですが、『Part3』、『ザ・ファイナル』の現場でも同じでしたか?
そうですね。『Part2』のときは「おはようございます」と言ったんですけど、今回は挨拶すらどうしようか迷いました。劇中では1回しか一緒のシーンはなかったんですけど、そのとき、距離的にも挨拶に行くのも遠すぎて、わざわざここで行くのも犀原の迫力が欠けたらなあ……と思ってやめたんです。ドライのときに、ようやく車の中から窓を開けて、一応(少しだけ頭を下げるような会釈)だけやって「もう茜に入りますから」みたいな感じで、言葉も発さなかったんです。撮り終わってから、山田さんのところに行き、「お疲れさまでした」と言いました。山田さんも「お疲れさまでした。あえて話さないようにしといた」って言ってくださって、助かりました。
――そのあたりの距離感は役者さん同士、保ち合うものなんですね。
役者さんによっては「関係ないじゃん」と言う人もいるんですけど、山田さんはそこをしっかりしてくれるので、すごくありがたいというか、私はそのほうが好きというか。役者同士で仲良くなるのもいいんですけど、仲良くはなっていないけど、役者としての信頼関係が存在するのはすごくうれしいことで。私にとって、山田さんは特別な存在だったんです。今回、『ウシジマくん』シリーズが終わるということで、そういう対象がいない、その関係が終わっちゃうことも、すごく寂しいなと思っているんです。
――お話を聞いていて、高橋さんにとって『闇金ウシジマくん』シリーズは別格というか、ご自身の軸になるような作品のひとつになっている印象を受けました。
そうですね。山田さんとの関係もですが、私の役者としての基盤を作ってくれた作品だと思っています。初めての映画出演でしたし、オーディションの内容も不思議で、公園でやったりとかしましたし、監督と話し合って1からキャラクターを作っていく経験も初めてだったので、すごく思い入れが強い作品です。魂ごと入り込めたというか、役者としてやれたというか。すごくいいベースを教えていただけました。だから、『闇金ウシジマくん』以降に出演した作品についても、「こなす」のではなく、ちゃんと「向き合う」ことができていると思っています。丁寧に作っていくという、役者として大切なことを『闇金ウシジマくん』には教わりました。
高橋メアリージュン 撮影=岩間辰徳
――今では様々な役のオファーがくる状況だと思うのですが、普段、作品選びはどのようにしているんですか?
偉そうなことを言うつもりはないんですけど、規模の大小は関係なく、「この役、やりがいあるな」とか「やってことないから、やってみたいな」とか、新しいことにチャレンジしてみたいという思いがベースになっているかもしれません。
――飛び込んでいくことへの怖さや恐れはないほう?
そうですね、結構飛び込みやすいタイプで(笑)、挑戦が好きです。常に成長したいし。ただ、こう見えて私結構シャイなんで、そこがちょっと邪魔ですかね(笑)。
――そんなシャイな高橋さん、最後に映画をご覧になる方へメッセージをお願いできますか?
映画『Part3』、『ザ・ファイナル』と公開されますが、全部つながっているので、ふたつでひとつの作品と思って観ていただきたいです。『Part3』、だけで『ザ・ファイナル』を観ないのはすごくもったいないと思うので、まずは『Part3』から楽しんでください。
――犀原茜の雄姿も、これが最後ですからね。
本当に!これが最後というのが、やはり大きいです!
映画『闇金ウシジマくん Part3』は9月22日(木・祝)より、映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』は10月22日(土)より、全国ロードショー。
インタビュー・文=赤山恭子 撮影=岩間辰徳
高橋メアリージュン 直筆サイン入り『闇金ウシジマくん Part3』プレスを1名様に
撮影=岩間辰徳
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映画『闇金ウシジマくん Part3』
(C)2016真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん3」製作委員会
キャスト(順不同)
山田孝之
綾野剛 本郷奏多
白石麻衣 筧美和子 最上もが
マキタスポーツ 山田裕貴 前野朋哉 矢野聖人
児嶋一哉(アンジャッシュ) さくらゆら 岸井ゆきの 水澤紳吾 山下容莉枝 大杉漣
藤森慎吾(オリエンタルラジオ) 浜野謙太
高橋メアリージュン 崎本大海 やべきょうすけ
映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』
山田孝之
綾野剛 永山絢斗
真飛聖 間宮祥太朗 YOUNG DAIS
最上もが 真野恵里菜 太賀 狩野見恭平 湊莉久 天使もえ
マキタスポーツ 玉城ティナ 六角精児 モロ師岡
安藤政信 八嶋智人
高橋メアリージュン 崎本大海 やべきょうすけ