これまで以上に互いと向き合った「さいごまで / カナデアイ」の制作過程は、イトヲカシに何をもたらしたのか

2017.2.6
インタビュー
音楽

イトヲカシ

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「生き様が不器用」。本インタビューではそんな発言が出てくる。音楽に対して、リスナーに対して、自分自身に対しても、どこまでもまっすぐな二人。時期や作品ごとのテーマや考えに違いはあるかもしれないが、確かにイトヲカシは不器用だ。逆算的に戦略を立てるようなこともなければ、トリッキーに世間の目を引くこともしない。「ありがとう」を届けるために全国どこへでも車を走らせる。やっぱり不器用だと思う。
そこのところを、二人は今作の制作過程において改めて互いと向き合うことで再確認したのだという。メジャー2作目、大きく視界の開けたこのタイミングで、今一度自分たちらしさの根本を見つめ直す……イトヲカシはどこまでも誠実なのである。だから必然とも言えるのだが、最新両A面シングル「さいごまで / カナデアイ」から聴こえてくるのは、とても高純度のイトヲカシだ。聴く者に寄り添い背中を押す力強い楽曲が生まれるまでを、ブレない二人に聞いた。

――昨日、以前のミニアルバム『捲土重来』のインタビュー記事を読み返していたら、お二人が「ブレたら言ってくださいね」って発言をしていたんですけど。……ブレないですね!

イトヲカシ:よかった〜!

宮田“レフティ”リョウ(以下、宮田):ブレてたのかと思ったぁ(笑)。

伊東歌詞太郎(以下、伊東):ブレてなくてよかったです。

――という印象をまず受けました。

宮田:嬉しいです。

――もちろん楽曲のテイストやアレンジの部分においては様々な手法と工夫があると思うんですけど、根本のところではいつものイトヲカシが見えて。ここに至るまで——メジャーデビューをしてからの半年間、前回のシングル、そして今回のシングルとリリースがあったわけですが、お2人の中で感覚はあまり変わらないですか?

伊東:変わる部分と変わらない部分があって。メジャーデビュー時と今を比較して、僕らがやることは変わらないんですよ。良い曲を作って、良いライブをして。そのミュージシャンとしての二つの軸っていうのは、どんな状況になっても一生変わらないんじゃないかな? 同じようなところで悩むし、その悩みは絶対必要なものだと思うし、変わらない部分は大きいかなと思ってます。

宮田:今までの我々を知らなかった人たちに音楽を聴いてもらってるなっていう実感は、徐々にでてきました。そこはすごく嬉しい変化かなって思います。

――歌詞太郎さんの中で、変化を感じる部分は。

伊東:自分たちではできない展開というか。さっきも言ったみたいに良いライブをして、良い曲を作るっていうことが本分だと思うんですけど、それ以外のことって不得意だったりするし、大きな動き方ができなかったりするんです。そこを具体化していくっていう意味では、どんどん変わってきてるなって思いますね。

――まさに今回の曲のタイアップにしてもそうですしね。新たな出会いという意味では、年末の『COUNTDOWN JAPAN 16/17』への出演があったり、秋には路上ライブツアーもありました。その辺りの動きを含め、どんな2016年の下半期でしたか。

伊東:下半期で一番大きなトピックは、9月に1枚目のシングルが出たっていうことですね。シングルを出して、みなさんに聴いてもらった上で路上ライブを回らせてもらって。2016年を一言で言うと、ライブハウスツアーももちろんやったんですけど、路上ライブをたくさん回れたっていうところで。今までのイトヲカシの活動の中で一番多かったんじゃないかな?っていうほど、日本全国でライブができた……その締めくくりが2016年の最後の最後でできましたね。本当にいろんな場所に会いに行けたっていう実感を持てたのが、2016年の12月30日でした。リリースを除くとすれば、いろんな場所に行ったなっていう感想に尽きる下半期だったんじゃないかなと思います。

宮田:怒涛でしたね。下半期もそうなんですけど、2016年を通して、もう、ワンマンツアーが1年前なんだ?っていうくらい。一緒にいる時間も長かったですし……こんなに一緒にいたことないよね?

伊東:ないね。

宮田:そういう意味では、向き合う時間ができたというか、イトヲカシらしさがより高まったんじゃないかなと思います。そこには紆余曲折もありましたけど、そういう時間がとれたのは嬉しかったですね。

――そこでお互いのことを再認識したり。

伊東:ありましたね。長い付き合いなので、分かってる部分っていうのは多いんですよ。でも、“やっぱり分かってたな”って再認識することって、実は大切なことなんだなって思って。分かってるから言わなくていいんじゃないかなとか、分かってるから言わないんだろうなっていう思い込みは、それが正解だとしても良くないなってすごく思いました。
コミュニケーションが不足するっていうのは、そういうところからくるんじゃないかな? それは僕たちだけじゃなくて、上司と部下でも、夫婦の関係でも同じで。ちゃんと口に出して伝え合うことが大切っていうことを改めて2人で認識できたんですよ。印象としては変わらなくて、お前ってこういうやつだよなって再認識するだけなんですけど、それだけでも相手の人間味や性格をもっと深く知ることができて。
……イトヲカシってバンドじゃなくて二人しかいないから、お互いのことをちゃんと理解し合っていないと、いい音楽も生まれないし、なによりもいいライブができないって思うんですよ。

宮田:前にやってたバンドでは、ボーカルと7~8年くらい一緒にやってたんですけど、そんなに知らないんですよ。一緒に飲みに行ったこともないし、それでもいいと思ってたんですけど。
それが、人間活動と音楽活動はイコールだって思うようになって、一緒に音楽をやっていくパートナーのことを人間性の深い部分まで理解することは今後やっていくうえですごく重要なんだなって思ったんですね。そこをセパレートしちゃうのって、楽なこともあるかもしれないんですけど、いい音楽を作っていく、より一つになっていくっていうことを考えたときに、恥ずかしいんですけど向き合う時間って大事だなって思いましたね。

――きっと、性格的にそういう風にしたい二人でもあるんでしょう。

伊東:そうですね。僕はそれをやってよかったってすごく思ってるし、(レフティは)こういう人間だよな、やっぱりそうだったんだ!っていうのは安心することでもあるし(笑)。

――言葉にすることの大切さみたいなものですよね。思ってても伝わっていなかったことって結構あるじゃないですか。

伊東:男女でもあるだろうし、男同士でもあると思うんですよ。……あ、でも新しい印象もあったかも! 思っていた以上に、二人ともすごい不器用なんだなって。もともと不器用なことは知ってたんですよ。自分も不器用だし、レフティも不器用だって思ってたんですけど……そこまで不器用なんだって(笑)。

――精神的な部分で?

伊東:なんて言ったらいいんだろう。生き様ですかね?(一同笑)

――根っこの部分ですね。

伊東:そこは変わらないと思いますね。これからどんなに強烈な経験をしたとしても、その根っこの部分は本当に変わらない気がする。……そこまで不器用だとは思ってなかったんですけど(笑)。

宮田:だからこそ、今後コミュニケーションをちゃんと取っておかないと掛け違えることも出てくるかもしれない(笑)。

――歪みがでちゃうかもしれないですよね。

伊東:お互いがすごく不器用っていうことを認識したから、そこを踏まえて考えることができるようになった……気がする!(笑)

――その根っこが、最初に言ったブレない部分に繋がってくるのかもしれないですよね。ここからは楽曲についてお聞きしていきたいんですけど、先に出来たのはどちらだったんですか?

伊東:「さいごまで」ですね。

――じゃあ「さいごまで」からいきましょうか。これはすごく書き方が難しい部分ではあるんですけど、往年の小林武史さんみたいな……

伊東:嬉しい!

宮田:それ、そのまま使ってもらって大丈夫です(笑)。

――90年代から2000年くらいの、J-POPド真ん中の音。

伊東:この曲を作るにあたって、織田哲郎さんと坂井泉水(ZARD)さんをずっと研究してた時期があって。……すごい大好きなんですよ。そこが僕らの王道だと感じるし、1曲挙げるとしたら、ミュージシャンが多かれ少なかれ持っている誰かを応援したいっていう気持ちにおいて、「負けないで」っていう曲は強烈だなっていう話を二人でしてたんですよ。
サビの頭に<負けないで>っていう応援するワードがくると、最高にグッとくるんですよね。他にも“大丈夫”“ありがとう”っていうような言葉がサビの頭にくる名曲たちはたくさんあって。これはもう素晴らしいパワーワードだけど使われてしまってるから、イトヲカシなりのS級のパワーワードってなんだろう、って考えたときに出てきたのが“最後まで”だったんです。90年代の織田哲郎さんと坂井泉水さんのゴールデンコンビ……ヒット曲がキラ星のごとくめちゃめちゃたくさんあるじゃないですか。

宮田:DNAとか血に近い部分で、武史さんもそうだし、織田さん、坂井さんたち90年代のポピュラーミュージックが僕らの中に染みついているので。そこを目指すっていうワケでもないんですけど、僕らが王道のJ-POPを一つ定義して、そういうサウンドを目指していく上ではどうしても避けて通れないところではあると思います。

イトヲカシ・伊東歌詞太郎

――「さいごまで」は題材的にも幅広く聴かれるべき応援歌的な曲だと思うので、そういう意味でもサウンド面でのポピュラーさが、すごく重要な役割を果たしているんじゃないかなと。

伊東:そうですね。王道というものは、僕らの中ではエッジが効きすぎていないものというか。歌詞やアレンジにおいても、変わったメロディだったり、そういうギミックが主になってしまったら、主従関係が逆転してるんじゃないかって。バンドではなく二人組ユニット、そして王道を目指していくってなったときに、小林武史さんみたいに感じてもらえるということは、すごく嬉しいですね。

宮田:狙って、というよりも“出てくる”っていう感覚なんですよね、この二人でやってると。

――それこそ根っこみたいな。

宮田:そうですね。「さいごまで」っていう曲に関しては、シンプルに導き出せたのかなって思います。
いきなり1DJ 2MCになるわけじゃないし(笑)、基軸はバンドサウンドになってくるんですけど、その中でもJ-ROCKにおかれるのか、J-POPの棚におかれるのか?みたいな観点で言うと、僕らのマインドとしてロックは常に持ちながら……その上でポピュラーミュージックにカテゴライズされたいっていう一つのスタンスを示せたのが「さいごまで」なのかなと思います。

――詞もストレートな応援ソングだし、MVのストーリーは受験生を応援する内容になってますけど……途中、意外なゲストも出ていて(笑)。

伊東:そう、ナイスアクセント! あれが僕たちのエッジです(一同笑)。

――いろんな状況における応援ソングだし、実際に河合塾のテーマソングで。まさに受験シーズンに向けての応援ソングであると同時に、僕にはお二人の決意にもとれました。

伊東:思ってないことって全然出てこないんですよ。イトヲカシを二人でやっているっていうことが、人生の大きな大きな一部であるし――そこはどんな曲でもそうなんですけど、歌詞を書いたら確実に自身の思いが出てくるものなんじゃないかなっていう風に思ってるんですね。
特に今回でいうと、受験っていうのは戦いなんですけど、受験が終わったあとの方が絶対大事じゃないですか。受験生からしたらゴールが一番大事に思えてしまう、自分もそうだった。でも、終わった後がすごい大事なんだよ、それは僕たちも受験というものを乗り越えて、学校という社会が終わって、今ミュージシャンをやってるんだけど、やっぱり戦ってるぜっていう。それはミュージシャンに限った話じゃなくて、全員そうなんだなって。
人間が生きるっていうことは、ずっと戦い続ける、ゴールテープを切ったら次のゴールテープを目指す……っていうことを繰り返していくと思うんですね。だからそういった意味では、僕たちの生き様というか、全・生きている人の生き様を描けたらいいなって思って作ったんですよ。

――そんな印象でした。“走り抜ける”っていう。

宮田:ゴールはスタートっていう、本当にその連続なんですよね、人生って。メジャーデビューはゴールじゃないし……一つのゴールではあるけど、スタートなんですよね。一生そうでありたいし、最後に振り返ったときに、“あ、こんなにやったんだ”って感じられたらいいなと思います。

伊東:振り返って幸せだって思うためには、それまでに全力で走り抜けた人の方が幸せになるって信じているので。受験生だけじゃなくて、今を生きてる人みんなに聴いてほしいです。

――もう1曲の「カナデアイ」は、どちらかといえばギターロック的ニュアンスが表に出てきている曲で、BPMも今までのイトヲカシの中では速い方でよね?

宮田:そうですね、かなり速い方です。実は「カナデアイ」っていう曲に行きつくまでには、結構苦労があって。このお話をいただいてから曲を二人で書いていて、この前に1曲違う曲ができたんですよ。
いつものようにラフを作って、歌詞太郎が歌詞を書いて、僕がアレンジをしてっていう制作をして、ボーカルを入れ終わって聴いたときに、いつもだったら「最高! これは売れちゃったね~」って言うんですけど……

伊東:毎回そのやり取りをやってるんですよ(笑)。

宮田:そういう感じになるはずが、「イトヲカシの方向性ってさ……俺たちってバンドじゃないよね?」っていう感想だったんですよね。できてきた曲自体はすごくアニメのオープニングっぽいし、疾走感もあって曲としては成立してたと思うんですけど、王道のJ-POPを目指す2人組音楽ユニットとしては、そこがかい離していたんですよね。結局、一回持ち帰って一晩寝かせてもう一回聴こうということになったんですけど、改めて聴いたときに“これはもう一回書き直した方がいいな”って思ったんです。やっぱり歌詞太郎もそのように思ってて。

伊東:まず第一声が「やっぱいいよね」じゃなくて「イトヲカシってバンドじゃないんだよね」だった時点で、僕もこれは一晩寝かせて、冷静な頭で聴かないといけないなと思って。メロディを作ってるときはそこまで意識はしてなかったんですけど、出来たメロディを聴きながら歌詞を書くときに「これは良い曲なんだよ」って思いながら書いてたんですよ。それは今までになかったことだったし、不健全だなって。
僕もそう思ってたってことは、レフティも編曲をしながらきっと何か胸に思うことがあったと思うんですよ。……アニメのオープニングとしてはすごくかっこいいし、良い曲だったんですよ! ただ、これはイトヲカシがやる曲じゃなくて、他の誰かがやったら良い曲なんだろうなって感じたんですよね。簡単に言うと、“アメリカの筋肉”っていう感じの曲が出来上がったんです(一同笑)。僕たちはアメリカでもないし、筋肉でもないから……

宮田:(自分は)筋肉ではあるんだけど(笑)。

伊東:そっか、でも音楽に反映させちゃダメだからね(笑)。

宮田:で、一度白紙にしてこの楽曲を作ろうってなったときに、アップテンポな部分は捨てたくなくて。アップテンポ且つ、僕たちなりの王道っていう一つの基軸の中に納まるサウンド感を見つけ出す作業というか、それを突き詰めた結果、今の答えにたどり着いたんです。この曲をフラットにシンプルに聴いたら、バンドサウンドでギターロックっていう印象を受けると思うんですけど、結構紆余曲折というか引き算がすごくありました。

伊東:この曲は、もう一回“イトヲカシというもの”を見つめ合う、話し合う良い機会をくれたと思ってるし、それによって二人のイトヲカシに対する認識をより一致させることができたんです。曲に教えられることはいっぱいあるんですけど、特にこの曲はそうだったなって思いますね。

イトヲカシ・宮田“レフティ”リョウ

――ちなみに。一つ前にできていた曲っていうのは、今ストック状態なんですか?

伊東:お蔵に入ってますね。

宮田:いつかお呼びがかかるかもしれないですけど……僕らの音楽性がアメリカのマッチョになったときには(笑)。その場合は「ブレてます」って言ってくださいね(一同笑)。

――もしくは、アレンジが別の形になって出てくるかもしれないですしね。

伊東:その可能性も……歌詞もメロディも結構マッチョだから、どうしよっかな~っていうところではありますけど(笑)。

宮田:でも、過程としてすごく大事な曲ではあったので。そうやって自分たちの音を知っていくんだと思うんですよね。2人組なので、「これをやっちゃいけない」「こうしなきゃいけない」っていう縛りがないじゃないですか。ギタリストが2人いるバンドだったら、ギターを2本いれないといけなかったり、サビでは上でピロピロやらないといけないじゃないですか(笑)。そういう部分を僕たちは意識していないので……意識しちゃうと一つの形式ばった感じになっちゃうこともあると思って。
その上で、ロックっていうか、そういうアプローチに対する振り幅を、この曲をキッカケに確認できた。これからエレクトロなテイストのものだったり、レゲエだったり、何があるかわかんないですけど、「ここまではオッケーだよね」っていう僕たちなりのラインを引いていかないといけないから。

――例えばバキバキの打ち込みだったり、歌詞太郎さんがラップをしてたり、仮にそういう曲が出てきたとして、でもそれが“あぁ、イトヲカシだな”って思えたらすごく面白い。

伊東:そうですね!(笑) まず僕らが最初にジャッジをするので、そこで“うん!”って思えたなら、どんな曲でもありえると思います。

宮田:最初のリスナーであり、一番のファンである我々二人が「ちょっと……変わったね~」ってなっちゃたら、もう……ね(一同笑)。

伊東:今回の前身の曲は、間違いなくそれがあったってことですね。

――歌詞の面で言うと、「さいごまで」と通ずる部分もあるのかなと思いました

伊東:「さいごまで」は受験生に対しても書きつつ、その目を通して、本当はいろんな人に聴いてもらいたくて。その点、「カナデアイ」もまったく同じで、今回は男女の恋愛を描いていて、それは『双星の陰陽師』の世界観でもあって、男女の愛……別に男同士でも女同士でもいろんな性の形があると思うんですけど、“愛”は全員に当てはまることなんだなって思ったんですよ。そういう意味では、こっちも多くの人に聴いてもらいたいっていう想いで書きましたね。

――どこかに背中を押す感じがありますよね。

伊東:あ、本当ですか! この曲はラブソングで、甘いラブソングって人類にとって必要なときって絶対あるだろうし、あっていいものなんですけど、「絶対君だけを愛す」みたいなものに、僕はリアリティをあまり感じないんですよ。男女の愛って結局はお互いに傷つけ合うものだと思うし、人間って傷つかないと成長できないと思うので。だからこそ恋愛って磨いていくものだと思ってるんですけど、傷ついて傷つけてしまって、そのままだったら“ハイ、さよなら”ってなってしまう。そこを、「俺も傷ついたけど、俺も君を傷つけてしまったね」って乗り越えた上で、「それでも俺とやっていける?」っていう問いかけのラブソングなんですよ。
さっきも言ったように、自分の中にある考え方しか歌詞にできないから、それしか書けないんですけど、そういうものが出てきたっていうことはそれが自分の本音だし、『双星の陰陽師』の世界にぴったりハマっていた……主人公の2人は乗り越えなくちゃいけないことがたくさんあるんですよ。一番いい落としどころというか、融合させることができたなって。
僕らにとっては珍しいくらいの難産で、結構苦労したんですけど(苦笑)、最終的には楽しんで融合させることができました。

宮田:二人が向き合って前を向くっていう、すごく前向きなテーマではあると思うので、背中を押されるっていう印象を持ってもらえたら嬉しいです。

――イトヲカシも二人で向き合った時期もあったっていう話でしたし、男女に限らずですね。

伊東:もちろん。仕事上のパートナーでもいいし、上司と部下でもきっとこういう関係が当てはまると思うんですよ。

宮田:向き合うということがどれだけ大事かっていうことが分かった年でしたね、2016年は。周りを見ててもいろんなことを思いましたし。

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