芹那「アラサーになると、見方が変わるよね」 舞台「野良女」アラサー女優陣のぶっちゃけガールズトーク
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(左から)深谷美歩、菊地美香、佐津川愛美、芹那、沢井美優
石原さとみ主演のドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』の原作者としても知られる作家の宮木あや子。今注目のヒットメーカーの作品群の中でもとりわけ女性から圧倒的な共感を集めるのが、アラサー女子の本音を描いた『野良女』だ。
全女子を「わかる~!」と唸らせた痛快作が、ついに舞台化。そこで今回は、出演者の佐津川愛美、芹那、沢井美優、深谷美歩、菊地美香の"リアル"アラサー女優陣が、作品同様、アラサー女子の「あるある」を告白。SPICEだけのぶっちゃけ座談会をとくとお楽しみあれ!
この胃腸不良は加齢のせいなんだって痛感しました。(佐津川)
――ではまずみなさんの「アラサーあるある」からお話しいただければ。
佐津川:原作に「フライドポテトと唐揚げからキムチとたこわさになったのは胃腸の事情」というくだりがあるのですが、まさしくそれ。私も去年くらいからずっと胃腸の調子が悪いなと思っていたんですけど、単に加齢のせいなんだって痛感しています。
菊地:わかる! 私も焼き肉に行く機会が極端に減って。同じ肉でも脂の少ないステーキの方がいいやって思うようになったときに、「ああ、30を超えたんだ」って実感しました(笑)。
沢井:疲れがとれなくなるよね。寝ても寝ても寝たくなるというか。だからといってもうそんなに長く寝られない体になっちゃってる。若い頃はとことん寝られたのに、今はしなくちゃいけないことが気になって、ぐっすり眠れなくなった。
深谷:私の場合、お酒を飲んだ次の日がひどい。朝まで飲むと、次の日、必ず風邪をひくようになりました(笑)。
佐津川愛美
芹那:私がアラサーと実感した時は、周りのリアクションの変化に気づいたときかな。20代前半のときは「10代に見えるね」って言われていたけど、いつの間にか「27~8に見えるね」って言われるようになって。年をとると、見た目の年齢層も上がるんだなと実感しました。だから「若く見えるね」って言われても今は全然嬉しくなくない。だって若く見えるって言っても結局20代後半なんでしょ!って(笑)。
菊地:そもそも「若く見える」ってフレーズ自体、結局は若くない人に使う言葉だしね。
沢井:しかも相手だって気を遣って27~8って言ってくれてるんだろうなって考えたら、結局実年齢と全然変わらないんじゃんって思う(笑)。
深谷:逆にいい意味で変わったなと思うことが、許せることが増えたこと。前は好き嫌いがハッキリしてて、たとえば映画でもファンタジーは絶対NG。それよりもっと観ていて自分が辛くて痛い気持ちになるようなものこそ映画だろうってこだわりがあったの。でも最近は『ブリジット・ジョーンズの日記』とか観て泣いたりするようになって。自分でも変わったなあって思う。
一人で幸せと思いはじめたら、アラサーとしては相当危ない。(菊地)
佐津川:許せることが増えるっていうのは、私もわかるかも。私が特に実感するのは、男性に対して。昔は小さいことでも「なんでもっとこうしてくれないんだろう」ってストレスを感じてばかりいました。それが、今まで育ってきた環境によって、それぞれの思う「普通」は違うんだってことがわかるようになってからは、いろんなことが許せるようになってきました。
芹那:アラサーになると、男性に対しても見方が変わるよね。あまり期待を抱いちゃいけないんだって思うようになった(笑)。
菊地:恋愛という意味での変化で言えば、昔は好きって気持ちさえあれば突っ走れたのに、今は誰かを好きになっても、この人は事務所に付き合ってるって報告できる相手かとか、いろんなことを考えて踏み込めなくなった。年齢的にも、付き合うなら結婚を考えなきゃいけない時期に来たわけじゃない? そうすると、ただ好きだから一緒にいるじゃダメ。その先を見ないといけないんだって、あれこれ考えるうちに、いつの間にか恋愛そのものが面倒に(笑)。しかも、それはそれで幸せなんて思いはじめているから、アラサーとしては相当危ない。まんまとアラサー街道突っ走っちゃってる(笑)。
沢井:だって一人でも幸せだもんね。
佐津川:うん。年をとると、どんどん一人で楽しめることが増えてくる。
菊地:大人になると若い頃と比べて、お金もあるしキャリアもあるから、別に男の人に頼らなくたって何とでもなるし。
(左から)芹那、沢井美優
沢井:そうやって一人の時間を楽しんでいられるうちはいいんだけど、結局女性はどこかで妊娠のタイムリミットが来るわけじゃない? 私は生涯シングルで楽しむ生き方も大賛成だけど、もしも子どもがほしいと思うなら、どこかで区切りをつけなきゃいけない。
菊地:それに今は遊んでくれる友達がいるから一人でも平気だけど、周りがみんな結婚したらどうなるかなんて全然わからない。親だっていつか自分より先に死んじゃうわけだし。みんなずっとはいてくれないんだって思うと、いつまでもシングルっていうのは正直怖い。
佐津川:え? 結婚しても遊びに誘ったらダメ?
沢井:やっぱり相手の家庭の都合とか考えるとね…。
佐津川:私はOK。たぶん友達の旦那さんとも仲良くなれるタイプ。
菊地:危険だ! それは完全に一人で生きていけるタイプだよ~(笑)。
佐津川:今の話を聞いていて、一人でいることがどんどん楽になっている自分がヤバいってことに気づきました(笑)。同じアラサーと言っても、私はまだアラサー初心者。美優(沢井)とも一歳しか違わないのに、いろいろ考え方が違うんだなって思うと、この一年で私もどんどん変わっていくんだろうなあって。
菊地:アラサーの一年は大きいよ。私も28で考え方がガラッと変わった。女の転機は28です!
私は結婚願望があまりない。(芹那)
――ちなみに今回は不倫、DV彼氏、遠距離恋愛と、様々な恋愛のカタチが描かれますが、アラサー女子にとってこれはNGというのは?
菊地:絶対不倫! アラサーになると、いいなと思う男性って大抵結婚してるじゃないですか。つまり、それだけ不倫にハマる確率が高いんだってことを、アラサー女子は肝に銘じておかないと。
芹那:男の人って、結婚するとなぜか魅力的になるんですよね。周りを見てても、子どものいる男性って不思議とモテるし。
深谷:そこで言うと、私、そもそも年下の男性を好きになったことってないんです。恋愛対象はいつも年上か同い年。
沢井:私も年下はない! 年下から甘えられると、「甘えてんじゃねえよ!」って思っちゃう(笑)。逆に年上の男性から甘えられるのは大歓迎。いつもは頼りがいのある人が、私の前でだけ弱音を見せたりするとキュンとします。
芹那:私は結婚願望があまりなくて、年上や歳相応の相手だと結婚を考えたりして荷が重く感じちゃう。逆に年下の男性はあまり結婚願望がなくて、共感できる部分があったりもして結婚を考えなくていいお付き合いができると思う!
菊地:わー! それすごくいい! 結婚を考えなくていいってのは、すごく楽。私の場合、2~3歳年下と言っても、もう相手も適齢期。20歳まで下りれば、そういうこと考えなくていいなって思うと、すごく嬉しいかも。
(左から)深谷美歩、菊地美香
佐津川:私はあまり年齢というのも気にしなくなったかもしれない。年下でもしっかりしてる子はしっかりしてるし、年上でも子どもっぽい人は子どもっぽいし。結局、恋愛相手に求めるものは何なんだろうって思ったら、尊敬なのかも。みんな、尊敬尊敬って簡単に言うけど、本当に尊敬できる人って出会ったことあります?
菊地:それはどういう面で? 能力的な意味で? それとも人柄とか?
佐津川:そこもすごく考えるんですけど……。
菊地:同じ役者同士っていう意味では、お芝居のすごく上手な人とかは尊敬の対象にはなるかも。ただ心から尊敬できる相手っていうのは、なかなかいないよね。
沢井:私は恋愛に結びつかなくても尊敬できるという人は結構いるかなあ。この間、あるアラフォーの知り合いが言ってたんですけど、「結婚したら愛はなくなるけど、尊敬はなくならない」って。だから尊敬できる相手を選ぶっていうのは大事なことだと思う。
佐津川:愛はなくなるんだ(笑)。
沢井:なくなるでしょ! それこそ子どもなんてできたら、もうときめいてなんかいられないよ~。
佐津川:確かに。ただ、そういうときめきはなくなっても、また別のカタチの愛が出来上がってほしいというのが理想かな。
沢井:それは理想。ときめきを求めなくても、別の結びつきを感じられる相手とめぐり会えたら幸せだよね。
菊地:やばい! みんな夢を語りはじめてるよ。そんな相手、そういないから(笑)!
ということで、ノンストップの本音トークは一旦ここでお開き。恋愛、結婚、出産、仕事、セックス。語りだしたら止まらないのがガールズトークの面白さ。舞台上では、さらにキワドイ女子の本音がむき出しになります。いろんな悩みに揺れ惑いながら、自分の足で自分の人生を切り開こうとするアラサー女子のたくましい生き様は、性別・年齢を問わず、観る人に勇気と元気を与えてくれるはず。
舞台「野良女」は4月5日(水)より新宿シアターサンモールにて上演。アラサー女子のリアルな叫びに、心を突き刺されてみては?
1988年8月20日生まれ。静岡県出身。05年、映画初出演となった『蝉しぐれ』で第48回ブルーリボン賞助演女優賞にノミネート、一躍脚光を浴びる。07年、映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』では、第0回同賞の助演女優賞と新人賞の2部門にノミネート。その後も映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍。近年の出演作に、映画『ヒメアノ〜ル』『だれかの木琴』、舞台『娼年』など。
芹那(せりな)
1985年5月19日生まれ。北海道出身。09年8月から、女性アイドルグループ・SDN48のメンバーとして活動を開始。12年の卒業後もそのキャラクターが親しまれ、バラエティを中心に活躍。女優としても映画『アズミ・ハルコは行方不明』や舞台『リング・リング・リング2016』に出演するなど、着実にキャリアを重ねている。
沢井 美優(さわい・みゆう)
1987年10月23日生まれ。神奈川県出身。03年から放送が開始された実写版『美少女戦士セーラームーン』で主役の月野うさぎ / セーラームーン役を演じ、大きな話題に。その後、ドラマ・CMなどマルチに出演する他、『マクロスΔ』のベス・マスカットなど声優業でも活躍。舞台出演作としては『宮本武蔵外伝〜我が宿敵は女子高生成り〜』『森の石松外伝6・石松と祓い屋団十郎』などがある。
深谷 美歩(ふかや・みほ)
1984年1月19日生まれ。東京都出身。09年、新国立劇場 演劇研修所卒業。蜷川幸雄、栗山民也、宮田慶子ら数々の一流演出家の舞台で実績を積む。近年の舞台出演作は『頭痛 肩こり 樋口一葉』『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』『地獄のオルフェウス』などがある。
菊地 美香(きくち・みか)
1983年12月16日生まれ。埼玉県出身。04年、『特捜戦隊デカレンジャー』のデカピンク役でお茶の間に広く親しまれる。その歌声を活かし、ミュージカル『レ・ミゼラブル』や『ロックオペラ モーツァルト』、ミュージカル『タイタニック』など数々の舞台に出演。近年の舞台出演作としては『Endless SHOCK』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』など。
日程:2017年4月5日(水)~9日(日)
会場:新宿シアターサンモール
原作:宮木あや子
演出:稲葉賀恵(文学座)
脚本:オノマリコ(趣向)
音楽:オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)
出演:佐津川愛美、芹那、沢井美優、深谷美歩、菊地美香 ほか
公式ホームページ:http://noraonna-stage.jp/