山本周五郎×戌井昭人×所奏「青べか物語」、文学座5月アトリエの会

2017.3.15
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舞台

文学座5月アトリエの会「青べか物語」ポスター


文学座5月アトリエの会「青べか物語」が、5月12日から26日まで東京・文学座アトリエにて上演される。

来年2018年に創立80周年を迎える文学座がこの先20年を見据る新たなテーマに「新しい台詞との出会い」を掲げ、山本周五郎原作「青べか物語」を、戌井昭人の脚色、所奏の演出で上演する。今回が初演出となる所は、2012年に戌井が脚色・演出を務めた「季節のない街」で演出助手を担当。その際に戌井の本作脚色への意欲を聞き、企画を立案したという。

うらぶれた漁師町・浦粕を訪れた“私”が、町で見聞きした出来事が描かれる本作。戌井は「『青べか物語』の、むきだしで生きている人間をみて、なんとくおおらかな気持ちになってもらえればと思います」、所は「甘美なノスタルジーとはきっぱりと縁を切って、現代人の失われていない精神性を呼び覚ます。そんな舞台を作りあげたい」と意気込みを語っている。は4月3日発売。

戌井昭人コメント

人間とは、いったいどのような生き物なのだろうか? 考えたところで、結局よくわからない。良い奴ばかりではないし、悪い奴もいる。美しいことばかりじゃなくて、悲惨なこともある。しかし現在は、このようなことを気にしすぎて、息苦しい世の中になっている。そこに風穴をあけることができれば、などと大層なことは思わないけれど、「青べか物語」の、むきだしで生きている人間をみて、なんとくおおらかな気持ちになってもらえればと思います。

所奏コメント

ノスタルジー、郷愁。昔の出来事を語るときにしばしば使われる、どこか甘い響きのする言葉。人間の精神性や文化について話す時によく使われる、「昔は良かった」というアレ。
きっと昔の人たちは現代人が失った大切な何かを持っている。取り戻すことのできない何かを。しかしそれを悲観的にとらえる必要はないのではないか。『青べか物語』の中で生きているイカガワしい人たちが見せてくれる、人間の可笑しくて哀しい精神性。それは今を生きる私たちの中にもあるのだから。
甘美なノスタルジーとはきっぱりと縁を切って、現代人の失われていない精神性を呼び覚ます。そんな舞台を作りあげたい。

文学座5月アトリエの会「青べか物語」

2017年5月12日(金)~26日(金)
東京都 文学座アトリエ

原作:山本周五郎
脚色:戌井昭人
演出:所奏
出演:坂口芳貞、押切英希、松井工、上川路啓志、山森大輔、萩原亮介、つかもと景子、高橋紀恵、鈴木亜希子、下池沙知

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