星野源が文筆家としての顔&大泉洋のかわいいエピソード披露

2017.4.2
レポート
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自著を手にする星野源。

本日4月2日、星野源が最新エッセイ集「いのちの車窓から」の発売記念トークイベントを都内で開催した。

18万部を超えるヒット作となっている「いのちの車窓から」。イベントには6000を超える応募の中から選ばれた幸運な150名のファンが集まり、星野の洒脱なトークを楽しんだ。

大きな拍手に迎えられた星野は、雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載からエッセイ集刊行に至った経緯を説明。「自分が見たものの状況を書くようにした」「自分の外側のことを書きたいなと思った」とエッセイのコンセプトを語る。数多くの人物が登場する書籍の中で星野は、映画「タクシードライバー」のポスターを車内に貼って営業していたタクシードライバーのエピソードをピックアップ。「車内は自己主張がすごいのに、お話ししてたら運転手さんは丁寧な人で。また、“たまたま”会ってみたいですね」と回顧した。

また司会者が、書籍の中に親交の深い放送作家の寺坂直毅がたびたび登場することについても言及し、それを呼び水に寺坂が登場。寺坂は「出版おめでとうございます」とお祝いを述べると、早速文筆家としての星野に迫っていった。星野は「家か喫茶店で書くことが多いです」とPCの横にコーヒーを置いた写真を交えながら語ったり、ゲラチェック中の原稿の画像などを映し出したり執筆作業の舞台裏を披露。「昔から人に文章で伝えるのが下手で、うまくなりたいなと思ったんです。うまくなるには仕事にしたほうが早いだろうと思って、自分で編集者さんのところに『書かせてください』って行って、200字くらいのところから始めて……」と文筆家になったきっかけを語った。

主な執筆時間帯が夜であることも明かし、「今回のエッセイは面白いことを書かなきゃっていう気持ちで書いてなくて。パソコンの前で『何書こうかな?』って思ってると浮かんできたり。浮かばないときも書き始めると意外と最後まで書けたり」と口にする。なおそんな発言を経て、寺坂が「いのちの車窓から」に登場する言葉のランキングを紹介。1位が「夜」であることが明らかになると、星野は「夜に書いてるからでしょうけど。自分の好きにできる時間は夜が多いので」とその理由を分析した。寺坂が「このあと夜の池袋に消えるんですか?」と台本を読み上げると、星野は「誰だよこれ書いたの! このあとも仕事ですよ(笑)」と猛然とツッコミを入れ、観客を爆笑させた。

寺坂の退場後は質疑応答の時間に。「最近一人で泣いたエピソードは?」という質問には、伊丹十三賞受賞をきっかけに伊丹の監督作「たんぽぽ」を再度鑑賞し、登場人物がおいしそうにごはんを食べているシーンや、ラストシーンで泣きそうになったと述べる。「音楽の盛り上がりと、絵の一致具合がすごくて。ものを作ってる人の『これだ!』っていう瞬間を見ると、つい涙が出てしまう」と語り、「けものフレンズ」の最終回のタイトルが表示されるシーンも同様にグッと来るものがあったと述べた。また親交のある大泉洋にまつわる質問も寄せられ、「真剣なお芝居の話をすることもあります」「最近、この本を持って、ものすごーい苦い顔をしてる写真が送られてきました。それが面白かったですね」とプライベートなエピソードも披露。さらに大泉が、星野が出演したドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の大ファンであることを暴露し、「食事に呼んでもらったときに『平匡さんだ!』って照れててかわいかったです」と笑いながら話した。

最後に星野はファンに感謝の思いを伝えると共に、「本がすごいなと思うのが、紙と文字だけで、その人になったような気持ちとか、その人の傍に行ったような気持ちとか、その場所に行ったような気持ちになれる。すごく面白いメディアだと思うので、これを機に(本を)読んでみてください」と読書の魅力を語る。そして「これからも無理なく書き続けていこうと思いますので、よろしくお願いします」と意欲を語った。