中村倫也「新国立劇場の小劇場で芝居をしてみたかった」~舞台『怒りをこめてふり返れ』 ミニインタビュー

2017.4.5
インタビュー
舞台

中村倫也


4月2日(日)に新国立劇場オペラパレス・ホワイエにて、舞台『怒りをこめてふり返れ』のトークイベントが行われた(トークイベントの模様はこちらから⇒)。 このイベント終了後、主演の中村倫也にインタビューすることができたのでその模様をお伝えしよう。



――前回、新国立劇場で上演された「JAPAN MEETS… -現代劇の系譜をひもとく-III 『わが町』」に出演してから6年経ちましたね。この劇場に感じることとかあるのでは?

もう6年前ですか…。新国立劇場の小劇場は以前から使ってみたかったんです。『わが町』のときは中劇場のほうだったんで。千葉(哲也)さんも今回の上演にあたり、いろいろ考えているみたいですよ。

――さきほどのトークイベントでも話が出ていましたが、今回演じるジミーは一見粗暴に見えるが、それは感情を誰かにぶつけて返ってきた反応から本当の自分を探しているのでは?という解釈をされているそうですね。

ええ、そういうタイプだと思っていますね。

――中村さんが役作りをする際は、どのような方法を取られますか?ジミーのように誰かに投げてみた中から役の本質を見つける、とか?

役作りのやり方は昔からそれほど変わってないんです。結局は自分の中にある「物差し」でしか考えられないから。スタートの切り方はいろいろあると思うんですが、この役を「他人事」にしない、役の一つ一つがちゃんと自分と大なり小なりリンクしていて、実感をもって演じていることが大事だなと感じています。

その結果、「この人物は、こういう場面で、こういうセリフを言っているけれど……あれ? もしかして本当はこの人物は怒っているのかな?」とか、かつて恋愛中に、こんな想いになってしまうことがあったかも!?

……という作業を細かくやっていますね。

――本作は7月の上演に向けて、すでに一部のキャストで本読みをされているそうですね。よく耳にする舞台の稽古期間と比べると、スタートが早いように思ったのですが。

実は昨年の秋くらいから「ちょっと、やってみようか」ってことを話していたんですよ。水谷(八也)さんが本読みを聞いて、再度翻訳に手を入れたいということで。作品の解釈も難しいから、そのすり合わせもしたいので「プレ稽古」という形で早めにやりました。

――その結果、15ページ読んでも意味がわからない、という状態から、役がつかめるようになっていったんですね。

掴んだものは「感覚」なんですけどね。(妻・アリソン役の)中村ゆりちゃんの声を聴いて。これがゆりちゃんじゃなかったらまた違った感覚を得ていたと思います。本読みをやることで、いろいろな発見がありましたね。

――翻訳の水谷さんとは『わが町』以来のタッグとなりますが。水谷さんの印象は?

水谷さん、大好きです! ものすごく物知りで話していて楽しいんです。アタマのいいおたくとしゃべるのは本当に楽しいです(←褒めています)。たぶんご本人は覚えていないと思いますが、「わが町」の後半は「やっさん」って呼んでいました(笑)。そういえば今回は「也」が付く人が三人いるんです。「水谷八也」「千葉哲也」「中村倫也」って。

――「やっさん」祭りですね(笑)。もうひとりの「やっさん(?)」、千葉哲也さんは?

「わかんないけど、とりあえず一度やってみようか」という空気感を持っていて、そこが僕は好きなんです。「考えていても仕方がないからやってみよう、やってみたほうがいろいろ見えてくる」と思うタイプ。「米の研ぎ方がわからない時は、まず研いでみないと」だと思うんです。「この米の周りについているものを洗い落とすとおいしくなるので研いで……」とかいわれても、「……知らんわ」ってことになる。頭で考えすぎず、肉体を動かしてみる。やればわかるのに、やらないで考えているだけだと違う方向にいってしまうので。

――中村さんも考えるよりやってみる派なんですか?

自分は石橋をものすごく叩いて渡る方だと思っているんですが……叩いて渡ろうと思ったときに「もういいや」って足が先に出ているタイプ(笑)。最終的には「もういいや」になっちゃう。で、戻ってきてまた考えようって(笑)。

中村倫也

――「SHINKANSEN☆RX『Vamp Bamboo burn~ヴァン・バン・バーン~』」で取材をさせていただいて以降、TVドラマ、映画に、と連日お忙しいと思うのですが、忙しい中での気分転換ってどうされていますか?

本当の日常はささやかなもので。派手な事もしないし、誰かに誘われなければ、基本、家にいます。「仕事」がストレス解消の場であったり、気分転換だったりするんです。とはいえ、最近はちょっとした「波」があって。例えば「読書」にはまる時期があったり、「音楽」にはまる時期があったり。先月末くらいから映画館に行く波が来ています。

――映画! ここ最近で観た映画は何ですか?

(生田)斗真くんが出ている『彼らが本気で編むときは、』『ラ・ラ・ランド』『哭声/コクソン』とか……。『ムーンライト』や『トレインスポッティング』の続編もやるみたいだし、観なきゃなあと思っています。

――映画といえば、中村さんが出演されている映画『3月のライオン』の舞台挨拶で名古屋に行かれていたんですね。Twitterで知りました……あのひつまぶしのツイートは目に毒でした(笑)

もうあれが食べたくて名古屋に行ったくらいですから! お店予約していったんですよ(笑)


……そんなひつまぶしへの愛(?)を語る中村だったが、『Vamp Bamboo burn~ヴァン・バン・バーン~』の時より痩せたように思ったんですが?と聴いてみたところ、「舞台のときは動いた分だけ痩せますが、映像の仕事は食べた分が全部肉になるし、映画はそもそも横に膨らんで映しだされるので、意識的に気を付けています」体調管理には気を配っています、との言葉。すばらしいですね!

取材・文・撮影:こむらさき

公演情報
2016/2017シーズン
JAPAN MEETS...-現代劇の系譜をひもとく- Ⅻ
「怒りをこめてふり返れ」
Look Back in Anger

 
■日程:2017年7月12日(水)~7月30日(日)
■会場:新国立劇場 小劇場PIT
■作:ジョン・オズボーン
■翻訳:水谷八也
■演出:千葉哲也
■出演:中村倫也 中村ゆり 浅利陽介 三津谷葉子 真那胡敬二
■公式サイト::http://www.nntt.jac.go.jp/play/performance/16_007983.html​

あらすじ:
英国中部のある大都会の屋根裏部屋。貧しい下層階級に生まれたジミーは、妻アリソンと、同じ下層階級出身の友人クリフとの奇妙な三人の共同生活を続けていた。ジミーは、政治、宗教、あらゆる旧世代の価値観や秩序に激しい怒りをぶちまけ、さらに搾取により裕福で欺瞞に満ちた生活を送る憎むべき中産階級出身の妻アリソンにいらだち罵倒する。善良なクリフはジミーに怒りの矛先を向けられ憔悴したアリソンをやさしくなぐさめるのだった。
ある日、アリソンの友人ヘレナが部屋を訪れる。窮状を見かねたヘレナは、アリソンの父親レッドファーン大佐に連絡を取り、説得されたアリソンは実家に戻るのだが……
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