牧阿佐美バレヱ団「ドン・キホーテ」ベテラン&期待の新人、2組のペアが踊るコメディタッチのバレエ

2017.5.3
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牧阿佐美バレヱ団「ドン・キホーテ」青山季可、菊地研 撮影:鹿摩隆司


牧阿佐美バレヱ団は6月10日(土)・11日(日)に古典バレエの名作 「ドン・キホーテ」を上演する。スペインの町を舞台としたバレエで、主人公のキトリとバジルのカップルに、どこかとぼけたドン・キホーテが絡み繰り広げられる、ユーモアたっぷりの作品。踊りの見どころも豊富な人気作である。

この公演では10日の青山季可&菊地研のベテランペアに続き、11日はすでに実力派新人としての評価が高い阿部裕恵と清瀧千晴がキャスティングされている。

■親しみやすいコメディ作品。ベテランの技術と新人のデビューにも注目

「初めて古典バレエを見るならドン・キホーテがおすすめ」と、バレエ関係者からしばしば聞かれる通り、この「ドン・キホーテ」はまず、ストーリーがわかりやすい。キトリの父親が押し付ける金持ちのガマーシュを軽くコミカルにあしらいながら、バジルとの恋のさや当てを繰り広げるところに、キトリをドルネシア姫と勘違いしたドン・キホーテが絡むドタバタ喜劇なのだ。姫と王子の物語ではなく、主人公の娘キトリもバジルも町の庶民ゆえ、登場人物の掛け合いもコメディタッチ。キトリやバジル、ドン・キホーテをはじめ、お供のサンチョ・パンサ、キトリの父親が選んだ結婚相手ガマーシュに人気者の闘牛士エスパーダなど、登場人物も個性豊かだ。

また踊りの見せ場も多く、キトリとバジルの超絶技巧のパドドゥや、闘牛士の踊りはダイナミックで軽快。ドン・キホーテの夢の中で展開される森の精とドルネシア姫の幻想的な踊りは華やかなチュチュを纏った優雅なコールド・バレエで、踊りのヴァリエーションも豊富で飽きさせない。

この舞台を牧阿佐美バレヱ団を代表するダンサー達が日替わりで踊る。

10日はこれまでも同バレエ団で数々の主演を演じてきた青山季可&菊地研が登場。安定したテクニックを持つ青山と躍動感溢れた菊地の舞台はベテランならではの味わいのものになるだろう。

また11日には新人の阿部裕恵が主役デビュー。新国立劇場バレエ研修所を経て、2016年に牧阿佐美バレヱ団に入団。同年、牧阿佐美振付の新制作「飛鳥 ASUKA」でパ・ド・トロワ“紅竜”、「くるみ割り人形」で雪の女王に抜擢されている注目の若手だ。バジル役は清瀧千晴。テクニックはもちろん、音楽性も表現力も豊かなダンサーで、フレッシュな舞台が期待できそうだ。

公演情報

牧阿佐美バレヱ団『ドン・キホーテ』
■日時:2017年6月10日(土)15:00~/6月11日(日)14:30~
​■会場:文京シビックホール 大ホール
​■指揮:デヴィッド・ガルフォース
​■演奏:東京オーケストラMIRAI
​■演出・振付:アザーリ・M・プリセツキー、ワレンティーナ・サーヴィナ(プティパ、ゴルスキー版に基づく)
​■作曲:レオン・ミンクス
​■美術・装置:川口直次
​■衣装:川口弘子
​■総監督:三谷恭三

​■出演:牧阿佐美バレヱ団
6月10日:青山季可(キトリ)、菊地研(バジル)
6月11日:阿部裕恵(キトリ)、清瀧千晴(バジル)

​■公式サイト:http://www.ambt.jp/