中川大志×平祐奈インタビュー 『ReLIFE リライフ』で駆け抜けた高校最後の1カ月の「青春」
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中川大志&平祐奈 撮影=岩間辰徳
13歳からの知り合いで、映画での共演経験は『ReLIFE リライフ』で実に3度目だという中川大志と平祐奈は、「もう幼馴染みたいな感じだよね?」とリラックスした雰囲気で微笑み合った。
4月15日公開の映画『ReLIFE リライフ』は、中川演じる人生に不甲斐なさを感じている27歳のニート・海崎新太が、もう一度17歳をやり直すチャンスをもらい、同級生となった平演じる日代千鶴に想いを寄せることになるファンタジックな物語。二人は、ともすれば浮世離れしすぎる話を、ごく自然に、もしかしたら「あるかもしれない」と思わせるほどに演じている。
話を聞くほど、中川の心情の掘り下げ方への真摯な取り組み、平の綿密な役作りへの意識が浮き彫りになる。ともに過ごした、密度の濃い18歳の1カ月間の撮影を振り返ってもらった。
18歳で27歳を演じるためには「とにかく研究するしかなかった」
中川大志&平祐奈 撮影=岩間辰徳
――まずは中川さん、18歳にして27歳という役を演じましたが、違和感のなさに驚きました。
中川:最初、「27歳の役がきました」と言われたときは、とにかくびっくりしました。まさか27歳の役を高校生でやるとは思わなかったので……。ただ、僕は『ReLIFE リライフ』のような作品をずっとやりたかったんです。舞台は現実世界で、出てくる登場人物も現実の人たちだけど、すごくファンタジーな要素があって、あり得ない出来事が起きてゆくという世界観がすごく好きだったんです。また、今回27歳も17歳もどちらも表現できるのはすごくうれしかったし、楽しみでした。役者って「こういうのもやっている」、「次はこういうのをやる」って、違う顔を見せられるのがうれしいんですよ。『ReLIFE リライフ』では、2時間の中で両方の顔ができたので、すごくやり甲斐がありました。
中川大志 撮影=岩間辰徳
――中身は27歳の海崎が17歳の日代さんに惹かれていく様子が、とてもデリケートで自然に感じました。
中川:17歳の女の子に惹かれてしまうというところで、最初、海崎の中でも葛藤があるんです。「ダメだ、ダメだ、相手は10個も下の女の子だ!」って。自分の中で自制していてモヤモヤがあるんですけど、気づけばなくなっていて、思わず行動に出てしまうっていう。なんか、それが海崎が高校生になっていくさまだなと思っていました。海崎の魅力は、年齢が10個離れていようが、そういうところで人と付き合っていないところです。人と人同士でちゃんと向かい合うところが、海崎のキャラクターとしてのすごく魅力的な部分だと思っています。
――実際の役作りで、27歳のためにどんな準備をしましたか?
中川:27歳になってみることはできないので、そういう意味では、とにかく研究するしかなかったです。目の前にいるその世代の方たちをよく観察してみるところから始まりました。その中には、(共演の)千葉雄大さんも含まれています(笑)。
平:あ、ちょうど10歳差だ!
平祐奈 撮影=岩間辰徳
中川:そう、そう。いろいろ聞きました。まず、とにかく10年前のことについて、人はどれくらい覚えているんだろう、というところから。僕は現役高校生ということもあって、高校生としての当たり前の感覚が体に染み込んでいるので、1回取っ払いました。10年前、どういう音楽、アニメ、漫画、遊びが流行っていたかとかは、とにかく聞きました。
――千葉さんは覚えていましたか?
中川:千葉くんは役者で、やっぱり役でずっとやっているので(覚えていることが)特殊ですよね。でも、どういう漫画やアニメを見ていたとかも教えてくれて、ジェネレーションギャップが面白かったです。
――平さんから見た27歳の中川さんの姿は新鮮でしたか?
平:全然違和感がなかったです。大志くんは元から大人っぽいんですけど、さすがに27歳っていうのはどんな風にできるんだろうと思っていて。最初、私が現場にいなくて写真で見たときは、「わ!海崎さんのままだ!」と思いました。また大志くんの新たな顔で、すごいなあと思いました。
――平さんご自身も、大人しい日代さんというのは新鮮な役だったと思います。
平:もう自分と真逆すぎて、すごく難しかったです。原作が漫画ということもあるので、原作ファンの方もたくさんいるから、不安が大きかったんですけど。やっていく中で、監督にいろいろアドバイスをもらったり、皆と和気あいあいの現場だったので、そこにも救われました。
中川大志&平祐奈 撮影=岩間辰徳
――役作りのために、日代ノートを作ったとか?
平:はい。日代ノートは、まず漫画に描かれている日代さんのプロフィールを書き出しました。日代千鶴、何月何日生まれ、真面目、人に興味がない、悪気はないが失礼なことを言う、笑顔はこう……とかを黙々と書きました。それから漫画をコピーして切り取って、このシーンはこういう感情だからこういうことを言うとか、ここではこういう表情とか、カバンの持ち方はこうとか、漫画に忠実にしたいなと。一番大事にしたかったのが、特徴的なニタリ顔です。
――ストイックな作業ですね。ノートは役ごとにあるんですか?
平:こんなにちゃんと作ったのは、日代ノートが初めてです。
中川:すごいですよ。僕も見たんですけど、びっしり!
平:書くのが好きなんです。まとめたりするのも好きなので、やりながら楽しくて。作っているときにも、早く現場に行きたいと思いながらやっていました。
――そんな平さんは、中川さんの目にはどう映りましたか?
中川:最初は、全然想像がつかなかったです。明るい、楽しいというものを人にして、天真爛漫でハッピーなのが祐奈ちゃんなので。相当役について研究していたよね。そういう意味では、日代さんの笑顔を見せない役は新鮮でした。
中川大志、平祐奈が感じたそれぞれの成長
中川大志&平祐奈 撮影=岩間辰徳
――トキメキのあるシーンが多く出てきます、一番の胸キュンポイントはどこですか?
平:前半、海崎さんに下駄箱の前で、学校生活での友達関係のアドバイスをもらうシーンがあるんです。「ちゃんと面と向かって話をしてみないとわからないよ」って言われるとき、海崎さんが日代の目線になって(背をかがめて)真っすぐな言葉をかけてくれるところが胸キュンでした。しかも初日だったんですよ。
中川:あれは難しかったなあ。僕は、文化祭のダンスを練習しているシーンです。
平:思わずぶつかっちゃうところね。あそこ、楽しかったね。
平祐奈 撮影=岩間辰徳
中川:うん。意識し合っている感じがね。あと、もう1個あります!予告でも流れているんですけど、雨が降ってきている中で、日代さんが浴衣で振り返って、楽しそうに笑う表情。初めて日代さんの笑顔を見るところなので、一番注目してほしいかもしれない。すごくいいんですよ。「ハイスピードカメラって、このためにあったんだ……!」と思うくらい、いいカットです。皆さん、キュンキュンすると思います。
平:極寒の仙台で撮影したんですけど、「皆がこんな寒い中頑張っているから」と監督も一緒に浴衣を着てくれたんです。「よーい、スタート」の本番前に、雨降らしの中に監督自ら入って「みんな、行くぞ」と言ってくれたんです。
中川:そうそう。
――現場自体が青春だったんですね。
中川:本当にそうです!
平:青春な1カ月でした。私たちも高校最後として楽しみました。
中川大志 撮影=岩間辰徳
――13歳から知っているお二方ですが、改めてお互いに「成長したなあ」と思うポイントはありますか?
中川:映画の共演が3回目ということもあるけど、女優さんとしての変化は、毎回びっくりするくらい強く感じています。ただ、祐奈ちゃんは、人としては何も変わっていないんですよ。ネガティブなことを感じたことはないというか、いいところがなくなっていない。平祐奈としては、このままでいてほしいです。でも、見た目は大人っぽくなったかな?
平:ありがとう(笑)。大志くんは『ReLIFE リライフ』で会って、こんなに面白い人なんだって思いました。マルチで何でもできちゃう。『おはスタ』で中学のときに2年間一緒だったけど、そこまで心を開いていなくて壁を感じていたんです。
中川:いつも言うけど、そんなことないよ(笑)。
中川大志&平祐奈 撮影=岩間辰徳
平:(笑)。同じ年と感じたことはないくらい、年上のお兄さんという感じで。そこから映画の共演が重なって、ここまで打ち解けたのは『ReLIFE リライフ』が初めてでした。
――そんな仲良しのお二人が本作ではW主演を飾っていますが、最後に、主演に際しての気持ちをお聞かせください。
中川:芝居の根本的なやり方は変わらないですけど、自分の現場というか、自分が先頭に立っているという気持ちは強いです。そういう意味では、自分の役割を務めた上で、より一層共演者の皆さんやスタッフさんにとって、気持ちのいい現場であってほしいという思いはすごくあります。
平:大志くんがすごい引っ張っていってくれているなっていうのは、私も思いました。W主演でやらせてもらっていますが、大志くんについていけば大丈夫っていう安心感が勝手にあって。現場にいてくれたら、皆が安心するんです。18歳と同じ年だけど、本当に尊敬する部分が多いです。
中川大志&平祐奈 撮影=岩間辰徳
映画『ReLIFE リライフ』は4月15日(土)より、全国公開。
インタビュー・文=赤山恭子 撮影=岩間辰徳
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原作:夜宵草 著「ReLIFE」(Comicoにて連載中)
監督:古澤 健
脚本:阿相クミコ
出演:中川大志、平祐奈、高杉真宙、池田エライザ、岡崎紗絵、千葉雄大
企画:カルチュア・エンタテインメント
配給:松竹
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
制作スケジュール: 2016年11月上旬クランクイン、12月中旬クランクアップ(予定)
公式サイト:relife-movie.jp
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