KEYTALKいよいよ武道館へ。彼らの素顔に迫るインタビュー・第一回「全員編」
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KEYTALK
メジャーデビューから約2年、10月28日にKEYTALKの4人は初めて日本武道館のステージに立つ。若くエネルギッシュなバンドがしのぎを削るロックシーンを、KEYTALKはいかにして勝ち上がってきたのか? SPICEでは彼らのパーソナル部分からバンドとしての現在地、「KEYTALKへの想い」まで、多角的に紐解いてみようと思う。5回に渡ってお届けするKEYTALK大プッシュ企画、その第一回となる今回はメンバー全員参加インタビュー。近況、ニューシングル「スターリングスター」、そして武道館への意気込みを、たっぷりと語ってもらいます!
「1年前から考え続けていたことが、ちょっとずつ実践できてるな ~夏フェスを通して感じたこと~
――KEYTALKと言えば、今年も各地の夏フェスにひっぱりだこですが。去年よりも出演が増えてるんじゃないですか。
首藤義勝(B,Vo・以下、首藤):本数は去年もけっこう多かったんで、ほぼほぼ同じぐらいですかね。
――出番はどうですか。去年よりいい時間帯に出られるようになったとか。
寺中友将(G,Vo・以下、寺中):あ、そうですね。去年は小さめのステージでトリを任せてもらうことが多くて、今年は一段階大きくなったステージでお昼にやらせてもらうことが多いかもしれない。早い時間も楽しいなと思いながらやってます。そのぶん終わったあとに自由時間も多いですし、トリだとそれまでお酒も飲めないですし。
八木優樹(Dr・以下、八木):あと、前はフェスに行っても知り合いがいなくて淋しかったし、怖いという思いが強かったんですけど。最近友達が増えました。
小野武正(G・以下、小野):それはあるね。この間も、義勝と僕がホテルのロビーで軽く飲んでたらCzecho No Republicのメンバーが来て、「じゃあ行こうよ!」って大阪の夜に繰り出したり。仲いいバンドも増えてきました。八木氏はSAKANAMONのキムさん(木村)とよく一緒にいるよね。ツイッターを見たら、キムさんと一緒に映画に行ったりしてて。
八木:マジでしょっちゅう遊んでます。最近キムさんか義勝としか遊んでないです。
首藤:テリトリー、狭っっ!
小野:バンドメンバーと、同じレーベルの先輩だけじゃん(笑)。
――それはさておき(笑)。KEYTALKに対するフェスのお客さんの反応は、たとえば去年と比べて変わったのかどうか。
小野:変わりましたね。シングル曲が増えたこともあって、お客さんの数も増えましたし、反応もより良くなったんじゃないかな?と思います。自分たちも、去年よりも余裕を持ってできてる気がしますね。メンタル的に。
寺中:今は意識的に、一番遠くの顔の見えない人に届くように歌ってるので。顔は見えなくても手を挙げてくれるのが見えると、届いてるんじゃないかな?と思います。特に今年は昼のステージが多いぶん後ろの方まで見やすくて、みんなが反応してくれてるのがわかりやすくていいですね。
首藤:広い会場の後ろまで届けるにはどうするか?というのは、1年前から考え続けていたことなので。それが春のツアーや今回の夏フェスのタイミングで、ちょっとずつ実践できてるなと思います。そういう曲が増えてきたのもそうだし、自分たちのライブでの届け方もそうだし、ちゃんと成長出来てるのかなと思いますね。
――あらためて、KEYTALKならではのライブの強みというのは?
首藤:楽しめる要素がいっぱいあることじゃないですかね。この間9mm Parabellum Bulletさんと対談する機会があったんですけど、「KEYTALKってどこ見たらいいかわかんないよね」と言われて。いい意味で、誰を見たらいいかわからないぐらいそれぞれが目立ってるって。そういうのもほかのバンドとは違うところなのかなと思います。ステージで面白いことがいっぱい起きてるみたいなことは、一つあるかなと思います。
「今までのKEYTALKとは違うステップへの架け橋になる曲」 ~ニューシングル「スターリングスター」~
――そして次の目標は、10月28日の日本武道館。その前にニューシングルが出ますね。TVアニメ『ドラゴンボール超』エンディングテーマに決まった「スターリングスター」が。
首藤:もともとシングルを作ることになった時に、タイミングが近いということもあって、ちょっと武道館も意識した内容にして、曲の中のドラマが僕たちとリンクするような歌詞を書きたいなと。あんまり今まで、現実のことを歌詞で書いたことはなかったんで、そういう意味では新しい感じになってるのかな?と思います。ただ、俺が俺がというわけでもなく、誰にでも当てはめられるような内容になっているので、そういうところで共感してもらえたらうれしいかな。曲はちょっと泣けるエモい要素がありつつ、リズムはちゃんと体を動かせるようなところは今までと変わらずに、普通にいい曲だなと思います。
――『ドラゴンボール』の曲って、相当うれしいんじゃないですか。世代的に。
首藤:そうですね。
寺中:『ドラゴンボール』のことだったら何でも答えます。
――好きなキャラは?
寺中:ベジータです!!! ……取材の企画が変わってる(笑)。レコーディングの時に、エンジニアの方に「このシーンは何でしょう?」って画像を出してもらって、答えるというのをずっとやってました。だいたい当てられましたね。「誰に向けてかめはめ波を撃ってる時か?」とか。
――それはすごい!
寺中:それぐらい好きなので(笑)。すごくうれしいっす。
――曲として「スターリングスター」の聴きどころは?
寺中:フェスをやっていて、セットリストをシングルの曲だけで組んだとしても、その中でもガッツリ上げていく曲と、体は動いてるけどどっちかというと耳のほうが反応する曲と、“踊れる中での押し引き”ができるようになってきていて。その“踊れる中でも聴かせる部分”にこの曲はあたると思います。そういう時の会場の雰囲気が大好きなので、また新しい武器ができたなと思います。
小野:今までのKEYTALKとは違うステップへの架け橋になる曲だと思います。具体性を帯びたメッセージだったり、僕らの現状にも当てはめられたり、それぞれのリスナーの人にも自分のことのように当てはめられる歌詞だったり。武道館という大きい通過点を経て行く、前向きなKEYTALKの現状が詰まってるのかなと思います。
――プレー的には自由に?
小野:そうですね。弾くところと弾いてないところのコントラストがあるし、イントロ、ギターソロ、アウトロにもソロがあったりして、いろんなバリエーションがつけられたのかな?と思います。
八木:この曲は歌が重要な、歌詞が重要な曲だと思うので。義勝が作ったデモから、あんまりやりすぎず、僕なりに変えたという感じです。すごい練習したんですよ、このシングルを録る前に。でも僕、REC当日に風邪をひいて、「今日は叩けない」…とは言ってないですよ? でもこれは絶対叩けないと思って、病院に行かせてもらって。12時に集合して、録り始めたのが21時とかで、その間薬を飲んで休ませてもらって。それでもたぶん2回ぐらいしか叩けないと思ったから、めちゃめちゃ集中して、命削って録ったテイクです。寿命が減りました。
――おお~。
八木:僕の命が燃えてる曲だと思います!
――何か急に、重い曲のような気がしてきた(笑)。聴いていて、全然そんな感じはないですけど。
八木:そうですよね。逆に「命削ってるな~」って思われても困るんで(笑)。
「ここが僕らの新しいスタート地点になれればいいな」 ~初の武道館公演へ向けて~
――さて、そのシングルのあと、いよいよ初めての武道館公演が迫ってきました。
首藤:緊張してきた……。
――まだ早い(笑)。現時点で、初武道館にどんなにイメージを持っているか、どんなことをやってみたいか。そういう話を、一人ずつ聞きたいと思います。
寺中:もちろん当日になればいろんなプレッシャーだったり、相当緊張もすると思うんですけど。最近はフェスに出ていて、大きいステージで1万人を越えたりした時に、「武道館にはこのぐらいのお客さんが集まるのか」ってすごく思うんですよ。でもフェスはいろんな人たちを見に来ている中で、この時間はKEYTALKを見ようという人が集まってくれてるということで、どっちかというと「チャレンジする場」という気持ちがすごくあって。KEYTALKだけを見に来ているお客さんではないので、そのぶん変にプレッシャーを感じずに、すごく楽しくやれるんですよ。でもワンマンになるとどうしても、僕たちだけを見に来てるお客さんなんで、いろんなことを考えすぎちゃって、固くなっちゃったりしちゃうんですよね。だからフェスでやってる雰囲気を、そのままの状態でやれたらすごく楽しいだろうなと思っていて、そういうメンタルの持って行き方を今は考えてます。
小野:僕も同じです。無心というか、考えすぎずに全力で楽しみたいなと思います。
――やっぱりメンタルなんですかね? 重要なのは。
小野:そうですね。緊張すると普段できることもできなくなったり、逆に普段以上のことができたり、ライブってそういう場だったりするので、それを一つ一つ楽しんで行きたいなと思います。
八木:もちろん「やってやるぞ!」という気持ちはあるんですけど、僕はめっちゃ怖いです。いつもそうなんですよね、でっかいライブの前はめっちゃ怖い。怖いまま終わる時もあったりするんで。
小野:「あ~怖かった~」って。お化け屋敷に行ったみたいな(笑)。
八木:だから怖くなくなるようにしたいです
――終わった時に何と言えたら成功ですかね。
八木:なんだろう? 「最高だ!」って言えたら、最高なんじゃないですかね。……あ~怖い。ホラー映画をいっぱい見て免疫をつけときます。
小野:恐怖の方向が違うでしょ(笑)。
――お客さんには何を見てほしい?
八木:演奏は自由にやりたいなと思ってるんで、いつもの通り。自由に楽しんでいる晴れ舞台の僕らを見て、いいなと思ってもらえるように頑張ろうかなと思ってます。
首藤:僕も楽しみたいですけど、絶対緊張しちゃうんで、うーん、どうしよう。怖い。
八木:一緒だ!(笑)
首藤:いろいろ考えちゃうんですよね。考えると固くなっちゃう。まあでも怖がることはないと思うし、始まっちゃえばなんとかなるという感じですよね。KEYTALKが嫌いな人はさすがに来てないと思うんで(笑)。巨大な内輪ノリじゃないですけど、共有したいですね。一つの空間を作りたいです。
――大きなターニングポイントになることは間違いないと思います。これからの未来に向けて、KEYTALKにとって武道館はどういう場所ですか?
首藤:最初は「やれるわけない」と思っていたのが、目標になって、現実になって。今は「通過点になるんだろうな」と思えてるんで、一つの記念日みたいな感じなのかな。
寺中:今回の「スターリングスター」の一番最後の歌詞にもあるんですけど、“ここからまた始めよう”というワードを見た時に、それこそ武道館にぴったりの言葉だなと思ったんで。ここが僕らの新しいスタート地点になれればいいなと思います。
インタビュー=宮本英夫 撮影=風間大洋
1.スターリングスター
※フジテレビ系アニメ「ドラゴンボール超(スーパー)」エンディング・テーマ(10月4日~)
2.鏡花水月
3. summer end
グッズ付き(「KEYTALKオリジナルネックストラップ付きパスケース」)
10,000枚完全限定生産盤(CD+GOODS) VIZL-887 ¥2,200+税
通常盤(CD) VICL-37103 ¥1,200+税