パリの展示レポート:パリのダンスパーティー「バル・ミュゼット」を体験してみました
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4月16日、春にしてはまだ肌寒いパリの運河沿いで行われた「バル・ミュゼット」なるものに足を運んでみました。
バル・ミュゼットとは、「ミュゼット」と言われる音楽に合わせて踊るダンスパーティー。実はこのミュゼット音楽の演奏者の一人が、前回『こんな日本人アーティストがパリで活躍中第16回』で紹介したパリ在住アコーディオニストのRieさんなのです。
右がアコーディオニストRieさん
会場となったのは、パリ19区にあるサンマルタン運河に浮かぶ船の中。こうした船はセーヌ川をはじめ、このサンマルタン運河沿いにはよく見られるもので「ペニッシュ」と呼ばれています。ペニッシュは、水上に浮かぶ住宅としてや、バーやレストランに改造され、パリジャンたちに粋なたまり場として愛されています。
今回バル・ミュゼットの会場となったペニッシュ「La péniche Demoiselle」(ラ・ペニッシュ・デモワゼル)は、上の階がカフェ・バーとなっており、バル・ミュゼットは船底に降りて行く階段を降りた場所で開催されていました。
この日は昼過ぎからバル・ミュゼットのダンス講座も開かれており、そのまま15時にスタートするバル・ミュゼットに参加できるようにもなっていました。
筆者が15時頃に到着すると、船底からすでにRieさんのものと思われるアコーディオンの音が聞こえてきます。
わくわくしながら入場料を払って船底へ降りると、そこには20人を越す男女がすでにダンスを楽しんでいる最中。じっと立っていると「地震!?」と驚いてしまうほど、船底がダンスによる振動で揺れ動くほどの迫力です。
会場の熱気に圧倒されながらも、ひとまずドリンクを頼もうとカウンターで一杯注文をすることに。
参加者は中には40代くらいの方もいましたが、60〜70代のカップルが目立ちました。音楽が一曲終わる度、短い休憩タイムにはいります。そこで、バル・ミュゼットの雰囲気を味わいながらバーで一杯やっていた筆者の近くで歓談している方に、それぞれお話を伺ってみることに。
インタビューに答えてくれたマダム。頼んでもないのにこのセクシーボーズ!
「昔はパリに来ないと仕事がなかったから、パリに移住してきたのよ。子供の頃に住んでいた故郷の村では、集会場所のような広場があって、そこによく家族で参加してはバルミュゼットを楽しんでたものよ」(73歳のマダム)
こうした「幼いころから家族で」と答えてくれた参加者は多く、年季の入った踊り手が、昔を懐かしむように踊りに集まっていることがわかります。
ほかにも、歓談中にお気に入りの曲がかかると、あっ!と目を見開いてパートナーに合図し、踊りに戻って行くご高齢カップルもいました。どなたもおもいっきりオシャレをして、年齢を忘れて踊る姿がキラキラしていたのがとっても印象的です。
このペニッシュでは、夜に若者向けと思われるバルミュゼットのイベントも開催されているようで、こちらはまたどんな雰囲気なのか気になります。
今回、筆者はバル・ミュゼットを踊って参加ではなく、見学するだけのバル・ミュゼット初体験でしたが、音楽も雰囲気も十分楽しむことができました。