若旦那主催『渋谷温泉 若ノ湯』をレポート 100人の前で高橋みなみと赤裸々トーク&ライブ
高橋みなみ、若旦那
若旦那主催『渋谷温泉 若ノ湯』 ゲスト:高橋みなみ
2017.4.22(sat) 渋谷gee-ge
湘南乃風のメンバーであり、近年はソロ活動にも精力的な若旦那が、主催イベント『渋谷温泉 若ノ湯』を渋谷gee-geで4月よりスタートさせた。このイベントは、若旦那が自身とゆかりのある人物を招き、裸の付き合いである銭湯よろしく赤裸々なトークを繰り広げるというもの。また、トークの合間にはライブ・コーナーも用意されるなど、そのユニークな構成から今、各方面で注目が高まっている。
若旦那
渋谷温泉 若ノ湯
登場するゲストは毎回異なり、4月7日(金)に行われた記念すべき第1回にはモデルの秋元梢が出演。そして本記事の対象でもある4月22日(土)開催の第2回には、歌手・タレントの高橋みなみがゲスト参加を果たした。
銭湯にちなんで風呂桶を持って登場した若旦那は、「皆さんこんばんは。いらっしゃいませ、若ノ湯です」と、“店主”としてあいさつ。続いて、若旦那によってゲストの高橋みなみが呼び込まれると、客席のあちこちから「かわいい!」の声が上がった。会場全体で乾杯をした後、まず2人は交流が始まったいきさつを説明。今や様々な場所で顔を合わす機会が多いという彼らだが、最初に出会ったのは小嶋陽菜の誕生日パーティーだったという。小嶋と共通の知人を通じて出席した若旦那は、初対面の高橋となぜかヤンキー漫画について熱論。あまりに盛り上がっていたことから、「小嶋さんから「ねぇ、そこ何で2人で楽しそう!?」って言われて、「すみません」みたいな(高橋)」とパーティーの主役からツッコミが入ったことも明かし、会場の笑いを誘った。
高橋みなみ、若旦那
「手始めに1曲、歌おうと思います」と若旦那が宣言すると、この日初めての生歌ライブのコーナーに。若旦那曰く「あえて何も段取りを決めずにここ(会場)にやって来た」そうだが、湘南乃風の代表曲である「純恋歌」を歌い始めると、同じく何も知らされずに会場入りした高橋と息の合ったコンビネーションを展開。2人のパワフルかつ優しいユニゾンは、即興ならではの新鮮味と仲睦まじい空気感を大いに含んでいた。
高橋みなみ、若旦那
その後、トークテーマは握手会の話に。かつてAKB48のメンバーとして頻繁に握手会を行っていた高橋だが、若旦那に活動初期の握手会について聞かれると「グループ的にも人気がなかったですし、人が来ないという苦しさがあった」と当時を述懐。「前田敦子にはたくさん人が並んでいるのに、私は2、3人みたいな。それを見た前田敦子の列の人が気を遣ってこっちに来てくれたり……あのときはちょっと苦しかったです」と、駆け出し時代に感じた苦悩を打ち明けた。また、高橋が出版した書籍『リーダー論』について話が及ぶと、「ぶっちゃけた話、感動しました。人との接し方や立ち回り方の答えが書いてある。みんなにも是非読んで欲しい」と、若旦那がその内容を絶賛。さらには、自身が湘南乃風のライブで総監督の役割を担っており、AKB48グループをまとめていた高橋のリーダーぶりに影響を受けていることを告白し、高橋が仰天する一幕もあった。
より真に迫ったトークを展開したところで、若旦那が自身の新曲を披露。「ぼくが見つけたあの星のように」と名付けられたこの楽曲について若旦那は、「最近、自己啓発本を読んで何にでもなれるって思う人が多い」とした上で、「そうじゃなくて、自分を客観的に見て、自分に何が出来るかを定めることが大事だと思うんですよね」と、制作に込めた熱いメッセージを明かした。
高橋みなみ
高橋みなみ、若旦那
続いて、高橋が敬愛してやまないという中森明菜の名曲「飾りじゃないのよ涙は」を若旦那とセッション。80年代の歌謡曲が大好きだと話す高橋は、母親がカラオケで歌っていたのをきっかけに中森の存在を知り、やがて歌手を志すようになったそうだ。セッションには、この日会場に来ていた若旦那の友人でレゲエシンガーのBES、さらには湘南乃風のバックDJを担当する The BK Soundも参加。彼らが奏でる楽器の音色、もとい援護射撃も相まって、若旦那と高橋は和気藹々としたムードで歌唱を繰り広げた。とりわけリードボーカルを務めた高橋は、豊かな抑揚を披露。本人も歌唱後には「やばー! 楽しい!」と充実した表情を見せた。
高橋みなみ、若旦那
この日最後に歌われたのは、かつて若旦那がINFINITY16らと発表した「伝えたい事がこんなあるのに」。「嬉しいことや悲しいこと、嫌なことや悔しいことがあったら、自分一人で溜め込むと爆発しちゃいそうで。だから、人に伝えることをするんだと思います」と真摯な眼差しで前置きした若旦那は、ギターを自ら掻き鳴らしながら熱唱。最後はマイクから離れてダイレクトに生歌を届け、その渾身たる思いを会場に放った。
イベント終盤、若旦那がこの日のメインお題である「『○○』と書いて『人生』と読む」について高橋に尋ねると、彼女は「人と共に生きると書いて人生と読む」と回答。「私は案外独りでいるのが好きなんですけど、すべての感情は誰かがいないと何も生まれないと思うんです。そう思ったときに、誰かと生きていかなければならないのが人生だなって。だからこそ旦那さん(若旦那)とも縁が出来て、こうして呼んで頂けたと思いますし」と説得力抜群のスピーチを展開すると共に、若旦那に感謝を伝えた。
高橋みなみ、若旦那
最後に2人は、「凄く楽しかったです(高橋)」「ぜひまた会いましょう(若旦那)」と晴れやかな表情で交わし、イベントは終了。普段からドームやホールといった大規模な会場でライブを行う彼らが、定員100人程度のライブハウスの中で語り合うという現実は、贅沢さと同時にいささかの小っ恥ずかしささえ覚えさせた。しかしながら、その密な距離感こそが我々の“素っ裸な気持ち”をも引き立たせ、若旦那と高橋みなみをつなぐ強い信頼関係に寄り添わせてくれたのは言うまでもない。まさに心も体も満たされる、絶妙な湯加減のひとときであった。
取材・文=白原ケンイチ 撮影=REALROCKDESIGN
2017.4.22(sat) 渋谷gee-ge
1. 純恋歌
2. ぼくが見つけたあの星のように
3. 飾りじゃないのよ涙は
4. 伝えたい事がこんなあるのに
5月20日(土) ゲスト:哀川翔
6月 2日(金) ゲスト:浅野忠信
6月17日(土) ゲスト:井上康生
6月30日(金) ゲスト:コロッケ
渋谷 gee-ge