カイワレハンマー、活動休止から再開までの1年間を詳細に語る
-
ポスト -
シェア - 送る
カイワレハンマー・imiga
──そんな活動休止期間を経て、4月5日にファンクラブ限定で復活ライブが行われました。改めて2人でステージに立ってみていかがでしたか?
BEMA:やっぱりなんだかんだ一番安心するというか。帰ってきた感がすげえありましたね。
imiga:うん。ホーム感があった。最初はお互い探り合っている感じがあったけど(笑)。
BEMA:あったね(笑)。
imiga:でも、ライブが終盤に近づくにつれてそういうのもなくなっていって。最後に「come back」っていう新曲を披露して、帰って来たぞって。
──お客さんの反応はどうでした?
BEMA:いい意味で変わってなかったです。そこに安心したところもあるし。
imiga:「三角係」っていう曲で、ちょっとした振りみたいなやつがあるんですよ。それをみんながやってくれてるのを見たときに、ああ……戻って来たんだなって感じました。
BEMA:休んでいる間にお客さんが入れ替わって、そういう動きみたいなのがわからない子が結構いるんじゃないかなって思ってたんですけど、そういうのもなかったので。あのフロアの光景を見て、やっぱここなんだなっていうのは思いましたね。
──そして、5月17日には8曲入りのアルバム『BegInner2』をリリースされます。ちなみに、2人で発表した初作品が『BegInner』だったわけですが、今回のタイトルは結構早いタイミングで決めたんですか?
BEMA:俺がいきなり「『BegInner2』だ!」って言い出した感じですね。1年間休止して改めてのスタートなので、このタイトルにしようって。で、曲順も1stに近い形にしたり、照らし合わせてみると雰囲気が似ていたり、そういうものを意識してました。あと、自分のラッパーとしてのスキルがあがったところも見せつつ、音楽的な修行の成果も見せたかったんで、幅広いものにしたいなと思っていたのと、あとは「ただいま」ですね。
──そのメッセージはしっかり伝えたかったと。
imiga:ずっとラップなわけじゃなくて、お互いのパートでいきなりメロディーをぶっこんだり、サビも過去の曲に比べるとまた違う感じがしたり。あとは、ライブを意識して作った曲もあるし、いろんな面から作っていった感じでしたね。
──個人的には「ちょっと一息」が、ちょっと一息じゃないぐらいのテンションでラップしてるなと思って気になったんですが。
BEMA:あははははは(笑)。
imiga:あれこそquad4sのときに作っているような感じだったんですよ。
BEMA:ガッチリ決めて“はい本番です”っていう感じじゃなくて、やりますか、じゃんけんぽん、じゃあそっちから!っていう。
──imigaさん的には苦手な方法だったとは思うんですが。
imiga:復活でもあるし、濃厚な活動休止期間だったから書きやすかったです。内容を詰め込みやすかったんで。
──他の曲も言葉は出てきやすかったですか?
imiga:そうですね。
BEMA:いや、違うだろ。「suite room」とか。
imiga:あぁ。恋愛系全般の歌詞が苦手なんですよ。
BEMA:恋をしたことがないからでしょ?
imiga:学生時代は全然だね。皆無だったから。
BEMA:同じ学校だったら絶対にしゃべってなかったよね? imigaはずっとPSPやってる感じのグループで、俺らがそこにチャチャを入れる感じっていうか。たぶん交わることはなかったと思う。
imiga:なかったね。絶対にない。
──そんな絶対に交わらなかった2人が知り合ったキッカケというと?
BEMA:6、7年前ぐらいに僕がオフ会を開いたときに、(imigaが)来たんですよ。
imiga:当時はリスナーだったんですよ。
BEMA:僕のファンですよ、元は(笑)。で、ツイッターでフォローしあったら、ラップのことをつぶやいてて。
──共通項こそがラップだったと。
BEMA:そうですね。YouTubeやっててラップが好きな人って、俺の周りにはコイツしかいなかったんですよ。
カイワレハンマー
──imigaさんは元々ファンだったとのことでしたけど、活動していくなかでその関係性がちょっとずつ変わっていきました?
imiga:そうですね。最初はYouTubeに曲を自己満足でアップしてただけだったけど、徐々に変わっていって……1回目のツアーが始まった辺りぐらいですかね。プロとして活動していくのを実感していったというか。
──BEMAさんもimigaさんが変わっていくのを感じていたり?
BEMA:いや、あんまり(笑)。もうね、コイツはずっとこのままなんすよ。のほほんとしてるし、話が通じないことも多かったりするし。
imga:あぁ。そこは変わってないかも。
BEMA:実はB型だったってこともさっき知ったしね。俺、ずっとA型だと思ってたんで。
imiga:それぐらいお互いのことを話さないんですよ。
BEMA:むしろ何もしゃべらないのがフツーっていうか、話に空白ができてもどうしようとかはまったく思わないです。
Imiga:そう考えると一緒にやってることが不思議ですね。
BEMA:うん。不思議。
──そういうリズムが出来てしまっているし、そこに居心地のよさがあるのかもしれないですね。
BEMA:そうなんだと思います。
──そして『TOUR2017-2018~配達ガワリノ挨拶マワリ~』と題し、5月20日にZepp Nambaで、6月3日にZepp DiverCity TOKYOでのワンマンが決定しています。
BEMA:赤坂BLITZはファンクラブ限定だったので、そこに来れなかった人達や、いろんな人たちに向かって帰ってきたことを正式に伝えるライブになると思うんですけど、内容を変えようと思ってるんですよ。大阪は初Zeppなんで、いつも通りのライブをしつつ、プラスアルファ自分達が活動休止していたときに得たものを見せられたらいいなと思っていて。東京は生バンドでやろうと思ってます。
imiga:自分はアコースティックのときに生バンドは経験したので、そこで得たものを生かしたいですね。早くやりたいです。絶対に楽しいから。
BEMA:「早くやりたい」とか言うの初めてだよね!? 普段はそういうこと全然言わないから。
──かなり気合いが入ってますね。そこから全国数十か所をまわるわけですが、今後はどういう活動をしていきたいですか?
BEMA:「売れたらこうなりたい」ていうものがあんまりないんですよ。ラップを始めたのも「日本語ラップっておもしろいんだよ」っていうのを広めたかっただけなので。今、ヒップホップの番組とかも熱いし、ブームになってきて嬉しいんですけど、とりあえず、結構なめられることが多いんですよ。現場に行くと、「ああ、YouTuberでしょ?」みたいな。
──なめんじゃねえぞと。
BEMA:そこはやっぱありますね。サイファーでもそういう空気はあるけど、結構すぐになくなるんですよ。ラップすると、「あ、結構できるんじゃん」ってなって、打ち解けたりして。でも、そういう雰囲気はなくしていきたいですね。「YouTuberでもここまできましたよ?」って言える、唯一無二のアーティスト、ラッパーになれればいいなと思います。
──imigaさんはいかがでしょうか。
imiga:今もしてますけど、とにかくいろんなことに挑戦したいです。ソロアルバムは、ラップの乗せかたとか、いろんなことを考えながら作曲してたんですけど、それまでと違った角度から音楽を見てみたら本当に広いなと思ったし、限界はないんだなって感じたんですよね。いろんなジャンルとかスタイルにどんどん挑戦したいし、BEMAも言っていたように、そういうところからもっとヒップホップが広められたらいいなと思ってます。
取材・文=山口哲生 撮影=菊池貴裕
カイワレハンマー
6月3日(土)Zepp Divercity Tokyo
NKR-00002/¥2500+tax
全8曲収録