滑る、見得切る、宙を舞う!仕掛け続々「氷艶」で歌舞伎とスケートがコラボ

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2017.5.21
「氷艶 hyoen2017ー破沙羅ー」より。(c)松竹株式会社 無断転載禁止

「氷艶 hyoen2017ー破沙羅ー」より。(c)松竹株式会社 無断転載禁止

「氷艶 hyoen2017ー破沙羅ー」が5月20日に東京・国立代々木競技場第一体育館にて開幕した。

本作は歌舞伎とフィギュアスケートのコラボレーションによる、ストーリー仕立てのアイスショー。両界のスターらによる氷上での共演に、開幕前から注目が集まっていた。ステージナタリーでは、本日12:00に上演された、開幕回の模様をお届けする。

舞台は神代の日本。女神稲生(荒川静香)が描きだす夢物語が始まる。国の長の猿田彦(中村亀鶴)は、妻の天鈿女命(村上佳菜子)と、天からこの地を治めるために下ってきた瓊瓊杵尊(織田信成)を迎える。その妃として岩長姫(市川笑也)と木花開耶姫(浅田舞)が現れるが、尊が木花開耶姫だけを妻にしたため、岩長姫は恨みから歌舞伎の悪役仁木弾正直則(市川染五郎)を呼び出す。困った猿田彦は武蔵坊弁慶に姿を変え、源九郎判官義経(高橋大輔)を呼び出し、両者の戦いの幕は切って落とされるが……。善の義経と悪の弾正など、歌舞伎の世界では交わることのないキャクター同士の戦いも、異種コラボレーションとなる本作ならではの見どころとなっている。

物語はフィギュアスケーターたちの表現力に満ちた滑りと、歌舞伎俳優たちの語りによって進行。劇中では一部のキャストを除いた全員がスケート靴を履いて登場し、アイスホッケーの経験がある染五郎と笑也を筆頭に、澤村宗之助や大谷廣太郎ら歌舞伎役者たちも軽やかに氷上を行き来する。毛振りやすり足、見得、鳴り物など、氷上で観聞きするのは感慨深い歌舞伎ならではの演出や、映像と生身の俳優によるコラボレーションなど、創意工夫に満ち溢れたステージとなっている。また、氷上を一瞬で花畑や火の海に変貌させ物語を盛り上げるチームラボの映像演出や、「VOGUE JAPAN」がスタイリングを担当した艶やかな衣装にも注目だ。

染五郎のアクロバティックな宙乗りや高橋が三味線に合わせ激しく踊るシーンでは、客席からは大きな拍手が起こった。2人の氷上の殺陣対決は、剣舞さながらの美しい一幕となっている。荒川が見せる優雅な舞では、イナバウアーの披露も。岩長姫の手下として、DRUM TAOと大仕掛けを率いて妖艶な舞を披露する蛇髪姫の正体は、会場で確認しよう。フィギュアスケーターたちの疾走感と歌舞伎俳優たちの重厚感が誘う「破沙羅」の世界。ドキリとするシーンや、くすっと笑えるコミカルな演出も用意されているので期待して欲しい。

公演は5月22日まで。公演日ごとの当日券の有無は、公演公式Twitterで確認しよう。上演時間は途中休憩ありの約2時間。会場内は冷え込むので防寒対策をして臨もう。

「氷艶 hyoen2017ー破沙羅ー」

2017年5月20日(土)~22日(月)
東京都 国立代々木競技場第一体育館

脚本:戸部和久
演出:市川染五郎
振付・監修:尾上菊之丞
振付:宮本賢二
振付:東京ゲゲゲイ

キャスト

仁木弾正直則:市川染五郎
源九郎判官義経:高橋大輔
女神稲生:荒川静香

岩長姫:市川笑也
奴江戸兵衛:澤村宗之助
鬼佐渡坊:大谷廣太郎
猿田彦後に武蔵坊弁慶:中村亀鶴

静御前:鈴木明子
瓊瓊杵尊(ににぎのみこと):織田信成
木花開耶姫(このはなさくやひめ):浅田舞
天鈿女命(あめのうずめのみこと):村上佳菜子

荒獅子男之助:大島淳
奴一平:鈴木誠一
渋谷金王丸:蝦名秀太
鳶頭彰吉:佐々木彰生

地獄太夫:中村蝶紫
蘇我入鹿:澤村國矢
石川五右衛門:片岡松十郎
酒呑童子:中村かなめ
ほか

演奏:DRUM TAO

※高橋大輔の「高」は、はしごだかが正式表記。

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ステージナタリー
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