ファションマニキュリスト/ネイルアーティスト ERI NARITA|こんな日本アーティストがパリで活躍中 【第17回】

インタビュー
アート
2017.5.29

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ファションマニキュリスト/ネイルアーティスト  ERI NARITA

パリではあらゆる年齢のパリジェンヌたちにネイル・サロンが人気です。ただ、日本ではすっかり浸透したデコ・ネイルやジェル・ネイルなるものはあまり見かけません。今回は、そんなパリで自分らしいネイルを広めるべく活躍されているERI NARITAさんにお話を伺ってきました。

NARITAさんがネイルを施したファッション写真

NARITAさんがネイルを施したファッション写真

――パリに来られたキッカケを教えてください。

実は日本で一番最初に就職したのは銀行でした。そこで実際働いてみて、誰にでもできる仕事ではなく、自分にしかできないクリエイティブな仕事をしてみたいと思うようになったんです。その頃、美容の中でも特にネイルに興味を持っていたので、専門学校に通いはじめました。その後、ニューヨークへ移住し3年の間、ネイル・サロンで働いたりエージェントに所属して、ファッション雑誌の撮影やNYコレクションで仕事をするようになったのです。

そこでフランス雑誌の撮影の仕事に関わったり、コレクションの仕事をする中で、日本やNYとも違う、パリ・ファッションのクラッシックなスタイルを見聞きするようになりました。これがキッカケでパリに興味を持ち、2015年に渡仏しました。

NARITAさんがネイルを施したファッション写真

NARITAさんがネイルを施したファッション写真

NARITAさんがネイルを施したファッション写真

NARITAさんがネイルを施したファッション写真

——パリでのネイルは、日本やNYと、具体的にどのように違いを感じますか?

日本はどの国に比べても「技術力」が高く、NYは「クリエイティブ」なものが受け入れられる傾向があります。NYでは色々と新しいことに挑戦すると、喜んでくれるお客さんが多かったのです。ところがパリは、そもそもネイル専門の学校がないほど、ファッション業界の中でもネイルの存在感がまだまだ薄いのです。ただ、フランスでは私の技術力を評価してくれている土壌があることは実感しています。

テイストの違いでいうと、パリジェンヌたちに施術をしてみると、あまりに派手すぎるものや、日本的なデコ風、カワイイ系のデザインよりも、シックでかっこよいスタイルが好まれる傾向がありますね。

NARITAさんが施したネイル

NARITAさんが施したネイル

NARITAさんが施したネイル

NARITAさんが施したネイル

――これからの活動予定を教えてください。

来年頃、パリで自分のサロンを開こうと現在準備中です。自分のお店をベースに、私が日本で得た技術、NYで得たクリエーションなど、フランスではまだ浸透していないネイル文化とノウハウを浸透させつつ、後見者も育てられるようになるのが目標です。パリを活動のベースにしながら、またNYや日本など、場所にとらわれずネイルを続けられたらいいなと思っています。

NARITAさんの施したネイル

NARITAさんの施したネイル

 

あとがき

お話をうかがって、同じネイルでも国によって受け入れられるスタイルや捉え方も、ずいぶん違っていたのが印象的でした。ネイル文化が発展途上国のパリで、あえて新しいネイルの文化を開拓しようとしている彼女の存在はまさにネイル界のパイオニア。すでにパリコレなどでも活躍中の成田さんですが、今後はパリのファッション業界の中でさらに大きな革命を起こしていく予感がします。とてもワクワクしたインタビューでした。

プロフィール情報
ERI NARITA

東京でネイルを学び、その後NYに渡米。
NYでサロン業務だけでなく、ファッションショー、雑誌/ビデオ/広告/CM撮影、数々のセレブリティのネイルを手掛けた後、パリに渡仏。現在はパリを拠点にサロン業務とパリコレ、撮影などのファッション業務を同時にこなす。これまでにネイルを施したセレブリティは、ミランダ・カー、ジェシカ・チェスタイン、イギー・アザレア、オリビア・パルレモ、ヘレナ・クリステンセン、など他多数。
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