超体感ステージ『キャプテン翼』元木聖也・鐘ヶ江洸インタビュー「稽古場で積み重ねたものがゴールデンコンビになればいい」
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左から元木聖也・鐘ヶ江洸 撮影・岩間辰徳
漫画『キャプテン翼』の舞台化「超体感ステージ『キャプテン翼』」。80年代に一大サッカーブームを巻き起こし、世界のトッププロ選手もファンだと公言する、正に世界的な名作だ。その舞台化ということで各年代がざわついている本作だが、今回主人公大空翼を演じる元木聖也と、岬太郎を演じる鐘ヶ江洸にインタビューを行った。圧倒的な身体能力を有する二人が感じる「キャプテン翼を演じること」とは?ゴールデンコンビを演じる二人の言葉を聞いてみたい。
――オファーがあった時にどういう気持でした?キャプテン翼に関してはどう思われてましたか?
元木:僕はまずまだ決まるかどうかわからないという時にお話を聞いて、読んだことはなかったんですけど、サッカー漫画と言えばキャプテン翼という感じだったので、改めて大空翼役を頂いたときは、素直に嬉しかったですね。あとは翼くんということなので、その偉大な作品の主人公を演じるという責任感を感じましたね。
鐘ヶ江:僕もそんなに熟読をしたことはなかったんですけど、小学校の時に図書室に漫画コーナーっていうのがあったんです。そこに置いてあって。キャプテン翼ってそういう所にかならずあるような国民的作品だと思うので、やはり責任は感じますね。サッカーやっててもやってなくてもキャプテン翼っていうタイトルは絶対知ってるじゃないですか、だからいい意味で期待を裏切っていきたい思いでいっぱいですね。自分なりに作品も台本も読み込んで、自分で消化して舞台に望みたいです。
――改めてもう原作は読まれましたか?
元木:読みました!まずは技ですよね(笑)。印象はそれです。
鐘ヶ江:間違いない!
元木:でも改めて、主人公である翼くんの明るさですよね。漫画の主人公って明るい性格のキャラが多いですけど、その中でも翼くんの明るさは底抜けというか。今まで色々読んできた中でも一番前向きだし、何事も前向きに捉える子なんだなって。
鐘ヶ江:本当に翼くんがザ・主人公!って印象がありますね。後は技、もう超人じゃないですか!演出のEBIKENさんや共演のみんなとも記者会見の時に話したんですけど、オーバーヘッドやツインシュートをどう舞台で表現するかっていう楽しみはありますよね。
――その記者会見用に稽古をやられたと聞きましたが、いかがでした?
元木:とてつもなく汗かきましたね(笑)。2日で痩せたなぁって思うくらい。
鐘ヶ江:汗かいたね、濃かったもんね。
元木:今回動ける人が揃っているんで、自然に動いてましたね。
鐘ヶ江:自然にっていうか、聖也くんがエンドレスで音楽を流すんですよ、だからおれもやらなきゃ!って感じになるんです(笑)。
――それは自主練のためにですか?
元木:そうですね、曲流すとみんなが踊りだしちゃうというか(笑)。僕も結構ずっと練習したいタイプなので。
鐘ヶ江:熱くなっちゃうよね。
――ハードなものになりそうですね。
元木:とてつもなくハードになると思いますね。
鐘ヶ江:記者会見の時の曲がサンバ調の曲だったので、結構テンポが早かったんです。それが仮に一時間でも続けば……(笑)。大変だろうなって。
元木:僕は撮影の段階ですごい汗かいてるんですよ。いろんな体勢を撮ったんですけど、やっぱり足を上げるカットが多いんです、それをスローでやったり。トランポリンで宙返りしまくったり。
鐘ヶ江:めっちゃ宙返りしてたね!何やってんだ撮影で!って映像見てびっくりしたもん(笑)。
元木:そうそう!撮影の中でも凄さを感じてましたね。
鐘ヶ江:僕もゴールデンコンビとして頑張らないといけないな!僕も世間ではそこそこ動けると言われてるんですけど、やっぱり翼くんを見ると少し嫉妬を覚えるくらい聖也くんが凄いんですよ。そういう役者の関係性もお芝居に反映できたらなって思いますね。
元木:記者会見が終わって、次に会うのはだいぶ先だねって言って別れたんですけど、たまたまアクロバットの練習場にいったら鐘ヶ江くんが居て、一緒にそこで練習して。
鐘ヶ江:一週間たってなかったもんね。びっくりした。
――一緒に練習してもやはり元木さんの凄さを感じたりしたんですか?
鐘ヶ江:ありますあります!本当に凄いのでリスペクトですね。パフォーマンスだけではなく芝居でも楽しみですし。
大空翼役・元木聖也 撮影・岩間辰徳
――お互いの第一印象などもお聞かせ頂ければ。
元木:リハの時かな…最初は物静かな人だと思ってましたけど、その印象とは違くて、熱いものを持っているし、こだわりがあるんだなって思いましたね。一緒に動いてみたら突き詰める人なんだなって思いましたね。
鐘ヶ江:僕は初めてお会いしたのはそのリハのときなんですけど、実はその前に動画で聖也くんのことは拝見してて。アクロバットを始めた時にたまたま見たのが聖也くんの動画なんです。こんな人がいるんだ!って思ってやりだしたので、アクロバットをやりだしたきっかけの人なんですよね。だからあまり初めて会った気がしないというか。正直嬉しかったですね。
元木:聞いたときはむず痒かったですね(笑)。僕がやっているのはトリッキングというスポーツで、高校生の時に友達と一緒になってやってたんですけど、気がついたらそれを見てくれた人が居て、影響受けましたって言われたり、驚きでしたね。
――知らないうちに人に影響を与えてるのも翼くんっぽいですね。大空翼に憧れてるプロサッカー選手も多いですし。フェルナンド・トーレスやジタンなんかもキャプテン翼が好きだと発言しています。そういう憧れを演じることに関してはいかがですか?
元木:僕はうれしいですけどね、だから彼らにも見てほしいなぁ!(笑)。そこの自信があるっていうのは、揃っているキャストさんやスタッフさんが超一流なので、凄い!って言ってもらえると思います。勿論お芝居ではあるんですけど、ショー的要素も多いし。動きで見せられる人が揃っている。総合演出のEBIKENさんも世界で認められてる人だし、海外の人が来ても楽しめるものにはなると思います。
鐘ヶ江:EBIKENさんも世界に通用するパフォーマンスを作りたいって言っていたので、そこは僕たちも意識してやりたいですね。
――今回、実際舞台上でアクロバティックなアクションを見せないとならないわけですが、準備はいかがですか?
元木:実際、練習している中で、どの技ならキャプテン翼に使えるかな?とかは考えてますね、あとサッカーボールは買いました!
鐘ヶ江:僕も買いましたね!そこは負けられない(笑)。いろんな蹴り方練習してますよ。
元木:なんだかんだでサッカーの作品ですからね。アクロバットもそうだけどまずサッカーがないと駄目だと思うんです。それは全出演者共通の思いなんじゃないですかね。なんていっても「ボールはともだち」ですから!
岬太郎役・鐘ヶ江洸 撮影・岩間辰徳
――サッカーはやられていたんですか?
元木:小さいときはよくやってましたね、サッカーはボール一個あれば出来るスポーツですからね。
鐘ヶ江:僕も学校の休憩時間はサッカーをやってましたね、みんなで行こうぜ!って声かけてやって、思いっきり遊んで、翼くんの真似してオーバーヘッドに挑戦して失敗する、みたいな。
元木:結構チャレンジした人多そうだよね。
鐘ヶ江:当時は芝生とかだったので怪我もなかったですけど、今はきちんと回れますからね!でも他のスポーツの技って知らないことも多いと思うんですけど、サッカーのオーバーヘッドってみんな知ってると思うんです、それってキャプテン翼の功績だなって思うんですよね。
――新しい技術である「ハプティクス」も使用されていますが、コレはどう思われますか?
元木:まだ体験できてないんですけど、凄いですよね!元々僕はそういうガジェット好きなのでめちゃくちゃ気になっていますね。その新しい技術がキャプテン翼と組み合わさるのは嬉しいですね。
鐘ヶ江:やっぱり“世界初”っていう響きがいいですよね。コレを演劇で初めて使うというのに立ち会えるのは凄い光栄ですし。役者側も曲のどこで蹴る、とか決めておかないといけないので、かなり精密に作っていかないといけないと思ってますし、そこも楽しんで貰えたら。
――EBIKENさんとはそのへんのお話されました?
元木:まだまだEBIKENさんも練っている段階だと思うんですが、勿論ボールは使うと思いますし、映像もそうだし、フライングで吊られるのとかも気にはなりますよね。キャプテン翼は空中でのシーンが非常に多いので、それもどうするか……
鐘ヶ江:いや、聖也くんなら空中で止まれるでしょ?(笑)
元木:いやー! 流石に空中ではまだ止まれないかな!(笑)
――高橋先生とはどんなお話を?
元木:いやそれが!高橋先生まるで忍者みたいなんですよ、気がついたらいらっしゃって、終わった後もすっといなくなっちゃうんです。ギリギリ「お疲れ様でした!」ってだけお声掛けできましたけど。
――では、キャプテン翼の世界観に関してはどう感じてらっしゃいますか?
元木:まずこの現場は男しか居ないので、部活感のようなものは出していきたいですね。チームワークはしっかり作っていきたいです。それは舞台上にも出てくると思うんですよ、絆とか、どれだけ汗を流したかとか、そういうのをしっかり踏んでいけば漫画の中に描かれている汗臭さみたいなものも出てくるんじゃないかと思いますね。
鐘ヶ江:やっぱり最初に作っていくものってあるんですけど、やればやるだけ、一緒に稽古すればそれだけ芯の部分でつながっていくんですよね。キャストさんが揃って稽古していく中で生まれるものが真のチームワークだと思うんです。それを出したいですね。
元木:記者発表の練習も身体で語り合うというか、あれをやれてよかったなって思いますね。
鐘ヶ江:いや本当にそうだよね、あれで方向性見えた気がする。
撮影・岩間辰徳
――それぞれが演じるキャラと、ご自身を比べると似ている部分とかあったりしますか?
元木:そうですね、翼くんって素直だし、言われたことを実行する力もある、でも一番はサッカーが好きっていう気持ちじゃないですか。僕はトリッキングって言うものに出会って、打ち込んでいく中でだんだん上手くなっていって……というのは通じるものがあるかもしれませんね。
鐘ヶ江:岬くんは転校が多いんですけど、その中で人に純朴に接することが出来るのは相当すごいことだと思うんです。翼くんとはゴールデンコンビですけど、陰と陽というか……。影ではないんですけど、翼くんの受け皿になれる岬くんの心の広さというか、それは僕が一番岬くんを尊敬しているところですね。あとは昔からの関係性。松山くんとかとの関係性も自分の中では作っておきたいと思っていますね。
――確かに二人はゴールデンコンビですからね、お二人もそうなれそうですかね?
鐘ヶ江:あまり最初から決めつけずにいきたいとは思いますね。
元木:気がついたらそうなっていればいいな、って。
鐘ヶ江:リスペクトする所も似てますし、僕たちが稽古場で積み重ねたものがゴールデンコンビになればいいんじゃないかな、と。
撮影・岩間辰徳
――所謂2.5次元作品と言われるジャンルになると思うんですが、キャプテン翼という作品自体が少し前の作品じゃないですか、30~40代の男性とかが舞台化で驚いたりしてたんですが、今までの作品とは違う客層のお客様がいらっしゃる可能性もあると思います、そのへんどう思われますか?
元木:僕は正直めちゃくちゃ嬉しかったですね。所謂2.5次元作品というのではなくて、それはそれで素晴らしいし素敵なんですけど、僕はこういう作品にしかない良さみたいなものを舞台でやれるのが嬉しかったんです。あまり2.5次元というのを意識するつもりもなくて、まずはキャプテン翼という作品を作り上げること。それをリアル世代で見てきた男性が納得できるものにしないといけないと思いますね。女の子が喜ぶだけじゃなくて、男の人が凄いと思うものをやる。あまり舞台に来ない方もみてもらいたいし、内容の濃いものにしたいですね。こうしておけばいいでしょっていうものはないですね。アクロバットもダンスも入り口として興味を持ってもらいたいですね。
鐘ヶ江:僕もチャンスかなと思うくらいですね。演劇を作る上で見たことない人にどれだけ来て頂けるかが大事なんですけど、発表した時にファンの方たち以上に中学の同級生とか、家族の反応がすごかったんです。それって注目されているってことだと思うし、それを裏切らないように。パフォーマンスの部分で魅了できるようなコンテンツを作っていくつもりです。ビジュアルに関しても僕は個人的に似せることに重きをおいていない気がしていて。僕らがそのままこの世界に飛び込んで、感じたものを表現して、それがコンテンツになっていくっていうふうにしたいですね。
――それは大変そうですね。
鐘ヶ江:結局僕らも原作があるにしろないにしろ、台本があれば芝居は出来ると思うんです。台本があれば世界はあるので、それがちょっとイメージされているかいないかだけの違いなので、そんなに意識して作らないですね。心配していないというか。
元木:でもキャプテン翼を舞台化して見に行くとしたら、必殺技どうするんだろうというのは一番気になるところだと思うんですよね。こっちもそれは完璧に作らないとって感じですよね。
鐘ヶ江:そういう意味ではEBIKENさんのアイデアが凄くて、凄いパターンを持ってらっしゃるんですよ、そこに僕らの身体能力が合わされば行けるんじゃないかなって思いますね。
撮影・岩間辰徳
――では、最後にコレを見ている方に一言
鐘ヶ江:キャスト・スタッフ最高のメンバーが揃っていますので、迷ったら一度劇場に足を運んで頂ければなって思います。それがいい作品であればみなさんが応援してくれると思いますので、僕らを一度信じてもらえたら!
元木:舞台とか関わりのない方もキャプテン翼なら見てみたいなって方も居ると思うんです。そういう人は是非一度見に来て頂きたいです。最高のものを作りますので、男が思いっきり汗かいてバーっとやってますので、キャプテン翼を知らない人も是非来てもらいたいですね。そこから原作にも興味を持ってもらいたいですし、まずは是非楽しみにして劇場に来てください!
撮影・岩間辰徳
インタビュー・文:加東岳史 撮影:岩間辰徳
日程 :2017年8月18日(金)~9月3日(日) 23 回公演(8月21日・8月28日は休演)
会場: Zepp ブルーシアター六本木
総合演出 : EBIKEN (蛯名 健一)
脚本 : 加世田 剛
振付 : 松永 一哉
<出演者>
大空翼役:元木聖也
若林源三役:中村龍介
日向小次郎役:松井勇歩
岬太郎役:鐘ヶ江洸
三杉淳役:鷲尾修斗
若島津健 役:渡辺和貴
石崎了 役:輝山立
松山光役:反橋宗一郎
早田誠役:土井一海
新田瞬役:加藤真央
立花和夫 役:廣野凌大
ロベルト本郷 役:田中稔彦
見上辰夫 役:瀬川亮
伊阪達也
北村悠
斎藤准一郎
松永一哉
企画・主催 : Zepp ブルーシアター六本木運営委員会(Zeppライブ/パルコ/トリックスターエンターテインメント/クリエイティブマンプロダクション/トムス・エンタテインメント/イープラス/ローソンHMVエンタテイメント/ぴあ)/
集英社/テレビ東京
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■券種/料金(全席指定・税込)
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